発売まで指折り数えたCDを
ようやく手にして
するするセロファンを
むいているときのときめきは
リンゴを倍速でむいているみたいで

ポンと
再生ボタンを押すと
さらに加速度を増して
 ....
そんなんじゃ この先 続けていけないよ・・・



そう言われて 我に返った


苦しいのは 辛いのは 僕だけじゃない

君もなんだ



気落ちすると 自分のことでいっぱい ....
{引用=

おかあさん、という詩は書いた
おかあさんがすっかり板に付いた頃、書いた

おとうさん、という詩は
まだまだ書けそうにない
聳え立つ壁を見上げながら
私はそう、思う
とても ....
 猫が鳴く。
 路地の裏で
 猫が、鳴く。

 つられて
 わたしも泣いている。

 アルコール5%で
 軽く酔い
 泣いて、いる。


 虚しさ
 さみしさ


 そ ....
あの暗闇は
くらやみではなくて
照らされていない
本当の姿

あの光は
まばゆいのではなくて
その向こうが見えない
闇の別名

くぐり抜けて
会いに行く
降る雨も、雪も
肌で ....
アライグマに石鹸をわたしたら
小さな手をちょこちょこ動かして
とても楽しそうにしていた

まるまるとした石鹸は
みるみるうちに小さくなり
無数の泡だけを残して
アライグマの視 ....
時の泉に 群れ飛ぶ月の 彼方
のべる腕 さしだす酷に くれて

守る いわれのない 裸の花
晒し 望む 天の 枕木

はしり 散らす 吐息の杖
くぐり 舞い戻る 夜明け
もこもこと頭がうずくので
シャープペンで突付いてみたら
きれいな角が、生えてきました

その角は
避雷針みたいに全部を受け止め
暖房みたいに暖かくなり
まるでパソコンのように忠実で
相 ....
ひさしぶりに 部屋を 掃除しておきました

隠してあった あれ は ソファに

置いておいたので 次からは

わたし に ばれないように 隠してくださいね

それでも 信じてます から ....
「あなたの精液をサンプルとして
採取させてください」
という迷惑メールがよく届く
だけどもし
迷惑メールは迷惑メールに違いないけれど
もしほんとうに
真夜中に死ぬほどの孤独にいたたまれなく ....
鏡の底に雪が降る
夜の終わりが
夜のはじまりへと落ちてゆく
地に映る光が
空へ空へとのぼってゆく
鏡の底に
ゆっくりと降りてくる逆さの鳥
沈んでゆくもう一人の自身 ....
真夜中眠れずかぞえた羊
眠ろうとするほどに増えてゆく

小さな柵をとびこえて

いつしかそれは羊ではなく
羊のようなものになって

やたらと足が長かったり
やたらと顔が大きかったり

すっかり見とれて ....
理科教室のカーテンの陰
ビーカーに入れられた
子供の悪戯とクロッカスの球根
こっそりと 育つ日々



昼の太陽 夜の月
揺れる隙間から漏れる
光りの栄養を貪りながら
薄情な薄明か ....
そうです
世界から隠れて
潜って居られる場所が要るのです

まじりけない初期衝動とだけ
ひたすらに戯れて居られる
そんなパラダイスを
とめどなく夢見てしまいます

子どもじみているの ....
 五つの黒い眼のドアのある病院で
受付の詩の入門書が体温計を持って来て、僕に質問した。
(今日は何処の引き出しが悪いのですか。
三番目が少し痛いので、先生に診て貰いたいのです。
(それでは、体 ....
目をそらさないでください
鼓動が波つくる海の底から
危うい腰を{ルビ掬=すく}い上げて
一つの生きものになりましょう
吐息の泡を追って見上げる
金色の空はもう蔑まない

聞き漏らさないで ....
いつもの時間に
スーパーのプラスチックの袋を
振り回しながら
その女の子はやってくる

道路に落ちた吸い殻を
熱心に拾い集めていく

この寒空の下に
しかも素手で
そして左 ....
驚くほどのことはない
わたしは、空中に髪をほどき
視線を結着させている
あこがれは、あこがれ

先天的な太陽は、この時
肺の浮沈までも漂白して
果ての分裂を結晶化している
わたしは、今 ....
困ったようなその笑みで
私を見るのはもう止めにしてほしい

その微笑を私はもう
まっすぐに見ることは出来ないんだ

逸らした瞳には
少しの罪悪感とたくさんの圧迫感

君の純粋でないよ ....
冷たさで冷たさを感じ取る
寒い方へ寄り添うようにして、いつも隣に座る


よく晴れた、長い日に

 羽織る、春を待つ衣装を
 席を詰めてくれる人に
 するり、寄り添うようにする君へ
 ....
先輩が威勢良く{ルビ梯子=はしご}を駆け上がり
天井近くの狭い{ルビ頂=いただき}に腹を乗せ
{ルビ扇子=せんす}を指に挟んだ両手・両足を広げて

「 {ルビ鷹=たか}・・・! 」 

と ....
手のひらを組んで祈りのかたちなら無人の廃虚に風だけが舞う


街中にひかりあふれてもう星は絵本のなかでまたたくばかり


羽根はもう風にさらわれ剥き出しの骨をひろげるだけの桜木


 ....
大阪駅
十一番線

遠い目をした
電気機関車

  彼方への思いだけで
  切符を買いはしなかったか?
  帰るという意味を
  部屋に忘れてこなかったか?

いつもどこかに
 ....
今朝書き終えたばかりの
手紙を紙飛行機にして
あなたへと向かう
風を探している

雲ひとつない晴天の空は
太陽の傾きが眩しすぎて
方向を示すものが
見あたらない

そこへ向かう風は ....
国語の教科書
「急がないと」の「急」が
「魚」に見えた

魚がないと大変だと思っているうちに
心もひれになって
ふわふわと泳ぎだした

先生や友達もみんな
大きい魚や小さい魚 ....
いったい誰がどうして落としたのか
道端にポツンと淋しくひと袋
飽食なこの国の片隅に置き去りの
真っ白な「えのきだけ」
その宿命をまっとうできないまま
秋風にさらされて
さぞ寒かろう さぞ無 ....
1.僕が許せないこと

僕のお菓子を食べること
知らない誰かにメールすること
時々黙って家を空けること


僕は君を愛している
世界で一番愛している
だから僕は君を許せない


 ....
ポストがあんまり赤く誘うから
こっそり仕組んだ悪戯めかして
宛名にきみの名前を書いた


雪があんまりひっきりなしに
きみの傍に寄り添うから
水晶の珠を割って
ちいさな虹で
憂欝の左 ....
自分の寝息の音で目を覚ます
確かに呼吸していた
口を開いたままで
もう聞こえない

ずいぶん
永く寝た気がしたのに
車の時計を見ると
十分くらいだった

それが
三回くらい

 ....
しまわれたミシンのように寝た夜

確かにじわり夏が
やってきて
背中は
しずかに暖かい

窓から伸びて廊下まで臨む
虹には
家族誰ひとりだって気づきはしない
だから明日の
朝食の ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
つぼみの風- まほし自由詩13*06-1-15
距離- 空 春色自由詩1*06-1-15
おとうさん、という詩- yaka自由詩3*06-1-15
猫が鳴く- かおり自由詩6*06-1-15
みちならぬ- たりぽん ...未詩・独白6*06-1-14
アライグマと石鹸- ベンジャ ...自由詩11*06-1-14
の_あと- 砂木自由詩9*06-1-14
高性能な角- 仲本いす ...自由詩306-1-14
なぐりがき(掃除をした日)- 仲本いす ...自由詩3*06-1-14
迷惑なお願い- ZUZU自由詩8+06-1-14
姿の源_Ⅰ- 木立 悟自由詩206-1-14
真夜中の羊- ベンジャ ...自由詩4*06-1-14
花監禁- 千月 話 ...自由詩14+*06-1-14
Hide-and-Seek- 塔野夏子自由詩11*06-1-13
病院- 前田ふむ ...自由詩8*06-1-13
夜明け- かや自由詩4*06-1-13
*まど*- かおる自由詩5*06-1-13
偽りなき髪- こしごえ自由詩10*06-1-13
- ことは自由詩3*06-1-13
花の一枚、空の一筋、約束までの一秒- 霜天自由詩306-1-13
穴の中_〜冬眠の詩〜- 服部 剛自由詩9*06-1-13
遭難- 本木はじ ...短歌806-1-13
駅・十一番線- たりぽん ...自由詩12*06-1-12
風便り- LEO自由詩13*06-1-12
水族館- たもつ自由詩1006-1-12
えのきだけ- 佐野権太自由詩7*06-1-12
ビフォーアフター- 恋月 ぴ ...自由詩13*06-1-12
プリズム- 銀猫自由詩17*06-1-12
ホワイトアスパラガス- 蒼木りん未詩・独白406-1-11
- 便乗鴎自由詩4*06-1-11

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