草色の羽
水はじく羽
鈴の手を聴く
鈴を見る


夜と宵
光と声が
同じでいられる影のなかへ
指は撫でるように沈みゆく


荒れ野を見つめる
片目をふせる
はざまゆ ....
買わなければいけないものがあるのに
あなたはまた、あなたに似たものを買ってしまう
部屋はあなたに似たもので満たされていく
あなたに似たもののほとんどはいらないものなので
あなたに似たものがなく ....
街灯で
ところどころ熱病だ
この道では
駐車場まで
浮かされて

君 という名前を僕しか知らなくて
僕の名前も君しか知らないだろう
それが夜の景色の中で
電柱の隙間で影を重ねている ....
遠く見えていたはずの あれは
きみの思い
いつも 通り過ぎてゆく 雲のようだね
ひくく香りは 風の帆を駆け上がり
瞑っているもやの巣の中

はやく運ばないと
息を つのらせてしまうから

どこかに隠れていた
泡の綿帽子が

ささやきを運んでいく
祝いのメロディのなか
少し照れたおまえは
肩をすぼめて優しくゆれている
ななつのロウソクの灯を
遠く、近く
瞳に映して

{引用=
おまえの生まれたときを思い出すよ
(パパ、気絶しち ....
六月の湿度が肩に降りつもる
いつかの唇のように柔らかくあたたかく
黒髪にからみついた結晶
はじけて香る 夕立

銀色の坂の向こう
ちいさな教会の鐘の音がする
ふいに横切る上りの急行
 ....
夜が毎日やってきて
ラピスラズリを細かに砕き
私に塗り重ねる
紫陽花は
青から変わることなく
傷みながら
終わりを迎える

君が触れた私の一部が
いつまでも熱を保ち
上手に朽ちる事 ....
「観月橋」

せせらぎの音は
いつのまにか、ざあざあと鳴り
錆び付いた欄干が
しとどに濡れる紫陽花の、夜

ここには愛づる月もなく
ただ名ばかりの橋が
通わぬこころの代わりに、と ....
碧いカーテンの中に入って
僕を探して
とクスクス泳ぐ

すいみん
すいみん

君に許した部分が冷たくなる日が
ふと考える
非日常の中の非通知が鳴るみたいに

すいみん

くび ....
午後からは雨なので、
傘を持っては出掛けなかった。
昼食の蕎麦屋から出ると、
案の定、
雨が降り出した。

色取り取りの傘が、
街に花開く。
わたしは蔓 ....
五月に咲いた花が
未だに枯れずにいます
まるで今朝方咲いたばかりのように
生き生きとしています

あなたは反対に
日に日に腐っていく様で
そんな風に見えてしまう私は
少し ....
  はぐれものは
  ふるさとの名前を知らない
  だから、私の汗ばんだほほを
  冷たい指でぬぐいながら
  細く、薄青いくちびるで
  君が名付ける、それが
  たどり着きたいふるさと ....
                したたる、

水のひびきのなかに、私の声があ
ります。暗いこころのままで死ん
で幽霊となった私のとうめいな喉。
ぬれながら、だえきもでないほど
にかわいてし ....
今、会いたい人がいます
否、ずっと会いたい人がいます

会えない時間が
愛、育てるのさ
と言う流行歌が
昔あったけど

これは
会えると言う確約があるから
成り立つもので

 ....
振り返ったら
影法師しか
あなたの名残は落ちていなかった


雷雨が滑りこむ昼下がり

四角い白い箱の中
些細なことで
笑う
二匹の赤い鈴
あの日
パスタの蝶々結びが
{ ....
ことばにならないこと
ことばにするから
やさしい

かたちをもたないもの
かたちにするから
たのしい

なんでもあるようで
なんにもないせかいと

なんにもないようで
なんでも ....
ちぎられたもの
砕かれたもの
ひとつひとつに触れる指が
それらの色に染まりゆくさま


色のないもうひとつの指に触れ
血のにじむまま触れ
あたためるさま
染まりゆくさま
 ....
#2

  雨の魚

雨に濡れながら歩いていると
死んだ魚の匂いが漂ってくることがある
湿った空気が ねっとりとまつわりつき
地球が水の星だったことを思い出す

そんな時、あたし ....
青空が映った瞳は
力強い光の匂いがする
その目が捕らえるものは
枯れた幹でさえも
息吹きが聞こえてきそうで

夕焼けが映った瞳は
哀愁が漂い
声をかけることすらも
ためらいがちにさせ ....
風ノ葉 

こころには 
埋まることなきすき間あり 
葉の揺る茶屋に 
独り佇む 



椀 

{ルビ空=から}の{ルビ椀=わん}
ひかりのにじむ 
底のまるみに 

 ....
骨は 眠らないのだけれど
眠っているということにしたい
わたしたち

その上には
幼いころからなじみの
山でも いっとう大きな木

幼いころからなじみの
いつもきつく吹く風が
今も ....
一番線のホームを
羊の群れが通過していく
海の近くに
美味しい牧草地があるのだ
その後を
羊飼いの少年が
列車でゆっくりと追う

夕暮れ近くになると
列車に羊を乗せて
牧舎へと帰る ....
大きなカエル

なるまえに
大きなおたまじゃくし

処分されました
ひとりの犬

処分されました
けっこう平気みたい
みんなけっこう
クールだね
ためらはず さしかけられて傘に入り
片身ぬらせし君が気になる

足悪き子雀来たり 今朝もまた
待つ身となりて エサをまきたり

枯葉踏む犬の{ルビ足音=あおと}はリズミカル
夕づく公園を ....
夫の背中には口がある。
だから夫は、
背中を向いて、
わたしにしゃべる。

夫の丸い背中はいつも白いワイシャツに包まれている。
背中は、
わたしがご飯です ....
ほとんどの人は、もう
溺れているの
誰も気づいていないだけ

澄んだ指さきが
アルカディア、と答えて
空の一角をさす
新しい風景、新しい秩序
それは
見たことのない宇宙

(行け ....
なくし物を忘れることと
さがし物を思い出すのは
どこか似ている
{引用=これでおわりかもしれないことが

毎日たくさん響きあっていると知って

目の中だけにある見えない雪に溺れた、溺 ....
浅い眠りのなかに
潮の匂いと砂を踏みしめる音がして
わたしは海辺にいるらしかった

裸足に海水は冷たくはなく
貝殻の欠片を拾い上げても
その尖った先は指を刺さない

(きっと夢なの ....
ごみばこを あさって
まだ つかえるもので
でっちあげる もっと
ぶざまに あさましく
いきるための うたを
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜と夜- 木立 悟自由詩607-6-14
無数のあなた- たもつ自由詩1607-6-14
街灯- 水町綜助自由詩10*07-6-14
ごらん- ひより自由詩8*07-6-14
告白- 砂木自由詩14*07-6-14
七つの子が生まれた日- 佐野権太自由詩19*07-6-14
六月の湿度- ku-mi自由詩17*07-6-13
風葬- さくらほ自由詩13*07-6-13
京都三橋_- Rin.自由詩40+*07-6-13
ユラグ- 唐草フウ自由詩11*07-6-13
「_午後は雨。_」- PULL.自由詩13*07-6-13
枯れない花- なかがわ ...自由詩5*07-6-13
故郷- たりぽん ...自由詩12*07-6-13
したたる、- 岡部淳太 ...自由詩23*07-6-12
*会いたい*- かおる自由詩10*07-6-12
創書日和「窓」__さよなら- 士狼(銀)自由詩11*07-6-12
ピース- 松本 涼自由詩1107-6-12
指と指- 木立 悟自由詩707-6-12
「ものとおん」#2−#4- リーフレ ...自由詩7*07-6-12
瞳の中の空- 小原あき自由詩28*07-6-12
〜金沢小品集〜__- 服部 剛短歌12*07-6-12
- こむ自由詩3*07-6-12
行程- たもつ自由詩1907-6-11
かしこいひとたち- チアーヌ自由詩607-6-11
15P_「短歌2」より- むさこ短歌5*07-6-11
「_夫の背中。_」- PULL.自由詩4*07-6-11
アルカディア- 佐野権太自由詩27*07-6-11
傾く- 唐草フウ自由詩14*07-6-11
夢の浜辺にて- 銀猫自由詩17*07-6-10
そろもん(リサイクルの話)- みつべえ自由詩507-6-10

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