喪服の婦人が森から出てくる
入れ替はりに
首うなだれて一羽の鶴が
森へ吸ひ込まれる


霧たちこめて
婦人も鶴も胸まで霞んで
二者はどこで擦れ違つたのだらうか
ともにもういづこに ....
羊羹にお茶ならいつでも良いです。

主人公の猿飛佐助は
そう言って次のページで
みたらし団子を頬張って
子供達を羨ましがらせ
ジャイアンツの選手も好いけれど
真田の忍者にな ....
間違えることが、終わって
拍手がいつまでも続いている
始まりと終わりが気になるのは
それだけが手触りを残していくから

雨に濡れた窓が
鉄塔に光る赤い昨日を反射している
さよならを言えな ....
幾枚かの{ルビ花弁=はなびら}が舞い落ちる 
淡い光のあふれるいつかの場所で 
あの日の君は
椅子に腰かけ本を読みながら待っている 

いたずらに 
渡した紙切れの恋文に 
羽ばたく鳥の ....
眼科で診察中
次 眼を洗うから そこに座って待ってて
と 看護婦さんに言われて

長いすのはじに腰かけ
緑内障の眼の見える範囲などかかれた
ポスターをみる

すぐ 隣りに 杖をついた  ....
とれそうなまま
しがみつくもの
制服のボタン
放課後のバッタ

ほどはるかな道
引きずった影
空笑いで蹴飛ばす
夢の石ころ

かたむいた道
走り出すバス
遠ざかってゆく
 ....
たなばた たんざく たちつてと
秋の空と乙女の心は七変化
夏じまいに
怠惰で熱っぽい光を
燦々と振りまきながら
ねっとりとした風が
がらんどうの原っぱを吹き渡っていく
夏休み最後 ....
ごめん
あと五分だけ。。
なんてセリフ
想像したこともないよね

君の寝顔
無敵の寝顔
一。


わたしの壁にはきいろいしみがある。

しみはわたしが産まれる前からあったしみで、
わたしの父がこの家に婿に来る前から、
ずっとそこにあったしみな ....
土曜日の午後九時
町はお祭り騒ぎで
行きかう人々で溢れてる
夜の風は何処までも冷たく
人々の隙間をすり抜けて
煙草の煙をかき混ぜてゆくよ

何度も肩をぶつけながら
駅まで向かう
誰も ....
旅の終わりの夕暮れに 
車窓の外を眺めたら 
名も無き山を横切って 
雲の鳥が飛んでいた 

{ルビ黄金=こがね}色に{ルビ縁取=ふちど}られた翼を広げ 
長い尾を反らし 

心臓の辺 ....
空に、鳥の滑空していく
きん、とした音が響いている
いつも何かが足りない
青いだけの視界を補うように
手のひらはいつも、上を向いている


いつも着地する景色には
逃げ出してしまう色が ....
波や風は待つものなのよ、と
長い髪を旋律で
砂浜の反射が切り抜いて
細めた視線の届く先に
僕の胸は高鳴る
星座盤の小さな窓から見たように
君のことを知ったかぶりしていた
そんな気がすると ....
燃える赤
のたうつ龍
たやすく消える命
背中合わせの 安心と不安

だから{ルビ恐々=こわごわ} 手なずけて
太古から人は
ご機嫌を取りながら
仲良くも 儚く

迷い道の向こう
 ....
夕暮れに
あの子にハモニカ吹いたげよう
ひとりぼっちの街角に
ふたりぼっちの歌ひとつ
ゆれるゆれる影法師
街はなぜに泣いている
人恋しいと泣いている

夕暮れに
あの子は泣いていたん ....
旅が
かすかにかしいでいる
分かれゆくかがやきの幾つかが
道に沈み 泳ぎ去る


家の陰に落ちてくるのは
わずかに早い 未来のまばたき
午後を閉じては
またたかせている
 ....
いつだって遥か遠くを
見つめていた、正太
本当はそんな名前じゃないのに
誰もがそう呼んでいた

*

学校へ行く途中
平然と菓子パンを買った、正太
朝飯なのだと、悪びれず
無造作に ....
(かじって
 すてて)


レタスを洗って
いたい
今日はずっと
レタスを洗って
一枚一枚
丁寧に
拭いて
いたい
今日はずっと


知るのがいやで
本当はもう ....
ベッドの上で
二人向き合って
レモンを切った
そのナイフに
お前を映して
見ていた


ベッドの上で
二人向き合って
レモンを切った
そのナイフに
映ったお前は
 ....
{引用=




青空の頁に
透明になった夏を
しまい
あなたの残り香を
時の風紋にゆだねる

世界は書物であり
読み飽きるはずもない私が
虚ろに頁を繰る
 わたしはどう ....
ダチョウはいきなり

炎天の平原を走り出した

太い頑丈な足で

砂地を蹴立てて



彼の後ろには

砂埃が舞い上がり

動物たちは

砂つぶてをくら ....
お花畑に火をつけて
全部燃やしたら
火はどんな色だろう
どんな匂いがするだろう

甘い蜜に群がる虫も
燃えるだろう
めらめらと
静かに花畑は
灰になってゆくのだろう

海に火をつ ....
 黒揚羽 日に咲く羽音 染めてありし世



         零の



( 、血のうずく
私を見つめる
その目は
黒く透けていて底もなく
ゆらぎもせず
胎内で夢を見ていた ....
わたしは 小学生の頃
ずうっと
いじめられていました。

掃除の時間の
締め切った
理科実験室で
彼女達は
一列に列を作って
一人づつ順番に
わたしの頬を
殴ってゆきました。
 ....
摩天楼に殺される
そう思った

それは綺麗な女とセックスをする夢を見る三日前だった
郵便配達員がポストと
駆け落ちをした
四畳半の小さな部屋だった
配達員は毎日
せっせと手紙を書いて投函した
春という字を書くと
いつも何だかくすぐったかった
集配時間には
ごめんね ....
先祖は、なにをしていたか分からない
落ち武者とも河原乞食とも言われている
本家の実さんは、強い侍の末裔の顔をして
武者人形の鎧を磨く
子供の頃、母に聞いたら
戦争でお寺が燃えたから、本当のと ....
雨が上がると
空気が透明を増して
夏の名残と夢とが冷まされ
水の中を歩くように九月

夏服の明るさが
どこか不似合いになり
息を潜めていた淋しさだとか
熱に乾いていた涙が
堰を切 ....
夜の傾斜をくだってゆく
くだるたびに傾きがちがうような
いつもおなじような気がする

夜だから傾斜は暗い
ところどころに湿った火がともっている
そのそばにその火を嘗める獣が
いたり
い ....
ねこになったきみとぼく

木漏れ日ゆれる

ねむの木の下で

二匹ころんと横になる



長い尻尾が自慢の

きみはしましまトラ猫で

大きな耳が自慢の

ぼくは三色三毛猫で

仲良く顔を並べて

昼 ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 杉菜 晃未詩・独白8*06-9-7
羊羹の裏- あおば未詩・独白2*06-9-7
明日の窓- 霜天自由詩406-9-7
花吹雪の中で_〜出逢いの日〜- 服部 剛自由詩13*06-9-7
にごらないもの- 砂木自由詩12*06-9-7
放課後のアンバランス- Rin K自由詩19*06-9-6
*七夕七景*_〜夏じまい〜- かおる自由詩7*06-9-6
猫寝てばかり- 日朗歩野携帯写真+ ...1506-9-6
「_きいろいし、み。_」- PULL.自由詩11*06-9-6
土曜日の午後九時- 虹村 凌自由詩3*06-9-6
雲の鳥_- 服部 剛自由詩9*06-9-6
遠くにいる- 霜天自由詩906-9-6
岬にて、星を見る- たりぽん ...自由詩1706-9-6
29、炎_【ほのお】- 雨宮 之 ...自由詩3*06-9-5
夕暮れに- 未有花自由詩13*06-9-5
けだもの行(いとふるみち)- 木立 悟自由詩606-9-5
俺たちの風、syota- 佐野権太自由詩21*06-9-5
レタス- 水在らあ ...自由詩33+*06-9-5
レモン- 水在らあ ...自由詩31*06-9-4
青の書物- まどろむ ...自由詩506-9-4
ダチョウ- 杉菜 晃自由詩7*06-9-4
灰になってゆくのだろう- ふるる自由詩20*06-9-4
黒揚羽(零の産声のする)- こしごえ自由詩13*06-9-4
肯定ペンギンの消えたコロニー- Lucy.M.千 ...自由詩12*06-9-4
馬鹿と煙は高いところが好き- 虹村 凌自由詩2*06-9-4
ふたりのこと- たもつ自由詩1806-9-4
双子の花火- あおば自由詩5*06-9-4
輪舞(ロンド)- 銀猫自由詩19+*06-9-3
夜の傾斜- 塔野夏子自由詩14*06-9-3
ねむの木の下で- LEO携帯写真+ ...20*06-9-3

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