波打ち際
雪に縁取られ
{ルビ烽火=のろし}をあげる夜

  松がいい、そうだ黒松だ

沖の漁船
送り雛のように
漁火を灯いて連なる夜

  星が海に突き刺ささってやがる

雲 ....
光の点の物語
夜の喪に立つ蒼い{ルビ蝋柱=ろうちゅう}
けものの笑みが途切れ途切れる
風が廃駅を削いでいく
茶のひろがりの終わるところに
金にかがやく草で編まれた
 ....
流されていく言葉の端にも
空の順列が
少しずつ結び付き始めている
この街にも人は零れていて
青でいっぱいになって、いつか身動きがとれなくなる

沈んでいけるのなら
そこに沈み込みたい
 ....
雪が溶けるように
君のなかから消えてしまう

それは僕の意志でもなく


らいららい



誰かの春待つ鼻歌にも溶けて
 


{引用=fromAB
生まれたときから
親指が無かったのだと

その子はいつも
両手をポケットに入れて
両手を使わなければならないから
雨が降る日は嫌いだと

右利きなのに
五本そろった左手で書く文字 ....
しないよ
したら冷たく
なるから

したら
迷ってしまうから

したら
頼ってしまうから

したら
認めてしまうから

あなたにとっての外側が
わたしにとっての内側 だから ....
雲が
破け
露わになった夜は既に黒々と
艶やかで冷たい体表を完成させており
その直下でアスファルトは
終わったままの雨の微粒子で
キーン、と
光沢し


張り詰めて、いる
張り詰 ....
君の既視感を舞っているのは
紙製の蝶だよ
いちめんのなのはな と君は呟くけれど
此処はうち棄てられて久しい館の中庭
君が坐っているのは朽ちかけたベンチだよ
とうの昔に涸れた噴水の傍の

 ....
“電車に乗る時は”
“なるべく人の多い車両にのりなさい”
“蒼い電車に出会ってはいけませんよ”



口うるさく喚く死神を後に
私はドアを閉めました


名付け親の死神は時々どうし ....
あの人へ
何が、残せますか
つぶやいた言葉には、行方がありますか




いつも夏には
揺らめいて、薄れていくものが
近くにも、遠くにも
留めて
確かにそこに居たはずの
陽炎の ....
あの人は
そこが好きだと言っていた




いつも夏には水性で
書き残す言葉から消えていくものばかりで
うっすらと昇る、煙
焼けている靴の底から
縮んでいく
人たちは


 ....
春まだ浅い、冬空を
バッサリとまぁるく切り抜いて
茶色の小瓶に詰めましょう

だんだんと伸びていく日暮れ時と影を
ちょっぴり三角に千切ったら
茶色の小瓶に詰めましょう

実は朝 ....
朝は最初のひとりが前足を躓くと、慌ただしく、将棋倒しになって過ぎてゆく。落下してゆく。黒子だった冬が前面に出て罵声を上げて、季節の華やかな色を、乱暴に剥がしている。
冬の膨張は、僕の忘却の山 ....
直立する目覚める夜が、黒色の雨で高揚する。
行き場の無い雨の溜まり水を抱えて、
痛みに耐える打ちつけられた岩が、
侵食する季節の皮膚の性をむかえ入れる。――
慌ただしく夜の吐息が反転して、 ....
書かれた言葉と
書かれなかった言葉を挟んで

あの日記は閉じました

喜びが込み上げてくる日には
書かれた言葉が読めるのですが

悲しみが込み上げてくる日には
書かれなかった言葉が読 ....
遠い遠い昔
シーラという女の子がいた
首飾り細工師の娘として生れたけども
故あって神につかえる巫女としてその一生を終えたシーラ

ヤサクという若者がいた
ある夜、炎を囲んで行われる ....
星はひとつづつ
オルゴォルのピンのよう
ゆっくりと巡って
光の楽譜をなぞる

  昼に
  雪を降らせるのは雲で
  夜に
  雪を積もらせるのは月だと
  指揮棒で譜台をたたく
 ....
しきたりにそって やりすごそうと
しちてんばっとう しているうちに
かどがとれて しあわせなんですが
まんまるなので さかをころがりだしたら
もどってこれないきがして こわいんです
腕を

上げ下げする時モーター音が少しうるさいでしょう
ごめんなさい

今日はどんな一日でしたか?

駅でまたお腹が痛くなったんですか
大丈夫ですか

私ですか
私は駅のホームか ....
あー 肉なんて焼かないでそのまま生で食べたい
両手で掴んでむしゃむしゃと立ったまま食らいたい

そこら辺に生えてる草も食べたい
元気そうな深緑を引きちぎってむさぼりたい

服なんてもう着な ....
まだ雪が降るらしい

2月の空は
春の寝ぼけのような曇り空しか浮ばず
ふきのとうの天ぷらが
とれたてでないために
それはスーパーの惣菜だから
わたしの目を覚まさない
ぐずぐずしてる春が ....
一頭の牛が
ブランコを押してくれた
こんなに高くは初めてで
空だけがきれいに見えたけれど
必ず元の場所に戻って
どこにも進むことはなかった
明日食べられるのだ、と
牛は言った
 ....
真夜中の部屋で独り
耳を澄ますと聞こえて来るピアノの音
沈黙の闇に 響く「雨だれ」

( ショパンの透き通った指は今夜も
( 鍵盤の上で音を{ルビ紡=つむ}いでいる

写真立ての中で肩を ....
酸性雨が降り
森が枯れて
花は身じろぎもせず
こっそりとあぶくを吐く

内なる情念を
笑った眉尻にはりつけて
澄んでゆく



道草が過ぎたので
傘をなくしてしまった ....
警察署や

病院の廊下でかぐ

カレーやどんぶりものなどの

店屋もんの匂いって

なんであんなにいい匂いなんだろう

毎回

おんなじ匂いだから

それを食しているであろ ....
僕らの住処は小さな漁具小屋
呼びあう吐息を波の声に隠し
漁網に髪を絡ませながら
夜の深まりを体温で追った

雪夜の渇いた闇をとかした雲が
入り江を真冬のガッシュに染める
朝の刃を隠した列 ....
コートの袖口に
凍った風が刺さり
いつか繋いだ掌を思った

小さな歴史が吹き飛びそうな日には
冷静を乱し
きみ行きの列車に
乗ろうかと考えたりする


枕木に光る足跡を
小さな獣 ....
その話し

つい先日聞いたばかりの
昨今3度目のその話しに
実は相当狼狽えながら
初めての顔で聞いています

いつもと同じ

その点を残して
このテーブルも
それぞれの席 ....
みずうみに滑る風が微細な音を鳴らして、
朝は呼吸している。
絶え間ないひかりを厳かに招き入れて、
夜のしじまを洗い流す。
目覚める鳥の声の訪れと共にあらわれる、朝霧の眩さ。
真っ赤に湖面 ....
おおきなへびは
たいくつそうかな
なんとなく
そんなきがする

でも 
ふと おもいついて
スゴイコトするかもしれない
なんとなく
そんなきがする
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