海があった

それは雲だったのかもしれない

美しい景色

雲海という言葉があってよかった
そうでなければ僕はこの海をこの雲を

なんと表現しただろうか


 ....
お前の髪
蚕の繭だったらなあ

白くて細くてふわんとしてて
綺麗だろうなあ

俺はお前を紡ぐんだ
糸車を
カラカラ言わせて

それから織って
お前は美しいすべらかな生地になり
 ....
わたあめの 中の
といだ 蜜

くぼみに溶かされた
まつり

包めないから
カーテンていうきれぎれに

爪にしか渡れない
ささくれ の 先

夕暮れの 歩道橋
見えるはず ....
まだしっかり帽子をかぶった黄緑の
君の大切なたからもの
やわらかい手が両方ふくらんで
哀しそうに助けを求める
ひとつも手放したくないんだね

小さなポッケを教えると
手の隙間から零れない ....
秋の空気には
透明な金木犀が棲んでいる


陽射しに晒した腕が
すこし頼りなく感じ始める頃
甘く季節を騙す匂いは
思い出の弱いところを突いて
遠くにいるひとの微笑みだとか
風邪気味の ....
深閑とした梨畑で
ひとり 蜂の羽音を聞いていた
風は足音もせず忍び寄り
あれは少女だったろうか
黒い瞳の きらめく星の


かすかにふるえるのは
僕の胸の鼓動なんだ
こんなにもうるさ ....
二年前にお前が泣きながら
眼を真っ赤にしながら
瞼を腫れさせながら
喉を枯らせながら
スクリーンを滲ませて
キーボードを叩いていたのを
今でも覚えている
彼氏に振られたばかりのお前は
 ....
なびくもののない
丘の斜面に
影はなびき
空へ向かう
影はいつも
空へ向かう


色は草から
外れかける
外れかけたまま
そよぎつづける


陸橋の陰
枯れ川の路 ....
彼岸の頃になると
その場所は
真赤に燃えるようでありました

急な勾配の細い畦を上れば
今来た道を遠くまで
見渡すことのできる墓所
形を成さない朽ちた石版と
名も読めぬほど苔むした石碑 ....
見守る藍を
この藍を
遠くあなたの空に
降り注ぐ 
夜のためいき に代えて
君は君にしかわからない
悲しみの空気を読み込んで
そっと手のひらで文字にして逃がす

窓辺にもたれて
涙もこぼさず


僕はこの世界を
少しだけ繋いでいたくて
小さな音で音楽をかけ ....
秋がわたしをとおり越す
わたしはわたしを置いてゆく
いつのまにかわたしは
残されたものをふりかえっている

ずいぶんと昔が重なりつづけている
重なったところどころのすき間から
青いものが ....
 

刈り入れ時もよくわからないまま
彼女は優しい鎌をかける
遠雷
そのテンの首巻きはいい具合に違いなくて
ここいらは雪が笠のように積もるから
いつだって粗食で
ネジをまかれている
 ....
そらの藍に背中を押されて
家路をたどるころ
夕餉の細い煙が
むんと鼻先に迫る 
白い炊きたての匂い に
立ちすくむ
かきむしられるこころ 
そして行き着くのは


誰かに会わなくて ....
あの煙突は窓ではないのか
内に鏡が巣喰っているのではないか
めまぐるしく変わる空の色を
まるで気にもとめずに
昼の昼たる所以を
その内部から投影せしめている
あの灰色
あの煉 ....
隅っこが好きな子豚です。

 でも、海を眺めるのは好きです。

ドングリが少し入った袋をもっています。

 今は、寝ていると思います。

 それから 日本語は話せないかもしれません。
 ....
コスモス揺らめくかの丘に
 置き去りのままに鐘が鳴る
なにも言わず別れた日さえ風に鳴らされ
君は今は誰かと
 夜に沈むのでしょう
  明日は晴れです
君なしで始めた暮らしが
君な ....
地上へ向かう木の葉が見せる
一瞬の華やかさ


揺らぎ


心の根幹は
頑丈にできているけれど
心の枝先は
いつも何かにあおられている

言葉が
木の葉のように舞い落 ....
これは
いつか見た紅葉
遠い日の青空

いまは
もうない
黄色い枯れ葉

その場所に
いくつも過去が
生きている

過去が
現在を飲み込む




ここには
過 ....
よこしまないそしぎ
誰のための音も流れない
私の手をかすめ
とびはねては消えていく
苦しい苦しい泣き顔たち


曇りの朝は水を欲しがり
ひとり 作りものの他人にすがって泣く ....
プラットホームを行き過ぎる風
の形をした夜、の度に剥離する熱
を見送ってわたしたちは
さらさら、
最後の車両の跡地で長引いて
蛍光灯の微かな痙攣音とも分離しながらわた ....
今朝、夢であったお前はやたら無口で可愛らしくて、
パジャマのような上下の服と、
だぶだぶのセーターを着ていたね。
珍しく可愛いめがね姿を見たよ。
カゴを持たずに、腕に牛乳やパスタ弁当を抱 ....
ほほを桜色に染めた
小町娘が夜道をすっすーと横切って

午前零時の散歩
{ルビ映日果=いちじく}の葉に反射する
コウモリの声
超音波時計に刻まれた
わたしは悲しみに冷静でいたつもりだった ....
二十代の頃から
わたしの思考回路はストレスに負け気味で
いつしか心療内科のお世話になり始めた

抗鬱剤 抗不安剤 精神安定剤 入眠剤 など
とりどりの薬に身を任せているのが常となり  ....
夏の夜に
いくつもの太陽を揺らすひまわり達 
仕事帰りの疲れた男に 

 わさ わさ わさ わさ 

大きい緑の手のひらを振る 

日々の職場では 
密かな善意を誤解され 

  ....
君と
君の子供と
動物園へ遊びに行く

動物園のない町に住んでいるので
キリンもカバも見たことがないからと
地下鉄に乗っている間も
図鑑で予習に余念のない二人を
窓鏡に映る姿で見つめる ....
父親が午後に死んでも腹は減る


眠くても胃が痛くても腹は減る


かゆくてもぶつぶつ出ても腹は減る


もどき詩が詩のふりしても腹は減る


鳴り止まぬ洞のむなし ....
夜とカケラと
くず拾いの顔
コップをコップで閉じ込めた輝き
薄め 薄めて
水より薄く
足を伝った油の罪
月は彼等に殺された
私は月を想って泣く
封じた想いは耕され
見たこ ....
?.

あなたを
あなたのすてきなところを

一日
大切にする

あなたを
あなたの汚れたところを

裏返して
日に透かしてみると
おかしな影ができるから
その影に指で ....
もうゆっくり眠りなさいと言う
街は密やかに優しい

まだ眠れないと私は言う
夜は美しく時間を鳴らす


開き切った魂の赤い色は
誰の為にでもなく其処に在る

濡れる者渇く者が
同 ....
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