魚になって泳いでみたら
ちいさなあの子がすくってくれた
あんまり優しくするもんだから
優しくガラスにキスをした。

小鳥になってちゅんちゅんしたら
おっきなあの手で優しく抱いた
あんまり ....
終焉の華やぎを纏い
空いっぱいに広がる桜の隙間を
北風が逃げてゆく
見上げれば天晴の青は淡く
春を深く含んでいる

息を吹き返した芝生の向こうでは
まだ親指姫の誕生しないチューリップの固 ....
いま
{ルビ仄=ほの}明かりの部屋がとても寒くて
ぼくは
コカ・コーラの気が抜けてゆく潮騒の中で
花が開いていくのをじっと見ている
足が冷たく
息の僅かな白さの中に
ちいさな子供だった頃 ....
?.

なんだかみんな似てるね
みんな美人ぞろいだね
あのこ ああ、あのこなんか
絵にしても いいね

なんだかみんな似てるね
でもおまえだけ少し違うね ....
帰宅ラッシュだった
階段で圧力に耐えかね
ひょろ長い女の背を
あわあわと胸で押してしまった

(押すなよおっさん!

おっさんではない
武士である



{ルビ法度=はっと}に ....
ひとりぼっちに
ならないように
鳴くことをおぼえた
あの日

どこまでも届けと
生まれてくる、こえ
書き付けられた
記憶ではなく
いま、あふれだす、こえ

ことばは、忘れないため ....
「スカンジナビアってどこ?」 
と言いながら
あなたは新聞をめくる
外は 
風が吹いていて

きのうの雷はちりとなり
ふりそそいでいる


わたしは
「知らない」と
面倒そ ....
あんなに痩せっぽちだった友だちが今はひとりぼっちになってた


スリッパを並べると自分にもお客さんがあるみたいで嬉しい


ウォーリーを探せ、と言われてウォーリーしか探さないような子でした ....
とおくみつめる

あの秒針の刻む音が
きこえるほどの しずけさで
あやしくぼんやりとした曇天に
にじむ光の粒子を
私も刻む
時のまなざしは熱かった
 始まりは、秋の縁側で
ぶらさがっ ....
長い間雨が降らないので
涸れた池がある
長い間話さないので
枯れた声がある
長い間誰とも会わないので
忘れられた人がいる
長い間続きを思いつかないので
書き終えられない詩がある

雨 ....
  
はるは ひたひた湧いてくる
はるかかなたの 地殻の置くから

ひたひたひた

毛細血管を駆け上り
地上にある草木という草木のすみずみまで

ひたひたひた





 ....
春の雨になりたい

あたし 春の雨になりたい



あなたはすぐに 春の砂にまとわれて
その嵐の中に {ルビ荒=すさ}ぼうと揺する

小さなオルゴールの中に
こころ を 忘れてきた ....
融解温度を
とうに超えて

まだ
爽やかな香りを
装ったまま

2人
抱き合ってる


例えるなら
ベッドは鍋

2人を一つにする

ある一つの
装置


言葉 ....
あなたを通り過ぎた風は
凪いで
睫の高さで追いかけていた
ニ歩先の肩甲骨と
くしゅん、と鳴った鼻
とのあいだに、置いていった

指先にのせて飛ばした
内緒のくちづけの形をした
ふ ....
水を、欲している
のどの ずっと奥のほうで
さかなが泳いでいる



季節が融けはじめていることに
気づいたときには もう
わたしのなかの海は 浄化され
沈殿していた過去があふれ出て ....
幼い頃からいつも一緒でした

わたしとあなたは

いつしか

あなたの右の指に花が咲くようになり
わたしの左の頬に花が咲くようになり

わたしたちは
その花を愛でたり食べたりするよ ....
うさぎの
みみが
ぐんぐんのびて
ふしぎになるのを
だまってみてた


ぼくは、
そんなに
できたオトコ
じゃない


しっと

むねやけして
かおの ....
淡紅が揺れるから心が騒ぐ

フェンス越しの桜並木
隙間から覗くと学び舎が重なって
霞む
春の魔法にかかった

お別れはずいぶん昔に済ませたのに
世界が淡紅一色に染まる頃
すれ違った昇 ....
小枝の先に小さな緑が現れる頃
もう何度も使ってきた
「新しい」という言葉は
やはり新しいのだと不思議に感じる
今まで使ってきた言葉に
何かが足され
何かが積み重ねられ
今までにはない感動 ....
君に対する僕の心は

ほとんど愛で


蝋燭たてとか

傘たてとか


ドアノブとか

靴べらとか


そういうものに

僕はなりたい


 ....
さんびどおもってらば
まだ ゆぎっこ ふってくるおだおの

まぢの たんぼだば すてっときえで    
ながぐつなば はずがしして
みせっこさ よ ....
あなたはわたしの眠っている横で
わざとらしくページをめくる音
つよく立てて
降り始めた雨を受け入れる
くらいまぶたの中で
弾ける赤い頭痛
あなたの読んでいる一行が
鮮明に浮かび上がる 夢 ....
ひとつ てのひらに
かすかな ひかりを
のせて

ただ それだけを
のせて

ひびの あゆみ
ゆるやかに

あおい そらに
くも しろく

しずまる ばかりの
みなもに
 ....
朝刊から目を離さずに
気の無い空返事
それは。あなたの得意技

わたしが何を考えていようとも
お構いなし

空気のような存在

親しすぎる関係の果てに待ち受けるのは
そんな空虚さだ ....
保育園の窓の外では
世界童話全集が産卵をしています
孵化したばかりの童話は
粘液で汚れしかも鋭い牙があるので
先生たちがきれいに拭いて
牙を一本一本抜いていくのです
暴れて困るものはダンボ ....
さよならというやまいを
君と生きよう
ふたりが
気付かない夕暮れを

公園の遊具は
動物の姿で
昨日もそこにあり
明日も

なんてゆるやかなさくらの空

さよならというやまいを ....
花を摘んだ
小さな
嘘をついた
魚になりたい
そんなもの

月のない夜
寝返ると
水の底で
泡してる

パパも
ママも
いない
でんぐり返る
せかい

朝もやで
目 ....
やたら愛したいと
願った朝に
透き通った
感情が薫って
 
くすぐる
(柔らかい、場所)
 
 
それはきっと
一粒の涙よりも
純粋で
濁りきった
 
色で
(それは、透 ....
機上の子供は
小さな窓から海を見ている

初めて触れる景色のような動悸を感じ
ひじ掛けにしがみついたまま
見えない何かに縋る目を
深い青から離さない

雲はビスクドールを彷彿させる程白 ....
吹雪を歩む子の喉を
ぬぐうようにすぎてゆく火
忘れかけた尾のかたち


飛び立てずに泣く夜の
足もとに凍り重なる光
土の底の根を照らす


波も血も笑みも
こがねと涙 ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
スケッチブック- プル式自由詩15*07-4-5
擦れ合うゆびさきで- 銀猫自由詩15*07-4-5
花冷え- 水町綜助自由詩35*07-4-5
おまえからすべて奪って- 水在らあ ...自由詩2307-4-5
武士のきもち- 佐野権太自由詩34*07-4-5
ひとりぼっちに、ならないように- たりぽん ...自由詩16*07-4-4
午後の花- はな 自由詩15*07-4-4
決算- たもつ短歌1507-4-4
時雨れる少女- こしごえ自由詩28*07-4-4
大旱- 楢山孝介自由詩9*07-4-4
おひたし慕情- るるりら自由詩1107-4-4
春の雨- もも う ...自由詩27*07-4-4
sweets(まぁまれぇど)- 山中 烏 ...自由詩307-4-4
春の距離- Rin.自由詩20*07-4-4
回遊、わたしのなかの、- 望月 ゆ ...自由詩58*07-4-4
- ふるる自由詩20*07-4-3
センヤイチヤ的- はらだま ...未詩・独白14*07-4-3
*春幻*- ちと自由詩10*07-4-3
「新しい」が新しい- ぽえむ君自由詩14*07-4-3
君に対する僕の心は- 水在らあ ...自由詩56*07-4-3
んだがらしゃ_(訳在り)- 砂木自由詩15+*07-4-3
蝶の群れ- 及川三貴自由詩12*07-4-3
ひとつ- こむ自由詩5*07-4-3
あぁ- 恋月 ぴ ...自由詩38*07-4-2
噛みつく童話- たもつ自由詩1607-4-2
さよならというやまい- umineko自由詩16*07-4-2
淡水魚- 夕凪ここ ...自由詩1207-4-2
まどろみ- 山中 烏 ...自由詩107-4-2
空の子供- 士狼(銀)自由詩17*07-4-2
ノート(こがね_めぐる)- 木立 悟自由詩507-4-1

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258