水底に置かれて
屈折した空を見上げては
ただの黒い点となって
あぶくを吐きつづける私は

その蒼に抱かれながら
浄化という名のもとに
この躰を満たしながら
還りましょう 雨に

 ....
今日死んだ太陽の
お仕着せな光を反転させて
月が夜を奪う偽物の夜
太陽を復活させる呪文
水晶を微電流で虐めて
僕たちも一緒に
ふるえる

  言葉が聞きたかった
  なのに
  誰 ....
梅雨の晴れ間を狙って
そっけなく届いた封筒が愛しい

きみが指を強く押し付けたはずの
テープをもどかしく剥がす、剥がす
剥がすと

草色の便箋に並んだ文字が
少し潤んだ懐かしい声に変わ ....
朝、目覚めて、海を、見に行く。

ねぼけ、まなこに、潮風、しみる。

寝巻に、残る、熱、冷めてゆく。

寝汗が、冷えて、少し、目覚める。


海辺の、ディスコは、閉店、時刻。
 ....
の丘に
咲いたダリアの一輪の
唇の頬のうなじの太ももの蹄鉄の
隠された場所の

の丘に
びっしりと生えそろう数億のダリアの一輪の
唇の頬のうなじの太ももの
暴かれた場所の

の丘
 ....
夜をこえて 夜空を駆けて
眠るあなたのうでのなか 忍び込みたい

あなたの見るゆめ
金の砂漠 蒼の水底
耳をすませて
私にきかせて
ねむるあなたのそばにいるから

明け方のそら  ....
海の窓に一面咲き誇る、
世代の階段を降ろしているひかりの樹木が、
紺碧の空の濃度のなかを降りそそぐ。
ひかりは、やがて、平坦に引きわけた、
一般という名の岸のなかに、染まってゆき、
見えない ....
ぽつり ぽつり ささやいてゆく にわか雨
心まで しみないけれど
濡れないうちに 帰らなくては
傘など さそうか迷っていたけど
それは必要なさそうで
濡れないうちに 帰ります
月の燃した小雪が
小さな風に産まれて

寝ている黒い土の上の枯れ枝に
微笑んで 触れて行く

土は 春を育むから
そのままでは いられないけれど

幾千億の時間の 今だけ

枯れ ....
ふたしかな季節を
灰の午後のかけらを
染まるようで染まらずにとおりぬけ
雲を燃す火はぽつぽつと
河口の浪を照らし出す
割れた岸を砂は流れ
夜の虫の光のように
浪の下へと沈 ....
あさがくる。
わたしはかがんだ姿勢で、静かに息をのむ。

空からおとされた、その夢から覚めきらず、
湖の底から、
裂けた形をした空を見上げる。
藻にからまり、
わたしは力なく、湖面をあお ....
雨よりも切ない思い
小さな花は寄り添って
寄り添って

お日さまよりも
あなたを愛してしまった
わたしもまた
あなたに寄り添って
寄り添って
好きだと言った僕に
君が恥ずかしそうにうなずいた
門限を気にしながらのはじめてのデート
なかなか さよならと言えやしなかった
沈む夕日があい色の空を薔薇色に変え
見つめる君の頬も染まっていっ ....
散り散りと 舞い降りたのは
白い蝶々

風の中に 突っ立っている
加減のわからない 眼に

身ひとつで 超える
天辺から 乞うてくる

切れたものは また生まれて
避けたものは つ ....
美しい風景を見たよ
一面に咲いている白い花が
まるで目眩を誘うように
とびきりの光の奥深くまで華やかで

美しい空を見たよ
ゆっくりと流れていく白い雲が
まるで目眩を誘うように
水面 ....
それ、心に決めた日よりも言葉に似て
擦れ違う日々の基準が誰かの
足音に少しずつ詰め寄られて
僕らは合わせた手の、窓ガラスに触れた
薄い汚れ
それでも風は透明になれる
それでも風はどこか透明 ....
因果応報ってあるでしょ。
アタシの今の姿が前世の報いだとしたら
アタシの前世はきっと絶世の美女だったにちがいない
で、寄って来る数多のオトコを食いものにして
ずいぶん泣かせたんだろうな ....
夜道を一人歩いていた 
道の先に立つ街灯が 
{ルビ辺=あた}りをほの白く照らしていた 

街灯の細い柱に{ルビ凭=もた}れると
地面に伸びる
薄ら{ルビ哂=わら}いを浮かべた 
私の影 ....
森は沈む
銀の花に
残響に
緋の笑みに
秋を穿つ泥まみれの羽に
森は沈む



鏡の乗りものに映る青空
死が飾られた街の隙間に
冬の色の海が見える
その鳥はとどろき ....
手作業が大事です
自分との戦いです
バーストしたあとの
むなしさのたびに
大人になります
ネパールとインドの国境付近は深い密林に閉ざされている。失われれば二度と手に入らない暗闇をはらんだ命の混沌。それがジョグ・アレースの森だ。かつてサファルの月、南下したモンゴル軍が侵攻したときにも、この森 .... にわか雨は窓ガラスを叩く激しさで
海辺の汐臭さをわたしの部屋まで連れて来た
波音のひたひた寄せるテーブルで
いつか拾った貝殻の擦れる音色がする
ハンガーにかけたわたしの白いブラウス
温もりの ....
ふしぎなもので
空っぽに近いほど
人生は
重い



そんなことを遠くの風見鶏がいう。
愉快と不愉快の違いは言葉の上では1文字違いだが、
気持ちの上では雲泥の差となって現れる。
金額に換算したらどのくらいだろう。
感情に換算したら天文学的な相違で、
人を何人殺しても不愉快な感情は ....
となりに座っても よろしいですか
わたしの喪失は たぶん
あなたほどではないのに
あつかましいお願いですが いっしょに
すこし泣いてくださいませんか
いや、
もう私が書かなくてもねえ
素敵な書き手の方はゴマンといますね
じゃあやめるわ
読むだけにするわ
と思うときは沢山あるですよ
あるですよってどうよ
けど、
そういう時に限ってなん ....
今夜 私には 
逢いにゆく人がいない 

孤独な夜の散歩者は
アスファルトに響く雨唄と 
ビニール傘に滴る雨垂れの 
二重奏に身を浸しながら 
果て無い雨の夜道を{ルビ彷徨=さまよ}う  ....
花に覆われた三つの岩が
波のように重なったまま
夕陽のなかでまたたいている
荒地と同じかたちの雲が
荒地と同じ光にざわめく


闇の内に闇の葉があり
閉じたまぶたをはざまに ....
ふたば は いつも
笑ってる。

こんな雨の中でも

笑ってる。


バンザイ してる。


ふたば が バンザイしてるのは

より多くの 雨水を 受け止める為なんだって
 ....
衝動買いしたあたらしい
さくら色のミュールは
今日もぽつねんとお留守番
靴箱で雨音を聞いている

いつものズックを取り出して
水たまりもひとっとび
バスぎりぎりまで朝寝坊

 ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夕顔- 落合朱美自由詩31*06-5-29
矢文、我に放て- たりぽん ...自由詩12*06-5-29
トパーズと六月- 銀猫自由詩12*06-5-29
波乗り- 水在らあ ...自由詩7*06-5-29
の丘- ふるる自由詩33+*06-5-29
千夜一夜- 紫翠自由詩6*06-5-29
遺灰- 前田ふむ ...自由詩10*06-5-29
ぽつり- ひより自由詩5*06-5-29
小さな土の唄- 砂木自由詩10*06-5-29
銀花_Ⅲ- 木立 悟自由詩706-5-28
朝がくる- 光冨郁也自由詩15*06-5-28
あじさい- ひより自由詩4*06-5-28
*僕たちは声を殺して手をつなぐ*- かおる自由詩10*06-5-28
含まれている- 砂木自由詩7*06-5-28
夏のハレーション- 遊羽自由詩3*06-5-28
遠心- 霜天自由詩806-5-28
末に摘まれし花- 落合朱美自由詩14*06-5-28
街灯_- 服部 剛自由詩11*06-5-28
銀花_Ⅰ- 木立 悟自由詩606-5-27
そろもん(自慰の話)- みつべえ自由詩606-5-27
第一次発掘報告の未発表草稿- たりぽん ...未詩・独白8*06-5-27
E_minor_7th(きざし)- 恋月 ぴ ...自由詩45*06-5-27
ふしぎなもので- 水在らあ ...未詩・独白10*06-5-27
モリアオガエル- あおば未詩・独白4*06-5-26
そろもん(告別の話)- みつべえ自由詩706-5-26
ばかだよねーははは。- ふるる未詩・独白15*06-5-26
夜の散歩者_〜_反射鏡を探して_〜- 服部 剛自由詩24*06-5-26
夜と応え- 木立 悟自由詩306-5-26
ふたば- Lucy.M.千 ...自由詩3*06-5-26
*あたらしい武器*- かおる自由詩10*06-5-26

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