そのとき奇跡を初めて信じた
この世に無駄ないのちの誕生はひとつも無いのだ




あっ、食べたね
その肉はさっきね、
やわらかく やわらかく揚げたんだよ

ああ
カリカリのドッグ ....
((((((、

溺れていく、夏の、軌跡に、
揺れている、白い泡、虹の、
膜を掴んだ、君の、痕跡。

覚めていく、まなざしに似た、
夕暮れの、屈折。
恥かしげな、月の裸体、
蒼ざめる ....
打ち捨てられてそこにある
朽ちたピアノ
横たわる私
ぽろんぽろんと
雨音と共に
雫が鍵盤を叩く
音色が世界を包むとき
雷が悲しみを切り裂く
思いはどこへ
姿なき君の手をとり
ぬかる ....
見上げることに疲れた日には
雨上がりの空
足もとに見ています。
空だって泣きたくなる日
いっぱいあって
大きな駄々をこねるのですね。
親父さん
青い青い
つき抜けるほどの無邪気に
為す術も知らぬ明日の窓
罪は無く


忘れてしまいたくない気もちは
錆びた合鍵を持ち続けるよう
網膜の上で切ったシャッターが
今とその日をささえて ....
夜のアスファルトと
それに密着してゆく夏と雨とへ
車の落とす赤が付着しては
ひゅっ、と
離れてゆく一秒一秒、その風に
肌寒くなれる体の、少女である体の、わたしが
 ....
書けない日の日記を
どこに書こう

雨の窓に
夜の雲に
扇風機の風に
ゆびで書こう

しあわせってなに?

聞けない質問のこたえを
なにに聞こう

ドライフラワーに
飲み残 ....
魚類図鑑を開き
少年は魚になった自分を
想像する
エラ呼吸の仕方が
わからないので
いつも溺れてしまう
遺書は
鳥類図鑑に挟まれている
夏空の飛び方なら
誰よりも詳しく
知って ....
シャチを吐いたなどとは
とても言えぬ

あの白と黒の

愛しい人             日傘で待ちます
私はいるから           死んだ後でも
ここにいるから          ....
青々と
広がる蓮葉には
明け方の雨の
ひとつぶ、ふたつぶ
みつぶ、よつぶが
それは見事な玉を作り
ころころと
風にゆれながら
まるで生まれたての
宝石のよう

真っすぐのびた
 ....
   {ルビ異花=ことはな}の{ルビ雲夜=くもよ}にしんわりんと咲き


翼よ
きみはなぜ
はたたくのか
熱く青くはためくからだ
その空間を根幹となし
風の性霊を動力とするためか
花 ....
じゃあ あたしは何なのよ
そう言う沢子の声を
尻を掻きながら聞いている
ジャガリコはとても美味しい

でも沢子なんて女はいない
じゃあ あたしは何なのよ
そう呟いている自分
そう呟いて ....
星と星をつないでゆく
あなたの指の先で
翼をひろげた白鳥が生まれる

古いギリシャの名前が覚えられない

翼は夜のかたち
それなのに星と星との距離を
越えることはできな ....
君の操る必殺技を
よく知らなかったので
不用意に踏み込んで
吹き飛ばされてしまった
それと同じような時代、なのかもしれない

人は満水になると、河へ


誰の肩にも当たらないように夢 ....
はじめて海を知ったのは
函館山の東側、岩だらけの海岸でした
あちらこちらに見える対岸の
私との間は早波で仕切られ
たくさんの潜水艦が行き来しているのだと
おじいちゃんに教わりました

次 ....
夏が眩しい

溺れ谷に潜む
怪人二十面相
小林少年
少年探偵団
明智小五郎
それらを束ねる
江戸川乱歩
奇々怪々という名の
イベントを衒って
処せられる
コールタールの羽 ....
今よりもずっとずっと前…詩を書きはじめてしばらくの頃、友人から「雑誌に投稿してみない?」って言われた。彼女はその何年か前に「詩とメルヘン」という雑誌に掲載されたことがある。掲載されたその詩にはイラスト .... 旅先で
必ず訪れる旅館があって
其の庭には
花をつけない
見事な桜が佇んでいた



  花をつけないのは
  私のせいなんですよ



其処の女将は笑う


彼女は ....
波打ち際に立つホテルで
あなたをただ待っていたい
薄暗いバーのカウンターで
透ける尾を揺らす熱帯魚と
ピアノが奏でるゆるやかな旋律と

ガラス張りの大きな窓からは
海とまたた ....
夏ひらく夢は

空に爆ぜる大輪の花

ほんのり蛍の揺らめき

風孕むびいどろの澄んだ音色

今を鳴ききる蝉の声

儚く琥珀色に透ける抜け殻

明けていく毎日の残像
青銅の扉の
息に合わせて
風はふたつの挨拶をした
返事のないまま
なかへと消えた


粉の光
夜に沿い
まぶされてゆく
錆びた光
消える光


朝になり
窓になる前の窓の ....
 花つき言葉   −もとこへ−


一周年の祝いに
なにか書いてみせようと思ったが
気負いのせいかどうもうまく書けず
かといって最初の年に
なんにもなしでは済まないぞと思い
月並みだが ....
あなたが、水かさを増す

「では、また 」
と 言って
あなたが身を反らして
木立から、わたしから
離れていった
その刹那から

あなたが、視界でいっぱいになる

あなたが、
 ....
ささやかな私たちは
長い夜、ごとに膨らんでいく
収まりきれない部屋の、隙間に涙を込めて

名前を、呼ばないで
私たちを訪ねる人たちの
声がはぐれていくから


 月夜に
 ゆっくり ....
月のようでもなかった私は
君にうすぼんやりとした影を
もたらしたり
することもなかった

輪郭を
持ちはじめた気持ち
境界を求めてはいけなかった
あいまいなまま

分針が何度、 ....
昼間の学舎から見える
土の校庭に一人の少年が鉄棒に
跳んでは回って空中で止まった
入道雲の眩しく飛んで
彼は青い空に吸い込まれて消えた

壊れたラジオの蝉の鳴く
汗に滲む目が二重に響く
 ....
豊かなだけの想像力なんか俺はいらない
そう思いながら自転車専用の真っ赤な道を歩いていたら
後ろから
すけぼーで
いかついリーゼントのお姉さんが
ざっ
と通り過ぎた
首筋には漢字で ....
絵はがきみたいな花丸正しい夏休みには
入道雲と蝉の声と蒼い海の三点セット

空と大地をパッキリと分ける入道雲は
どこまでも大きくまっしろで
桃源郷までいける螺旋階段を隠す
蝉はサイレン ....
星たちを耳に手首にぶらさげて羨望の矢をへし折る少女


「牛乳をスプリンクラーで噴射して虹がでるのを待ってるの。あ」


「おつかれさま。今度はあたしと遊ぼーね」蝶は埋められ、そして天へと ....
                      1997/03/19
もうじき刈り入れの始まる一面の麦畑の中を、

パラソルをさして散歩するのは誰かしら。

ミラージュ戦闘機のように、
 ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
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