夕暮れは
いつまで経ってもやってこなかった

川原に揺れる黄色は
菜の花のようにも見えたが
菜の花でないことはわかっていた
季節は秋

それでも遠目から見た黄色は
何となく春を思い出 ....
まるで代わりのように、降る
悼むように
かき乱さぬように
しずかな泣き声の、雨

追われていく時間
ぎりぎりのところで
感情の発露をせき止めている

こころの中に
墓標に傘を差しか ....
いつの日か宇宙の塵となることを夢見るロケット技師と甥っ子


少年は星の名前でしりとりをしている少女は欠伸をしている


フラフープ棄てる少女に土星の輪なくした土星のごときさみしさ

 ....
左の視界に切り込んでくる
海は花を手わたしてくる
霧雨と霧雨の合い間の呼吸
羽音から羽音へ飛び越えながら
海は光を手わたしてくる


朝がはじまるその前に
朝よりも強く ....
コンクリートジャングルを
見下ろす
蒼い空に
真っ白な
ぽわぽわ羊が
たゆたっている

壊れてしまった
レコード盤のような
日常に
膿んで
見上げる空は
高い

鋼 ....
ガイドは何度
凍ったろう
それでも
何度
打ち返したろう

指先もはや
エンスト寸前
ポンコツの腕で
見栄はった道具で
投射された
ラインの行き先
雪の中のいずこ

未だ
 ....
インターホンが壊れてしまって
不在票ばかり、溜まってゆく
ドアをノックする手を
誰も持たない


再配達を
今日は頼んだから、
夕暮れにつづく時刻に
言い訳を抱えて
ドアの内側に寄 ....
曇りでも明るい空だから
月が太っているのだろう

八日の間に
何となく用があってよかった


八日後に
逢えるだろう君と
束の間の時に

望むべきを
叶えるべく
毎夜
私は ....
駅の改札口から外へ出ると
繰り返し打ち上がる花火が
大輪の花を夜空に咲かせては散っていた

仕事を終えた男は
先週バーで隣り合わせた女と
待ち合わせた場所に向かっていた

日常の仮面の ....
いくじなしです

ぼくはいくじなしです

あなたへの想いに

両手も

ポケットも

鞄も

引き出しも

ロッカーも

口の中まで

いっぱいだというのに
 ....
きらめくシャンデリア



天蓋つきベッド



ガラスの靴と、



コルセット





そして庭にピンクのバラが咲いていたら





わたしはお ....
煙を出し続ける煙草が
少しロマンチックに見えた夜に
ともだちが恋に落ちた

赤い電車に乗って帰ろう
窓の外は ちょっとだけ曇った
一週間ずっとの 酷い雨降り模様
揺れる 背中
 最初に詩を投稿していた頃は自然に頭に浮かんだまま詩を書いていたのですが、ほぼ毎日詩を投稿しているうちにもっとポイントが入る詩をかこうと推敲しているうちに自分らしい詩が書けなくなってしまった。他のメン .... こんな都会だから星は輝かない
空を見上げもせず そう思い込んでいた
見えているものを確かめていくのは
立ち止まってみないと難しいのかもしれない


考え込んだ夜 外はあまりに綺麗で
窓の ....
大型台風が 故郷を直撃した夜
携帯電話で
十年以上も音信不通の父の処遇について
妹と話をした

その話の途中
突然の昏倒で緊急入院した母親を持つ恋人から
メールがはいった

その日  ....
 てらてらひかる 満月の夜
 年老いたゾウは 檻の外を見ている

 外はすっかり 秋の装いだ
 どおりで最近 足の筋がしくしく いたむわけ
 長いはなで 鉄柵に触れ
 静かに眼を 閉じてい ....
海上を突っ走るマリーノ超特急は
どこまでも青い廃虚やら波濤やらが
混じりあったりのたうちまわったりで
車輌の隙間から
夜が入りこんでくる頃には
俺もアンちゃんもいい加減しょっぱくなる。
 ....
乾いた土に 優しい水

染みこむ 染みこむ

乾いた心に 優しい言葉

うるおう うるおう

やがて あふれ出した 優しい水は

涙になって 頬をつたう

こぼれおちた 一粒の ....
目に見えない時を読めるようになったのは
あのひとと次の約束をするためだった


等間隔にきざまれた目もりを
瞬間の目印にして
大きな流れの中でも
わたしたちがまた、手をとりあえるよう ....
暗闇に咲く白い花は風に散り {ルビ蝶=ちょう}の羽となり

  ゆるやかに宙を舞い

残された葉の一枚も一本の細い茎を離れ

  ひらひらと

豪雨の過ぎた激しい川の流れに飲み込まれて ....
木がねむると
木のなかに
ほんとうの木がうまれて
風にふれようとする

風がねむると
風のなかに
ほんとうの風がうまれて
空にとどこうとする

空がねむると
空のなかに
ほんと ....
しつづけた お祭の
後は 返されるだけの 暮れ

頬に かかる 雲の影は
冷たいの?

吐息 途絶えた

夢と 簡単な呼び名
つけて 恥らわなければ
いけないような
 ....
薄暗い廊下の突き当たり
古い鍵を回せば
きらきらと埃が舞うだけの部屋

東のカーテンは色褪せ
ピアノの音色は床に転がって
ソナチネの楽譜も気付かぬふり

窓の外には
金木犀がほろろ零 ....
手のひらに感じる暖かさがあれば
他には何も要らない


日々思い出を積み上げても
それは単なる一里塚
それは儚い夢幻
振り返れば跡形もなく
積んだ記憶さえ残ってはいない


手の ....
木漏れ日がもしも零れて落ちたなら
        享けとめるためまつ毛をカール


ハリウッドの女優気分で歩こうか秋色緋色の絨毯の上


空高く群れる羊を追いかけて風の尻尾を捕ま ....
優しく頬を撫でては
何も言わずに去っていく

貴方の指先のよう

簡単に私の心に入ってきて
波を立てたまま
違う海へと行ってしまう

引き留めたくても
叶わない

指の間の細い ....
唾液交じりの汗が香って

しとしととあなたもあたしも潤って

こんなに上手に二人になれて

ああ とっても幸せ


小さくあって

大きくなって

波に溺れて抱き合っ ....
破裂する宇宙服からこぼれ出すはるかな草原駆けゆく少女


一片の光は遂に熟れ過ぎて落下してゆく宇宙の果実


むらさきの虚無が飛来す青空の上で吐血す宇宙飛行士


太陽のひかりときお ....
雫が
紙に落ちる
そこだけ
ワントーン暗い

絵の具を乗せると
じんわり
滲んで
やんわり
色付く

涙が
零れて
心が暗くなったら

あなた
私に
優しい色を
滲 ....
「それにしても
 きみ、
 よく眠るよね」

    と、

わたしが寝起きであるたび、

きみはそう言った。


タオルケットにくるまれて昼間

DVDをBGMにしてしまう ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
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