瞳の子犬
アサリナ

君の瞳に住む子犬は元気ですか?

ときどき聴こえてくる鳴き声は
わたしの胸をしめつけます

かわいかったたったひとりの親友
あの時かかえて逃げちゃえばよかったな

抱きつきすぎて嫌がられたり
シャラシャラ光る首輪 鳴らしたり
子犬はわたしに自由をくれました


君はどこへ行っちゃったんだろうね
ふたりで留守番待ちくたびれて
子犬はいつまでたっても子犬のまま
わたしはいつまでたってもわたしのまま

今では君といた記憶が
子犬みたいに丸まって眠っています

おいかけてくるしっぽはもうなかったりして
飛びはねる爪はもうなかったりして
束ねたひげはもうなかったりして


子犬はまだわたしを覚えてますか?



自由詩 瞳の子犬 Copyright アサリナ 2006-05-23 00:45:03
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