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下町に生まれてから
高いビルに憧れていた
今になって見上げる景色は
華やいでいるのに
どこか淋しい

地方に引っ越して
久しぶりに来た東京

夜の地下鉄の
長い階段をおりてゆく ....
すべての生きものに終わりがあるように
今日という日が暮れてゆく


プラスチックの透明感が
美しいと感じられない
 
 空っぽのペットボトルを
 赤く染まった空に透かし
 屈折す ....
悲しい夢を見たあとに
声を上げて泣いてしまったのは
その夢が悲しかったからではなく
その夢が現実にほど近い
記憶だったからかもしれません

昔のことですから
もう数えきれないくら ....
降りつづける雨は
もしかしたら辛い過去かもしれません

降っては止み
降っては止みを繰り返し
いつしか涙のようになって

まるで一人ぼっちみたいに
その「ぼっち」が淋しく響いて ....
春は優しい風の音色で
ひらひらと踊りながら地に還る


田舎の祖母の他界の知らせに
慌ただしく帰郷の支度をしながら
移り行く季節の名残に
そっと目を閉じる一時

思い出はいつも
 ....
一人になって
ふと疲れを感じる昼下がり

もう数えていないのと
ぽつり呟くあなたを
抱きしめたら壊してしまいそうです

指先で宙に描く願い事
それが何だかわかりませ ....
ふと動物園に行きたくなったので
ふらっと電車に乗り込んで
ふらりと向かった

「水曜日は休園日です」

がっくりしてまたガタゴト
帰りの電車に揺られる

電車の中に居る人を眺 ....
ああ 今日は
なんて美しい音色だ
風はすこしばかり強すぎるけれど
これは春なのだから仕方ない
それよりそこかしこで
草も木もみんな楽器みたいに
お互いをこすりあわせている

風が吹 ....
(美しく生まれたかったと
 思ったこともありました)


ある日
一羽のチョウが迷い込んできて
羽を持って生まれてきた生き物は
そんなふうに飛ぶのが
当然なのだというように
ゆら ....
その線の流れは
いくつもの分かれ道があっても
不思議とまっすぐに見える

迷い間違えながら歩いているようでもそれが
過去となれば運命と名づけられるからなのか

生まれながらにして刻ま ....
かた目をつむってご覧なさい

指先に抱えた透明を
明るさに透かして見えるのは
ある日の空や海だったり
はたまた宇宙のように綺麗でしょう

その水結晶の輝きは
確かにあなたの瞳の薄い ....
迷走した夜明けが今日に辿り着いた
しまい忘れた記憶が日に焼かれ
過去になりきれなければ後悔になる


朱の刻

その頃眠りにつくのがいい
闇と格闘した疲れを明るく癒す ....
薄曇の昼下がり

住宅街の静けさは重苦しい
声をからして叫んでも
余計に淋しくなるからやめておこう

無表情に時を告げる時計
窓の外には音もなく揺れる小枝
こんな日でも世界は動 ....
胎児のような寝相も
遠い記憶のせいだとか

僕はひざを抱えて眠る

それが一番楽な姿勢なんだよ
間接がすっきりおさまって
頭からつま先までが一つになる

そう 一個の人間にな ....
降りつづく雨は涙であるという
土をさらい根をあらわにして
僕の虚勢を暴いてゆく

両手を広げれば
僕はまるで木のようであるのに
こんなにも簡単に倒れてしまう

水溜まりには
強が ....
星の言葉 降る降る
空の端から

投げかけられた 放物線
かすめていったひとかけら
こぼれて描いた その軌跡

ほんの少しを呼吸して
小さな夢を叶えるために
届くといいな 流 ....
病院の古い長椅子は
もうすっかりガタがきて
座るとギシギシと
独り言でも言ってるみたいだ

そこにはいつも
お爺さんやお婆さんが座るから
僕はめったに座らないのだけど
ちょっと興味があ ....
いったい何を描きたくて
こんな背景のない風景画を

握りしめたペンが色をのせるのは
あぁ あたりまえのこと

あちこちに飛散する偶然たちが
集まりかけていたはずなのに
小さな ....
地上へ向かう木の葉が見せる
一瞬の華やかさ


揺らぎ


心の根幹は
頑丈にできているけれど
心の枝先は
いつも何かにあおられている

言葉が
木の葉のように舞い落 ....
世の中が
あんまり酸性雨だとか騒ぐので
雨が降るたびに身体が溶けてしまいそうな
そんな不安に怯えている

あなたは
自分の弱さが何であるのかを
知りたいようでいて本当は知りたくな ....
弱酸性のあなたは
ちょうど中学で習った化学の実験みたいに

たとえば夏の終わりの夕暮れが
ほんのり赤く色づくのを
美しく感じたりする


弱酸性のあなたは
ときどき褒めてあ ....
「とうもろこし」って言えなかった
小さい頃

どうしても
「とうもころし」になってしまって
ゆっくり言ってごらんよと言われても
やっぱり
「と う も こ ろ し」って言ってしまう
 ....
背景のない明日が
夕暮れを透かして見えそうな頃

閉ざされてゆく今日が
夕闇にかすんでゆく

そんな当たり前のことに
淋しさや儚さを感じるこの心
あるいは美しさを見つけようとす ....
僕の隣には
注いだばかりの炭酸水

弾ける泡の一つ一つが
小さな生き物のように騒いでいる

生まれては消え
その瞬間を精一杯に生きている姿には
最近味わったことのない爽快感 ....
ほんのささいな言葉でも
心がこもっていればいい

ほんのかすかな響きでも
僕を覚ましてくれればいい

ほんのささいな優しさの
心のこもった言葉があって

ほんのかすかな響 ....
君が綺麗な貝殻が欲しいというので
もう夕暮れだというのに海へ
そう人工海岸だったけれど
すっかり自然が染み込んで
目を凝らせば小さな小さな生き物もいる
クラゲもゼラチンの肌で打ち上げられ ....
わたしは先生をやっている

算数、国語、理科、社会
みんな教えている

それはきっと
わたしが彼らより先に生まれたからだ


子供たちは勉強をしている

将来の夢を尋ねても
返 ....
砂浜で波とたわむれる
あなたを見失ってしまいそうで急いでかけよった

あなたの白をたどれば
その薄紅色の唇に広がってゆく海が見えてしまう

景色はうっすらと朱に染まろうというのに
 ....
森の寝息が聞こえる夜

小さな生きものの見る夢は
無塵の砂丘にしみこむ雨の
蒼く芽ぶいた花の種


明日を知ることが堅く閉ざされている
明日を知ることの恐れを知っている


 ....
どんなに遠くを見つめても
そこは一面のブルースカイ


「青」は

けしてきれいな色じゃない
少なくとも
けしてきれいなだけじゃない

無邪気に微笑んで
悲しみを忘れるために見上 ....
千波 一也さんのベンジャミンさんおすすめリスト(118)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「東京」_(地下鉄のホームで)- ベンジャ ...自由詩7*07-6-10
「黄昏る」- ベンジャ ...自由詩5*07-6-9
「悲しい夢を見たあとに」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩9*07-6-7
「水結晶」_(二部作のうちの①)- ベンジャ ...自由詩5*07-5-24
散る- ベンジャ ...自由詩607-4-22
「今日生まれたあなたへ」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩7*07-4-14
「動物園」- ベンジャ ...自由詩12*07-4-6
たとえば歌をうたうように- ベンジャ ...自由詩12*07-3-14
「チョウ」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩10*07-3-9
「手のひらの地図」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩3*07-3-6
「ビー玉」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩7*07-2-28
「毎日が違う目覚めなら」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩4*07-2-27
「だって僕はここにいる」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩5*07-2-20
「からだの記憶」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩5*07-2-17
「そんな生き方」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩9*07-2-14
「星の言葉」- ベンジャ ...自由詩9*06-12-29
「長椅子」- ベンジャ ...自由詩7*06-12-20
「一つ残らずささげよう」- ベンジャ ...自由詩3*06-9-23
「揺らぎ」- ベンジャ ...自由詩10*06-9-20
「弱アルカリ性のあなたへ」- ベンジャ ...自由詩6*06-9-11
「弱酸性のあなたへ」- ベンジャ ...自由詩12*06-9-3
「とうもろこし」って言えなかった- ベンジャ ...自由詩13*06-8-31
まるで難しいパズルのように- ベンジャ ...自由詩11*06-8-20
「午後の炭酸水」- ベンジャ ...自由詩4*06-8-1
「そして言葉が支えてくれる」- ベンジャ ...自由詩10*06-7-2
貝ひろい- ベンジャ ...自由詩4*06-5-24
「今日という日に」- ベンジャ ...自由詩10*06-5-9
「どこまでも白い海」- ベンジャ ...自由詩12*06-4-22
今宵小さな星が降る- ベンジャ ...自由詩9*06-4-18
青空_(ブルースカイ)- ベンジャ ...自由詩9*06-4-4

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