こどもたちが
口を真っ赤にしながら
園庭であそんでいる
誰かをつかまえ
気に食わなければ噛みつくために


こどもたちは
細い睫毛にひとつずつ
金銀の王冠をつけており
その毛並みは ....
雨がまず髪を染め
くたびれた道を舗装する
雨が黒いのか
眼差しが閉じているのか
景色が見えない



落ちてきたのは塗料だろうか
コーラだろうか
アスファルトが溶け
鼻につく
 ....
最後まで
射しこむ視線
うっとりと透ける黄金の光に
浮かびあがる白い顔が沈黙をまもっている
一瞬間、

じゅうりんされた庭に
咲く血の花が
わたしの静脈でかおる午後

いく ....
{引用=
(透明な感性とやらがほしくってそれは犬とか食べても安全?)




ビー玉が散らばる雪の校庭を裸足で乱そう(見つからないように)



息を吸って吐いて吸って吸って吸っ ....
手を繋ぐと
聞こえる音が
聞こえなくなりそう

明日のように曖昧な
昨日の出来事のように
今はまだ
起こるべくして
始まるべくして
ただ静かに
呼吸をしている

空が遠い
あ ....
{引用=
僕が都合の良い魚になって
遡上するならあなたへ、と

   キューブを完成させる方法
   かしこく、方程式どおりに回すのか
   バラバラにして組み立て直すのか

完成し ....
暗示は歩いてゆく
眠りをめぐる回廊を
重ねられた便箋のあいだを
どこかためらいがちな
静かな足どりで

誰ひとり知り合いのないような
それでいて誰もに挨拶をしているような身ぶりで
暗示 ....
土を醒ます波があり
音は音のかたちを追う
水紋 はざま
ひとつ咲く花


ふつふつと赦され
指でたどりつづけている
四方が水の
{ルビ鈍=にび}の径


そこに ....
とってもちいさい○をかいた

くもりガラスにゆびでかいた

やさしい忍者になりたかった

たたかうけれどやさしい忍者


時代は引き継がれ

さよならは

ふたたび巡り会う
 ....
乾電池が足りない
と昨夜寝言を言ったあなたは
夢の中で久しぶりに
何を作っていたのだろう

今日は朝から雪が降ってる
あなたの故郷のように
たくさんではないけれど

もう誰も
あな ....
線路を{ルビ跨=また}ぐ歩道橋を渡って
小さな小学校脇の道を歩く

冷たい風に{ルビ靡=なび}く木々の葉は
ほんの数日前とはまた更に
色も重さも変えたようだ

見上げれば焦げ茶色の葉の
 ....
ここに 在ることの不思議
みんな 誰ともちがう
経路をたどって いまを
生きている のだから
しあわせを ひきくらべるな  
薄い網戸の向こう
何かの割れる音がする
今日は朝から寂しいものが降っているから
話しかけるみたいに一日を生きたい

消えていくシャーペン工場で作られた最後の一本が
同じ価格で店頭に並ぶ ....
ひとりしか居ない器を器ごとひとり呑み干す冷えた指もて




呑みつづけ呑みつづけても酔えぬのはただ両目から流れ出るため




道を燃し壁を燃す手を振りほどき歩む ....
 
はねた、石は、
水のなかを、水を
大きく、全身でえぐり、ゆれて、水は
痛みで満ちた、が、血は、
流れずに、水のなかを、水の
深いところ、へ、


着席する、石は、
水、ではなか ....
元気ですか
そういってメールを打つと

少し
微妙な間隔で

クタクタ
風邪 ひいたみたい 
って

そんなこと
聞きたいわけじゃない



元気ですか
もう君もわか ....
         (2007・9・19)

突風に流されてきた雷がうちの庭に落ちた
しばらく前から庭に住み着いていた、
愛らしい雨蛙が焦げてしまった
咲き始めていた萩の花も散ってしまった
 ....
妹が嫁に行くのですよ

あれは妹が3歳ぐらいのことだったか
サンタクロースがやってきたとき
母にしがみついて 泣きじゃくってた あの娘が 嫁に行くのですよ

「幸せにしてもらえよ」と言 ....
かなしいふちに降る雪が、
しろくしろいねむりにつき
冷気をはりつめて
その肺にひびいている。
しぃん、とした熱が、
深淵から徐々にひろがり
焼けた声となって吐き出され
冬の空 ....
深夜の路上に
空き缶がひとつ
ぽつりと立てて置いてあった
こおん
とけっとばしてみると
そこいらじゅうから
わああああ
と逃げてゆく子供らの声がして
にわかに恐ろしくなったものの
わ ....
             071207


懐かしい思い出に
空色に絵の具を溶かす
いつのまにか
キャンバスは黒くなり
減法混色に従った
これでお仕舞いと
感じることがあっても
パ ....
どこまでも伸びていく高層ビル
の死体が落ちていた
凶器の不完全な空が
垂直に突き刺さっていた

その空は途切れ途切れに
けれど果てしなく広がっている
という噂話を
人々はこよなく愛 ....
うつくしい日和に うたを
うたいながら 少女は去った
封印に 桃のくちびるを
少年の おでこに
ぺったり 貼って 
一.


青を
反故にした

よりも
事情がある

真昼につき、
雨はふらない




二.


鋏の持ち手が緑だったことから
分け合いたくない
ままの
手 ....
ちかごろでは、
神様の御札も
値段があがってきた。
不景気だったり 物騒だったりで、
あがったらしい。

そんなわたしたちを見て、
神様は、どういうだろ?
さぞかし心外だろ ....
地面を掘り続ければブラジルに行ける
そんな話を簡単に信じる子供だった
なにひとつ疑うことなく
銀色のバケツに小さなスコップを入れて
近所の公園へと向かった
掘る場所といったら砂場に決まってい ....
お前は本当に携帯電話を携帯しているのか?
携帯されてるんじゃないのか?
俺はされてるぞ 使いこなしていたつもりが
いつしか液晶画面に溺れていた
気をつけろ 携帯はひょっとしたら酒より怖いぞ
 ....
わたしそのものである時 
からだのない(風ノ人)が 
わたしにかさなる 

虫けらだったわたしの尻に 
小さな青い灯はともり 
透けたからだは発光する 
わたしはトイレ
オフィスのトイレ
和式トイレ
となりは洋式トイレ
女子トイレ

みんなのひみつ
しっているのよ
みんながだれにも見せたことのないものや
見せたくないものを
いつも見 ....
海がそっとまぶたをとじる
青い響きの中
かもめは
追撃機のようにまっすぐ堕ちた

手のひらにすくう砂
ランプの芯のようにあたたかい
ぼくは見上げ
あたたかいのは君の手だと知る

浮 ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
うすいスープ- フユナ自由詩22*07-12-12
傘をさす日- 佐々木妖 ...自由詩4*07-12-12
白い顔- こしごえ自由詩9*07-12-12
僕達の井戸- しろいろ短歌11*07-12-12
呼吸- 小川 葉自由詩507-12-12
薄明(嘘つき)- たりぽん ...自由詩1107-12-12
暗示は歩いてゆく- 塔野夏子自由詩11*07-12-11
むらさき- 木立 悟自由詩307-12-11
やさしい忍者- 吉岡ペペ ...自由詩307-12-11
スノードーム- たもつ自由詩1307-12-10
白い空- 松本 涼自由詩507-12-9
そろもん(点の歌)- みつべえ自由詩507-12-9
網戸- たもつ自由詩807-12-9
客人- 木立 悟短歌407-12-9
- 石畑由紀 ...自由詩13*07-12-9
星座の街- umineko自由詩7*07-12-9
風雷- 楢山孝介自由詩507-12-8
妹が嫁に行くのですよ- 北大路京 ...自由詩21*07-12-8
ゆきをんなとわたくし- こしごえ自由詩10*07-12-8
かんけり- 吉田ぐん ...自由詩1407-12-8
減法混色- あおば自由詩2*07-12-7
証拠- たもつ自由詩1207-12-7
そろもん(扉の歌)- みつべえ自由詩407-12-6
断片集「間引く」- 簑田伶子自由詩37*07-12-6
おふだ- こしごえ自由詩5*07-12-6
ブラジルの穴- Tsu-Yo自由詩507-12-5
マスター・オブ・ケータイ- 新守山ダ ...自由詩207-12-5
蛍_- 服部 剛自由詩4*07-12-4
わたしはトイレ- 壺内モモ ...自由詩707-12-4
君を- ふるる自由詩12*07-12-4

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258