あの子はまだ 元気で暮らしているだろうか

野に咲く花のように 根をしっかり延ばし

白く 小さきつぼみを

開かせているだろうか

あの時に渡した 黄色い熊の飾りは

今もまだ  ....
仕事に疲れたおまえが
こんなわたくしの部屋に帰り着くと
雨にぬれたおまえは
いつものように静かに服を脱いだ
行き場のない案山子のようなジャケットを
お前はハンガーにかける
遊んでもらえない ....
あれはきっと
生きものが群れている音だ


口をすすぎ
顔を洗う
そんな朝の水で


生きるために
毎日タマゴを食べる
塩の加減は
これでよかったかと自問する


 ....
上りの通過列車が
雨上がりのプラットホームを過り
色褪せたベンチの水滴を
さらってゆく


少し欠けた白線と
凸凹黄色のタイルは
きっと黙って
それを見ている


プラットホー ....
(その2 自転車屋のおじさん)


おじさんの手にはすっかり油がしみ込んでいて、指紋もわからないくらいになっている。

それが職人の手だと自慢していたけれど、あんまりじろじろ見ていると少し恥 ....
人の灯りが
山間に星空のようにまたたいている
地上の星という流行り歌があった
高台を走る田舎の高速道路から盆地を見下ろすと
それは星の吹き溜まりのように見えるのだった

星座には見えないが ....
ちょこっとのきっかけで
けんかになった
ぼくは
ありったけのわるぐちをいった

ばか
おたんこなす
よわむし
げじげじ

ぷいっとそっぽをむいて
いえにかえった


ひとり ....
ひとりになる
そんなことは結局、どこにもないのかもしれない
はぐれがちになる秋の、空の一片は
また明日と手を振るように
ぽっかりと抜け落ちている

秋の
すっと高くなる人たちの
忘れ ....
朝の空気は
ひんやりとして
あたらしいいのちを
送りだす
遠くから聴こえる
鳥の声に
遠くで暮らす
母の足音
滲んでる

{引用=耳を澄ます}
朝の空気は
瑞々しくて
白から ....
アースジェットが
秋のはじめになってもまだ半分くらい残っている
しゅーと夏を吐き出してみる
秋はそんなところから始まる

ぼくは割り算を高い空に置く
割り切れないことは繰り上げるのか
繰 ....
眠りは当局から支給される
月にいちど注文をすることになっている
私は主に スタンダードな「白の眠り」を注文する
けれどいつもおなじ眠りというのも
あじけない気がするので
やはりスタンダードな ....
つるべ落としの夕暮れが
立ち尽くす人の上を
群青に染め上げていく

笑ったような月が
ヴィーナスを従えて
ゆっくりと
空にかかる

そして

青白い光が
窓辺で
謳っ ....
のんちゃんの
さんりんしゃは まっかかで
はんどるのとこに
いろんないろの
フサフサが ついていた
あか あお きいろ みどり しろ
いつつも ついてて きれいだった
あしでけって さか ....
空からの鳥
土からの鳥
雲をあらそい
夜に落ちて
わずかな光に溺れる



土のなかの魚たちにも
雨は少しずつ少しずつとどく
稲妻の色に目覚め
音に眠る
その ....
お父さんまたお話して
子供のころの犬の話

しんだ父におねだりして
私は旅に出てゆく
お父さんの記憶の中へ

ジャノヒゲ揺れて
オオバコ踏んで
大きい夕陽とお父さんと犬
風は紫オレ ....
吹かれるように手を振る
ススキの群れの中に
枯れて埋もれていきたいと
いや、そんな最期のために
生きていきたいのです


西風が波を走らせて
遠泳の息継ぎのように
{ルビ水面=みなも ....
 朝 起きると 置手紙

 内容はたいした事じゃないけど
 
 急いで書いてる姿が

 目にうかぶ

 白地にピンクの文字
 
 ただ一通の置手紙が

 僕を暖かく包む

 ....
僕のお母さんからは ロケットが出るんだ

小さい頃 そう歌ってた記憶がよみがえって来たんだ

作詞も 作曲も 全部僕で
ずっとずっと、歌ってた気がする

僕のお母さんからは ロケットが出 ....
(その1 時計屋のおじさん)


裏通りにある時計屋のおじさんは、まるで手品師みたいに器用だ。

おじさんの大きな手からは想像もつかないような、ちいさな部品をちょこちょこといじると、さっきま ....
「レッサーパンダは クマ科か アライグマ科か という 
長年の論争があって 近年 独自のレッサーパンダ科に 分類されることになった」

というニュースを聞き アザ戦は「なんと理不尽なっ!!」と思 ....
  母はいつも眠る前に鍋に水をいれ、煮干をいれる
  朝になると
  はりがね色の文化釜でご飯を炊く
  そのかたわらで
  煮干のだしでおみそ汁がつくられる
  その朝が私のふ ....
君は寝た振りが得意
わかっていてもウッカリ騙され
今朝もゴミ捨ては僕の役目


君は大人だから
分をわきまえているよね
僕はと言えば歳はくっても
燃える恋と燃えない恋の分別さえ
未だ ....
雲に少し

切れ間が見えて

そのむこうは

天国なのかもしれないと

思った
風吹き渡る窓辺で
天使の梯子を見た
低く垂れ込めた雲間から
地へと向かう光の筋を

私は決して清い人ではないけれど
神様は幾度でも許してくださる
清い光が近づくと
怯えてしまう僕は罪び ....
2階建て、駅徒歩5分、良物件。ふたりの日々をここで始める

とりあえず引越しソバは大事だと取り急ぎ湯を、みどりのたぬき

少しだけ心細いねまるでここ ふたり閉じ込められたかのよう

未来へ ....
{引用=

カロン

鈴が鳴って
君が入って来た

コーヒーは

まだ
少しだけ
温かい



つまらない
週刊誌を
めくりながら

どこか
温泉にでも
行き ....
告白します。
ぼくは詩の書けない詩人なんです。

歌わず
炎の中の薔薇のように燃えもせず
気の抜けたペリエのような者に過ぎません

涙でいっぱいになった空から
雫が落ちてくるのを見なが ....
{引用=音も無く 少し時雨れた 夕間暮れ


秋桜 ゆらり

 かしいで ゆらり

   涙の雫を 集めます



波間の 初音に 合わせ逢い

天女の羽衣 筋雲と

見 ....
{引用=
自分が自分であることに
儚い戸惑いを隠せないのなら
あなたは泣いていい
存分に泣け
其処には
散々に舞う桜の花弁のように泣く理由が在る

自分が自分であることに
未来を確立 ....
掘れ! 掘れ! 掘っちまえ! 地の果て見えるまで
掘るんだ 掘り続けるんだ この際墓穴で構わない

お前が言った不満もろとも 俺が抱えた怒りもついでに
掘った穴の底深くに 響き渡るまでぇー
 ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
花一匁- 仲本いす ...自由詩3*05-10-6
秋の乳房- 黒田康之自由詩505-10-6
潮騒- yo-yo自由詩305-10-6
路線区- 銀猫自由詩11*05-10-6
シリーズ「おじさんと僕」2- ベンジャ ...自由詩9*05-10-6
盆地- 岡村明子自由詩905-10-6
けんか- さち自由詩10*05-10-6
はぐれる空も、見送る人も- 霜天自由詩1205-10-6
朝の祈り- 未詩・独白13*05-10-5
omoidetosite- tonpekep自由詩14*05-10-5
眠りのシステム- 塔野夏子自由詩35*05-10-5
*よるは*- かおる自由詩10*05-10-5
思い出『シロツメクサのさんりんしゃ』- LEO自由詩10*05-10-5
外水- 木立 悟自由詩505-10-5
夕陽と犬と- 未詩・独白7*05-10-4
わたり- たりぽん ...自由詩14*05-10-4
一通の置手紙- 炭本 樹 ...自由詩205-10-4
ボクのお母さんからはロケットが出るんだ- 仲本いす ...自由詩11+*05-10-4
シリーズ「おじさんと僕」1- ベンジャ ...自由詩9*05-10-4
長年の論争- アザラシ ...散文(批評 ...5*05-10-4
ふるさと- さかな自由詩605-10-4
恋の捨て方- 恋月 ぴ ...自由詩32*05-10-4
屋上から- 一代 歩自由詩5*05-10-4
風は運ぶ_自由を- けんご自由詩605-10-4
新居にて- 一代 歩短歌3*05-10-4
カロン- 043BLUE自由詩105-10-4
詩人- けんご自由詩1405-10-3
御伽噺- しらいし ...自由詩12*05-10-3
自分が自分であることに- 士狼(銀)自由詩14*05-10-3
掘削作業とその後の疲労感- アザラシ ...自由詩3*05-10-3

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258