目をつむれば残る窓の{ルビ光=ひ}よ
あらゆる音が聴こえる
鬼の器のように
  
 
      沈んだまま明日のこない
      深海に揺れる一群れの
      長い、深い闇

地縛された肉体の
閉じる奥の扉
なにかのなまえで封じられ
こたえを閉じこめ ....
アスファルトから立ち昇る 海鳴り
夏が来る



電柱の濃い影に佇む


きょうは おみそ汁を作ろう




白く焼けていく夕暮れに

息をして




 ....
{引用=
ちいさな野原。白い宇宙。街角の冬。さざめく星空。静寂。月の光。天文台の記憶。

春の方角。夕陽の轍。ぶどうの風。かすかなピアノ。やさしい目。風邪の熱。水蜜桃のゆめ。

向日葵を持つ ....
散った花弁を掻き集めて、
うまく切り貼りしたつもり。

溢れた想いはそのままにして、
鏡にでも使うつもり。

今日はすこし眩しいから、
光合成に挑戦するつもり。
 
スモッグか春霞のせいか
メラメラと焼き尽くす朝焼けはない
セロファンに透かしたような太陽
掴めそうな不吉

それでも朝の鼓動は姦しい
チュン チュン チュンと 
ことりは さえず ....
在ることさえも忘れられた本
うたのように閉じてはひらき
曇のかたちの息をまわし
変わりつづける風と花房
捉えきれない色に微笑む


手はあたたかく
目は寒く
光の流れに疎 ....
あなたに「俺を愛せ!」といわれても
愛することのできないわたしです
あなたの冷たい仕打ちのおかげで
路傍の露と消えた二百十万の御霊を思えば
どうしても愛することはできません


市谷で散 ....
こわれた たましいの
かけらが 寄り合って
ぼんやり ひとの
かたちを つくっている
影がないので それとわかる
なまぬるく
なまめかしい
春の夜風の底 へ
わたしは
指を溜める

纏わりつくのは
すこしはなれたところでざわめく
緑と水の匂い
だろうか

やがて下弦の月がのぼって
ちいさな ....
おゆってことば
なんだか
あたたかくて やさしいね

ほっぺが
なんだか
ほっこりするよ

ていねいにいってみて
「おゆ。」

なんだかにんまりしちゃうよね

ぼくは おゆが ....
ベッドに横たわるキキの傍らに
典雅とまどろむ猫
誰しもあなたを思う背後で
してやったりと微笑む あなた


乳白色の柔肌は滑るように
見つめるものを誘い
乳白色の眼差しは射るように
 ....
女子高でてから十ン年間、ずーっと女の花園みたいなところで働いてきた。だから女ばかりの現場には慣れている。女特有の(と思われている)陰口いじめ噂話嫉妬、家庭や生理を理由にした甘えだらしなさ腕力不足そのほ .... 胸の痛みが 海のふかい場所に
沈んでいる
目のない魚が こらえきれない
痛みの上を
ヒラヒラと 泳ぎ回っている


痛みの底には
もうひとつの
痛みが
かならずみつかるはず

 ....
開店時刻の前
Cafeのマスターは
カウンターでワイングラスを拭きながら
時々壁に掛けられた一枚の水彩画を見ては
遠い昔の旅の風景を歩く 


 *


セーヌ川は静かに流れている ....
ミス・レインの優しい歌声が響く
土曜日の正午
久しぶりの休日

窓の外の優しい雨音に
微かに溶けこんだ
あなたの囁くような歌声を聴けば
垂れてしおれた花々は頭(こうべ)を上げ
お転婆な ....
どしゃぶりの雨の中で

僕は大粒の涙を流しながら

自転車を全力でこいでいた

頬にあたる雨がちくちくしていたかった

どうせ僕なんか醜いだけさ

他人はぼくの欲しいモノを持ってい ....
メロンのきみどり震えてる
君のリボンのちょうちょの模様
キスはまったく騙し絵のよう
眩暈を起こしてうずくまる

めくらぬ日めくりゆらゆら揺れる
きみどり色が褪せぬよう
きれいな君を守るよ ....
四つの脚をたて
温度の低い床に
椅子が停泊している
いつまでも出航しないのは
その方法を忘れてしまったから
ではなく
航行すべき海が
椅子の内に広がっているからだ
水が溢れ出さ ....
春の雨だ
激しい弾丸だ
貫かれて
雪はかすかに呻く

輝きは失われ
疲れて
蝋のように溶けてゆく身体
止める術はない

木々は目を覚ましている
鳥たちも気づいている
この叩きつ ....
森の寝息が聞こえる夜

小さな生きものの見る夢は
無塵の砂丘にしみこむ雨の
蒼く芽ぶいた花の種


明日を知ることが堅く閉ざされている
明日を知ることの恐れを知っている


 ....
間違いを犯さずに
生きていようとつとめてきた
  少なくとも
    大きな間違いだけは

生後 という
言葉がある
生まれた 後
という意味だが
つまりはこの世に参入してからの
 ....
影ン絵 つる 日の
下弦夜 つむ 火の

島 戸に 夕 かぜ
しまいを 往く つげ

傍ら 飛ぶ 身を
語らせぬ シャおん

かけせいて ほとに
かえせみに ほとる

つみ こ ....
日本語は乱れている。はっきり云って許しがたいほど乱れている。私は、あのコンビにや、飯屋で使われるわけの分らない接客用語が嫌いである。

「千円からお預かりします。」の「から」は不要なのではないかし ....
「彼、自称詩人なんだって。」よみきかせの仕事をくれた女性にそう紹介され、挨拶をしたことが二度ある。心の中で“自称は余計だよ”とおもいながら。
 
世間で「詩人」と云う存在がどんな風に扱われているか ....
月に罪無し
嫌いなあんたが見ていようと
わたしが嫌いになることもない

車の修理費の心配
手術費用の心配
税金の心配
それって全部
お金の心配

御破算で
願いましては
月夜の ....
深夜の浜辺で
青白い顔をした青年は 
{ルビ焚=た}き火の前で{ルビ膝=ひざ}を抱えている 

肩を並べていた親しい友は 
すでに家路に着いた 

胸の内に引き裂かれた恋心 
誰の手に ....
風を見たことが無い。だけど風が吹き木の葉が揺れ季節の変わりを教えてくれる。

髪がなびき 季節の香りがする。

風が透き通って行く度に桜の花びらが旅立っていく。

行きかう人々が 花びらの ....
難しいことは
良く分からないけど
君と僕には
同じ血が通っている
それだけで優しい痛み
さかさまの本には
さかさまがたくさん書かれていて
さかさまに読むのに適している
でも目はひとつしかないので
ときどきふたつになるときだけ読む
そのほうがもっとぐるぐるするから
 ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
27Y.5・19- 木立 悟未詩・独白406-4-20
封印- たりぽん ...自由詩1206-4-20
海が鳴る頃夕食を- オオカミ自由詩306-4-20
LOVE_SONGS- 青色銀河 ...未詩・独白506-4-20
はらり、ぴちゃん。- エラ自由詩206-4-20
*その、平穏*- かおる自由詩9*06-4-20
午後のめぐり- 木立 悟自由詩306-4-20
愛するこころを忘れずに- 恋月 ぴ ...自由詩13*06-4-20
そろもん(常夜灯の話)- みつべえ自由詩1106-4-19
余_黒- 塔野夏子自由詩13*06-4-19
おゆ- 日朗歩野自由詩606-4-19
乳白色のあなた- 恋月 ぴ ...自由詩12*06-4-19
男のいる職場- 佐々宝砂散文(批評 ...9*06-4-19
痛みが痛みを捜す- 阿麻自由詩16*06-4-19
セーヌ川の畔で_- 服部 剛自由詩12*06-4-18
ミス・レインの優しい休日- AKINONA自由詩406-4-18
醜い音速自転車- こめ自由詩4*06-4-18
メロンのリボン- ふるる自由詩11*06-4-18
その、平穏- たもつ自由詩2306-4-18
Lent(レント)- 北野つづ ...自由詩3*06-4-18
今宵小さな星が降る- ベンジャ ...自由詩9*06-4-18
生後- 岡部淳太 ...自由詩10+*06-4-17
散闇_- 砂木自由詩6*06-4-17
言葉は乱れ飛ぶ- 窪ワタル散文(批評 ...2+*06-4-17
詩人宣言- 窪ワタル散文(批評 ...11*06-4-17
花吹雪- 蒼木りん未詩・独白406-4-17
幻の太陽_- 服部 剛自由詩15*06-4-16
透き通る風- renchu自由詩4*06-4-16
それは家族という- 美味自由詩3*06-4-16
ノート(夜のうた)- 木立 悟自由詩506-4-16

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