秋の海が寂しいのは
歩んできた人生
友と過ごした灼けるような喧騒も
土用波に掠られて
何事も無かったように
空を舞う海鳥
打ち寄せられた流木は
海鳴りの向う岸へ
置いてきた魂の重さだけ ....
波音だけが静かに夜風に乗り
私の髪を通り抜けた

海面を漂う月
蟹は静かに砂に潜る

意味もなく
浜辺に文字を書いた
同じ波は二度と繰る事無く
私の足元をすり抜けて消えた

秋の ....
この時を封じ込めるように
祈る

静かな瑠璃色は
両のてのひらを祈りのかたちに
そこに少し息を吹き込むようにして
そっと閉じていて
ひそやかに夢を育んでいる

あなたは
わざと大雑 ....
しんと静まる部屋の片隅
迷い込んだ虫の声
リリリと鳴くは鈴虫か

秋の気配が深まりつ
冷気が足先に絡まって
空を切る目に
眠気はちっとも訪れない

天上を柵に見立てて
ひつじを数え ....
ハーモニー、櫂のしずくに呼応する空が茶色に透過する午後



目という目、口という口あつまってAの会合ひらく廃村



風の影みつける蝶やカーテンのおおきく呼吸している窓辺
 ....
電車を待っていると
どこからか風鈴の音が聞こえてきた

チリリン
海は楽しかったな
今年は二回も行ったっけ

チリリン
花火きれいだったな
毎年見てた場所また行けるかな

チリリ ....
光の精たちは

淡い 淡い

透明感の中で

激しいキスをした
霞んだ月から光が漏れるのを
水面からみていた

微かな存在の微かな叫びは
何らかしらの影が覆いつくし
あまりにもあっけなく消え去った

何だか悔しくて石を投げつけた
何度も ....
絡みつく蛇たちの螺旋の夜
巧みに縺れあう虚無と/いのち
淫らな匂いのする、耀う肌の粘りに
虹色の鱗は冴ゆる星の瞬きを映す
やがて消失する碧暗い空にむかって
聳える漆黒の怪奇な木々は
だらし ....
髪の毛のびた、と言った瞬間に
傾いだランプシェードがはっきり見えた
そうだ懸命に丸々肥えた会話の破片に
まごうことないきみを見出す

えい、きっとこれで残像が、そっちに

14時間のタイ ....
微かに薄い雲の
漂う空が秋になっていたので
できるだけいっぱいに
四角に切り抜いて
箱の一面に貼り付けて
森へ行こう

こおろぎが鳴く
葉の色が秋になっていたので
できるだけいっぱい ....
まめクジラの水槽には
売約済みの札が貼られていた
まだ幼いのか
さざ波を飲み込んだり
小さな噴水をあげては
くるくる浮き沈み
はしゃいでいる

こっそり水槽に指を垂らすと
あたたかい ....
耳の奥には乾くことのない水が溜まっていて

魚だった頃の記憶をいつまでも忘れさせてくれない



たしか魚だった頃に流した涙は今でも耳の奥で

さざ波を立てて遠い日の思い出を囁き続 ....
なあ坊主、
どや、タコ焼きいらんか。
おばちゃんとこの美味いで。
タコとテーゼと意地がたっぷりや。
あ、忘れとった。あとおばちゃんの愛情たっぷりや。
ええやろ。得するやろ。


なあハ ....
思わず声にしてしまった
ことばよりも
言い出せなかった
ことばの
内に秘められた真実
レンガを幾つも積み重ね
ひとは誰でも
その真実をこころに閉ざしてしまう
日々の暮らしと
日々の思 ....
一、 某月某日 冬

凍る雨を浴びつづけて、一年を跨ぎ、
わたしの頬は、青ざめて、
虚ろな病棟の、白い壁に残る、
黄ばんだ古いシミに親しむ。
難い過去を追走する暗路を、
エタノールの流れ ....
雨が通り過ぎた朝
ちいさな秋が浮かんでいた
ひとひらの紅葉

雨が上がったばかりの空の中
道ばたの水溜りに
ちいさな秋が泣いていた
黄色い紅葉

地に落ちるのなら
土の上に
草の ....
大好きって
それは響きだ
大好きだなんて
叫ばなきゃ良かった

声に出さずに
叫ばなきゃ良かった
声に出して
叫んでいたら

きっと俺は
ここにはいないし ....
 羊の群れに飛び込んで
 いつかそれは白い雲になり
 最後の命を燃やすように
 白い線になって消える

 青いガラス玉をフローリングに転がして
 透明な影に恋をする
 きらめきを乗せて
 ....
プラスティックケースの上に 
並んでる、ふたつのせっけん 

小さいほうが、お婆さん 
大きいほうが、息子さん 


「 生まれた時は逆だったのに 
  わたしに向かってハイハイしてた ....
告げるとも言わず
告げぬとも言わず
立ち尽くす老木は
潮風に白くやかれて
ただ待っているかのようです

運命とは渡り鳥でしょうか
暗い海のとぎれるもっと遠くから
糸車を回す母の手のよう ....
可愛いやつと一羽のレース鳩を胸に抱いた
彼の眼差しは恐ろしいほどに優しかった
自分の弱いところを見ているようで
彼と一緒にいるのが嫌だった
彼と友だちだと誰にも思われたくなかった
それでも誘 ....
交差点の向こう側で
指揮者がタクトを振っている
その動きに合わせて
たくさんの仔猫たちが
次々に海へと入っていくのが見える
カタクチイワシの群れが来ているのだ
胡麻漬け
卯の花漬 ....
竹筒の側面の穴に生けた
{ルビ秋明菊=しゅうめいぎく}の白い花々 
境内に奏でられる{ルビ雨唄=あまうた}に耳をすまし 
そっと{ルビ頭=こうべ}を垂れている 

{ルビ些細=ささい}なこと ....
今は昔、をとこありけり。
片田舎に住みければ、いとあやしき箱にて文を交じらふ。
箱の中に、あまた集ふ詩歌の会ありて、よき歌には人々
より数を賜る。
思ひ起こして歌をばと箱の中に投げ打つも賜ず、 ....
日曜礼拝の帰り
地区司祭のジェイコブから呼びとめられた
用件は 恋人を殺した地区女性信徒のあつかい
「あのおんなは
 罪を認め悔い改めております
 できますれば 天国の扉を閉じず
 主に魂 ....
呼んでいる
呼んでいる

濃紺の夜長に虫の音響き
深くこころの闇夜のなかで
銀の鈴をしゃん、と鳴らして
呼んでいる

待っている
待っている

金木犀の匂いが止み
あたりに静け ....
優しく、なりたい

暖かい部屋でうずくまると
人たちの裏側が透けて見える
思うほどには
複雑に出来ていないのかもしれない


優しくなりたい

おはようと言うように
季節を捲って ....
ジェットコースターに乗って
鋭角の下り坂を転げ落ちるように
とろけたチーズを素早く伸ばして千切り
ピザを片手に口説きつづける野郎

テーブルの上の赤いキャンドル
♪〜ダバラ/バラ 〜シャバ ....
子どもだったあの頃
放課後みんなと遊んでた
空が赤くなる頃
もう帰らなくちゃと
誰かが言い始め
その日が終わるものだった

一人で家に向かうその道で
夕焼けがやたらとまぶしかったけど
 ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
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