水と日
木立 悟
草の内の金の廃坑
砂に降る雨に
慄
(
ふる
)
えに
夢みられている原
路のまわりを行き交う
光の灰
今日の最後の雨粒
濡れた手のひらと
空との間にある瞳
雲の黒を
しずくのゆくえを映してまたたく
廃園に来る鳥の声
機械を拾う機械の音
波打ち際で
ひらかれた手のひらには
海が
忘れられた歌が
海と同じ大きさの歌が
渇
(
かわき
)
に降る雨のように咲き爆ぜる
自由詩
水と日
Copyright
木立 悟
2006-05-25 21:09:31