{引用=くりかえされる、すべてのいのちと
いとおしきわたしの二人称たちに}


わたしがあなたを産んだそのとき
それとまったく同時に
あなたがわたしを産んだのです
この、配線だらけの街の ....
最寄り駅にあるキヨスクでは
店員のおばちゃんが詩集を売っている
おばちゃんの書いた詩や
駅員の書いた詩や
ホームの柱に落書きされていた誰かの詩が
そこには載っている
地域住民の出した詩 ....
むかし空には大きなバケツがあって
悲しいことがあると人は
そこまで悲しみを捨てに行った
ある日両手いっぱいに悲しみを抱えた大男が
そのバケツをひっくり返して
中身は空の隅々まで散らばってしま ....
イーサーになりたいと君が言った
そんなものはないと俺が言った
星、星、と君が言うから空を見れば海だった
水と煙に呼吸があるなら
与えられて/合わさって
灰水の洩れる絶望が
生まれる時の絶望 ....
私の中にある哀しみについて
いつか
あなたに届けたい

自慢するだけの
不幸もないので
私はいつも黙ってしまう

やさしいね

人はみな不安だ
東京にいくと
いつだってそれが見 ....
ある日
贈り物をしようと出掛けた
セーターを買いに行き
サイズを聞かれた
わたしは答えられない

靴屋に行き
やはりサイズを聞かれ
答えられない

ネクタイを買いに行って
好みの ....
この黒い塊に火をともせば
星空にくゆる灰色の煙で
ふたり。息苦しくて
思わず咳き込んでしまいそう

エンジンを切った
深夜の車内は。ことさらに寒くて
あなたの手のひらだけが
あたしの温 ....
世の中には春が訪れたというのに
一人だけ取り残されたかのように
生活に冬が続いている
わずかな陽だまりにその温かさを
見つめるしかない生活
小さな机の上には
灰皿と百五円の使い捨てライター ....
僕らはさみしい子供だから
間違いだらけの夜更けの中で
雨の音を聴いている

最近雨が好きになったのだと
君は言う

明日も雨が降ればいいねと
僕は言う

壊れたテレビを何度でも
 ....
鍵盤の音を確かめるように
ひとつずつボタンを外していく

育ちすぎた夕暮れが息苦しそうに
僕らの仕草に耳を傾けている

一秒がいつでも一秒ではないように
僕らもまた危ういバランスの中で奏 ....
花曇の四月から
薄灰色の雨が零れる
桃や枝垂れ桜の
薄紅のあいだから
無垢のゆきやなぎは零れ
春雷の轟きに驚いてか
ちいさなゆき、を降らせている

その様子は
あまりに白くて
白、 ....
祖父が昨年末に亡くなった。
それから、祖母はひとり暮らし。
正確には、ひとりと犬一匹と暮らし。

僕の身内で詩なんて書く人はいないと思ってたのですが、
祖母が昔から短歌を書いていたことを最近 ....
晴れた日に
ひばりの鳴き声を聞きながら
地雷を踏んで遊ぶ
僕らはまだ
子供のまま
誰が一番遠くまで脚を飛ばせるか
競い合って
ひばりの鳴き声を聞きながら
でも、もうちゃんは間違えて
 ....
{引用=手紙のかわりに
咲かせたバラが
空にとけてゆく
そんな奇跡みたいな
きょうという日に
影のような
おまえ
人のあきらめのような
おまえは
いつも
泉からみずをくんできて
 ....
ハロー
いま、ぼくのそばにいる、コトバ、は
みどりいろをしています。
ハロー
もう、ハル、なんですから
きっとすべてがうまくいきます。
ぼくの、てのひらで、
コトバ、は、硝煙、の匂いに
 ....
わたしはうさぎになって
寂しさを抱いて、眠った
よく晴れた朝を迎えて
腫れぼったい瞼に苦笑いを零す
鏡に映る姿は
うさぎというより
醜い何かで
涙が眼球を傷つけていく
ことん、と音がし ....
夜が更けるころ動物園の園長は
動物たちに泳ぎ方を教えます
本当は水族館の園長になるのが
動物園の園長の夢でした
一番泳ぎが得意なのはゴリラで
それ以外は身体の大きさに関係なく
だいたい普通 ....
ちり、ちりり、と
細く凍える氷の心音を
耳元に押し当てながら私は
グラス越しの揺れる景色を
手繰るように眺めていた春でした

くわん、と
頭の、奥の
くわんと鳴るところが私の
大きな ....
子供達は
頭の大きさほどのばくだんを抱え
海辺にたどりつくと
次々とそれを投げ込んだ

ことごとく不発のそれは
波に飲まれ
海はあざ笑った

次はよく破裂するものを持っておいで

 ....
夜空に見える、という
星座ってやつが
点在する星をつないで
こころでみる絵画だった
とは、しらなかったころ
僕は君の名前を
まだしらなかった

君の名前を
まだしらなかったころ 僕は ....
ピアスを空けた彼の耳に見惚れていた

薄く桃色になってる耳朶
床に転がったピアッサー

都会を歩けばすぐ見かけるでしょう
どこにでもいそうなパンク少年

みずいろ絵の具をぶちまけたよう ....
ここにはポイントを入れたり、コメントすることができる機能がついてます。
ポイントを気にして投稿しているワケでは無いけれど
やっぱりポイントを貰うと嬉しかったりして、
次の詩も頑張ってみようかな^ ....
花束を車内いっぱい敷き詰めて水没してゆく春の陽とひと



野の花や少年少女の髪揺れる風泥棒が口笛吹けば



集まればいつしかはなれてしまう春むかしどうきゅうせいと来た海
 ....
地図の上に鉛筆を立てて
転がった位置まで歩いてみると
道路の真ん中にアルマジロがいた

それから早幾年月
アルマジロの実の弟
ジローに出会った
普通の人間の形をしている
折り目正しくス ....
仏のようなよい人に 
ゆるせぬ人がいるのなら 
わたしに誰がゆるせよう 

あの人がわるい 
わたしがわるい 
と 
手にした糸を引き合い 
こんがらがる 
日々の結び目 

力 ....
閉じかけて
影はすぎ
片目だけの
花が咲くほどの
遅いまばたき


まぶたの裏に葉音があり
色のかたちをくちずさんでいる
散る花 咲く花の響きがあり
手のひらを隠し
 ....
ひかりの 牽引が
ここちよい 日だった
つむじ風が 花びらを
まとって 帰ってゆくのを
ひねもす ながめていた
ふと動物園に行きたくなったので
ふらっと電車に乗り込んで
ふらりと向かった

「水曜日は休園日です」

がっくりしてまたガタゴト
帰りの電車に揺られる

電車の中に居る人を眺 ....
母が
「愛してる」、と
言った 父は
 
私を見ながら
「愛してる」、と
言っている
 
 
その私は
貴方に
「愛してる」、と
言って
 
貴方は
悔しいけれど
愛犬 ....
枕の高さの分だけ
浮いてる孤独

しわのように
なみが 追いかけてくる

向きを変えたいけど
やっと こもってきた熱だから

隙間に入り込む外の風を
力なく拒む

しろくにごる ....
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