わたしはいつも、つつまれている。 
目の前に広がる空を
覆い尽くすほどの 
風に揺られる{ルビ椛=もみじ}のような 
数え切れない、{ルビ掌=てのひら}に。 

その手の一つは、親であり  ....
こわれた、かぜを
かぞえている


とめられないから
ぼくには

ひとーつ、
ふたーつって

やわらかいところから

ふいている
こわれた、かぜを


 ....
春だから星を見てても暖かい一緒に見たよね僕ら青春


桜餅葉っぱを食べてもいいのかな会話の中にも散る散る桜


月笑うあなたは笑っているかしら卒業式を抱きしめる四月


水色が似合う ....
花冷えのころ
すきとおるあおと
ぬくもりをさがしながら
蝶のようにとびたち

風の声をとどけに
あなたの耳で
蕾になって

向日葵のだいたんな喜び
わすれな草のブルー
おしろ ....
淡く
夢にいた人は水彩でした


*


(あ、)


こめかみとシーツの間に
かすかに染み入り、そこから
まぶたに明けてゆく一筋の朝の滲みに、すっと
打 ....
これはね。
あたしたち、
死ぬ時はきっと別々だから、
だからこうしてにぎって、
眠っているの。
ほらこうしていると、
あなたどくどくしてる。
あったかい。 ....
春が過ぎた
それから
君たちの後ろには羽が生えて
彼女のいた屋根の
あの群生の上を越えていった

それから、と区切って
何を始められたか、と問われれば


並木の色合いは変わらない ....
                作 2003年8月17日(日)

階下で
かさかさと
カーテンを引っぱる
音がする

うるさくて
眠れないから
降りてって
カーテンを引っぱって
 ....
コーラやガンジャが
ふみ潰されたコンクリートの上で
カーテン越しの光も
橙になってはだか

コニャックの上等も
空になっちまえば
抱かれ果てた
おんなの腰の辺りみたいだ

そう、あ ....
ぶつぶつ
ひとりごとをいいながら
ひとが
えきのかいだんをのぼっている

おそらく
なにかたいせつな
くんれんをしているのだろう
ことばをはっするたびに
すこしずつ
もれていくもの ....
イチコが僕の家にやってきたのは
今から十年余り前のことでした



四月の暗い雨の日でした

皆が雨で桜が散ってしまうと
嘆いていた日でした



当時住んでいたアパートの玄関 ....
片目ばかりが傾く夕べに
しあわせの少ない膝を抱き
花はつぼみのうたをうたう


午後にひたいをしたたるものは
すべて血のように感じられる
その熱さゆえ その太さゆえ


 ....
どこまでも続く桜並木の先に在るものを
確かめたくて
あなたと手をつなぎ歩く

親子ほどにも見られそうで
控え目なあなたの腕を
胸元にまで引き寄せ
歳の差なんてね

桜は潔く散るから美 ....
見てはいけないのだとわかってはいた
誰か忘れてしまったが誰かに教わったのだ
父でも母でも兄でもない誰かに
たいして長くもなく広くもないその川のその場所には
かつて利用されていた潜り橋の名残があ ....
ひとが
しをかいている
ひとは
しをかくのがすき
かいていると
こころが
きれいになる
きぶん
しをかくひとのことを
しじん
というらしい
ちなみに
しにん
とよぶと
 ....
わたしは朝に満たされる。
熱く火照ったわたしは、
彼を待っている。
彼は引き寄せ、
唇を付ける。
彼の唇は巧みにそこを避け、
わたしを甘く、
咬む。
わ ....
春は優しい風の音色で
ひらひらと踊りながら地に還る


田舎の祖母の他界の知らせに
慌ただしく帰郷の支度をしながら
移り行く季節の名残に
そっと目を閉じる一時

思い出はいつも
 ....
さいしゅうかいをいっしょにみる。

サッカーのはなしをいっしょにする。

すきなうたをいっしょにうたう。

かがみのうつりぐあいをいっしょにみる。

みつめあっていっしょにふきだす。
 ....
                 2007/04/21
実験開始まではなにもしないでよいですから
楽な姿勢で待機していてください
スタッフに言われて
朝から待機していたが
いつまで経っても始 ....
食事の後に
手がすべり 
落とした皿に 
「ごめんなさい」と 
頭を下げる 

割れなかった 
{ルビ空=から}の皿は 
床の上 

至らぬぼくの 
「ごめんなさい」を 
すい ....
女は消印を食べ続けた
消印を食べなければ生きていけなかった
医者には病気のようなものだと言われた
普通に届く郵便物だけでは
必要な量は満たせなかった
子供のころは
両親が女のために手紙を書 ....
あとかたもなく
灰にするということだ

ひとりで
生きていくために

世界に
巣立ちをせよということだ

父を焼く

かたくなに
声を伝えぬおとがいを
持ち上げたなら
かさ ....
頭が少々重く
風邪気味であったので
目覚まし時計をかけずに
ゆっくりと眠ることにした
そのままうっかり百年間眠ってしまった

百年後の人類は
ファッションや顔色が少しおかしくなっただ ....
夜の、
雨の、
それぞれのゆくえを
ひと色に染めて
あかりは桜色

煙る雨の甘さ、
舞う花びらの温み、
絡めた指が
やさしさを紐解く
夜に、
雨に、
焦がれる桜

時計の針 ....
なをかけ
そらす

わにゆれ
くいる

つつしむ
よるに

こびんの
はおと

すめない
つちに

とべない
かぜに

まつうた
うたう

はなれぬ
はると ....
無人駅に降り立てば
地図の見方にも
ちょっと工夫がいる
缶ビールをぐっと飲む

子供の頃に
抱きしめ方を習ったような
初夏の風にさえ
あいさつを交わしたい

垂直に支えつづける日射 ....
満天の星空をつつむ静寂の下
潮騒を聴きながら横たわる身に纏う砂粒
はてしなく投げた仕掛けを海に任せて
ケミカルライトの点る竿先を微かに揺らし、
甘い潮風がコーヒーの苦味を慰める

アタリな ....
ふと
したことについて
ふと
わたしは
道標に
いつまでも
宿題をわすれている

ふと
空が滑り
ふと
雲はいつのまにか
描きかけた
キャンバスの中に
紛れ込んでいる

 ....
長い耳のようなものに
巻かれている
なでてみると
自分の耳なのだと気づく
近くでは耳が産まれている
いくつかは知っている耳で
いくつかはよくわからなかった
産まれてきた耳は
自ら声を発 ....
星をひとつもらった


夜空がすこしだけ暗くなって
そのぶん
ぼくの夜が明るくなった


きみに手紙を書く
いくども書き直したので朝になった
星のことは書かない


ぼく ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
椛の木陰_- 服部 剛自由詩25*07-4-24
こわれた、かぜ- はらだま ...自由詩17*07-4-24
【短歌祭参加作品】僕ら青春- ふるる短歌1507-4-24
*耳の産声*- かおる自由詩25*07-4-24
水彩の夢- A道化自由詩3007-4-24
「_あたしのおちんちん。_」- PULL.自由詩8*07-4-24
葉桜の後に- 霜天自由詩807-4-24
カーテン- あおば自由詩9*07-4-23
さびしさについて- soft_machine自由詩14*07-4-23
くんれん(ことば)- たもつ自由詩1607-4-23
イチコが死んだ日- 自由詩16*07-4-22
ノート(膝を抱いて)- 木立 悟自由詩807-4-22
さくら、ふたたび- 恋月 ぴ ...自由詩38*07-4-22
橋の下にある藻屑について- 佐々宝砂自由詩5*07-4-22
くんれん(し)- たもつ自由詩1207-4-22
「_満たされて、_」- PULL.自由詩6*07-4-22
散る- ベンジャ ...自由詩607-4-22
いっしょ。- 空 春色自由詩4*07-4-22
深夜2時- あおば自由詩8*07-4-21
「_皿_」_- 服部 剛自由詩9*07-4-21
愛称- たもつ自由詩1607-4-21
明日に咲く花- umineko自由詩12*07-4-21
春眠- 楢山孝介自由詩13*07-4-21
桜色の夜- LEO自由詩31*07-4-21
古蝶石流- 砂木自由詩13*07-4-20
無人駅- tonpekep自由詩18*07-4-20
星と砂粒_★- atsuchan69自由詩7*07-4-20
在りか- tonpekep自由詩12*07-4-20
耳の産声- たもつ自由詩1007-4-20
ぼくの星- yo-yo自由詩19*07-4-20

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258