{引用=


                     

さざ波の上の真昼
季節の道を飛ぶ鳥は
大気のつぶやきを浴びながら
虚構の街に舞い降りていく


その日も
 ....
            2007/06/05

かりんとうを
長万部で買う
駅の待合室には
仕事にあぶれた人たちが
冷えた弁当をストーブに載せて
暖めている
ヤカンから湯気が出てい ....
水平線に帽子を被せている人を見た
世界と対等に向き合うということは
それほど
難しいことではないのかもしれない
子供たちに蹴飛ばされた波が
海の向こうで
砂浜に描かれた絵を消している
 ....
            始まりのない折衝が
            握られた手の中をさまよう

            静けさの折り目が分かれてゆくときの
            小さな軋 ....
一度目の恋は恥ずかしくて
愛してる、なんて
言えなかった

二度目の恋は何となく
愛してる、と言った
意味なんてわからなかったけれど

三度目の恋は愛してる、という言葉に
責任を持と ....
雨の、話など誰もしていないのに
空が溶けてきたねとあなたが言う
気が付けば隣で誰かが溶け始めていて
手紙に残された文字が一人、笑っている

手のひらは繋ぐためにあって
思えばそんな場所ばか ....
シャープペンが紙を滑る音で
断ち切られる記憶が鼓動になる
遠い日、焦がれた痛みを愛しく思い

  あなたの体は柔らかいという方法
  私の融点を
  花の名前を当てるように
  ほほえみ ....
プロポーズの日
私たちは海老フライバーガーを注文した
三分ほどお時間がかかりますが
そうお店の人が言って
後ろの方では段ボールの中から
冷凍の海老フライパティが取り出されていた
トレイの上 ....
お父さんが紙をつくってる
つくった紙を僕が並べていく
それがお父さんの廊下
なんだか淋しいところだね、と言うと
お父さんは土を持ってくる
足りないので
何回かに分けて持ってくる
だからお ....
人の背中をすり抜け

雲をひろう老人を見た

誰も見ない道端のすきまに

金物ばさみを差込み

しょっている籠に入れて ふたを閉める



満杯になったら

山の上まで引き ....
 雨という言葉は
 雨からやってきたものではない

 最近になって私が雨を知ったのは
 金曜日の前の日だろうか
 もっと幼少の頃から知っていたような気もするが
 それまで冷たいというこ ....
沙漠から取り寄せた砂を
僕たちは浴槽に撒く

言葉に塗布された意味を
一つずつ丁寧に
酷くゆっくりと落としながら
シャボン玉を
空間を埋めるために飛ばす

乾いた砂に埋もれた言葉を
 ....
路上に{ルビ棄=す}てられて 
崩れた米の{ルビ塊=かたまり}  

割れた破片のまま 
空の雲を映す鏡 

何事も無い顔で 
わたしはそれらを通り過ぎる 

遠く置き忘れた 
砕 ....
帰宅する途中
コーンスープの匂いがする
家の前を通りかかる
中から男女の諍いの声が聞こえてくる
少年が一人
玄関の外に立っている
ドアにもたれてただうつむいている
どうかあの少年が
私 ....
工事現場に置かれた
大きな平面板は
空に流れる白い雲を見ながら
あの雲のように
自由に流れたいと思った
平らに寝そべっている自分では
風に相手にされなかった
起き上がれば
風を跳ね返し ....
君が勢いよくカーテンをあけるから
まさに零れ出ようとしていた光が
勢いよくぼくを包み込む
その白い肌は朝に満たされて
なんて君を美しくさせるんだ
たった今ぼくのなかも
朝が通り抜けて行った ....
            2007/06/02


単純な飛行機を飛ばす
ゴム動力でプロペラを
クルクルと回し
ゴムがゆるむまで
どこまでも飛んでゆき
見えなくなって
ステルス機になっ ....
青色と赤紫色
重たい宙をかいて 混ざり合おうとする
あの思い出
あの肌の{ルビ音=ね}
手をつないで
たよりなく握り会って
こくこくと
室温の仕業の汗をかく
夜は常に進み
太陽は ....
雨雲に覆われた街を
切り取る車窓を眺めれば
まるで僕らは
ネガの中を走っているよう

降り出しそうで
{ルビ堪=こら}えるあの空には
あとどれだけの
時間があるのだろう

始まれば ....
一人だけ何でも言える人がいる
ただそれだけが笑顔の理由


ひとりきり過ごす一日時長く
窓際近く微睡む陽射し


独り言呟きポツリ溢れ出し
止めど流るる滴と共に


 ....
美しい夕方だ

そう彼は言った

わたしは気付かない振りをする

コーヒーが熱を奪われていく

あなたは答えない



清潔なベットの上で

わたしは服を脱がされる ....
一匹の{ルビ蜻蛉=とんぼ}が
脚の間をすり抜けて
小さくさざ波立つ水田
暮れ翳り始めた空に
フラミンゴの色の雲

エミール=ガレの作品集を
撫でる指で繰っていた
男のこと

苗のき ....
耳から
抹茶がこぼれてしまうという
朝になるとシーツは
たっぷり緑を含んでいて
洗うたびに
深みを増していくのだという
(この時期だけなんですの

さして困ったふうでもなく
さらさ ....
君がチョコの包み紙で折った鶴が
私の部屋にいて
羽を休めている
君に置いてきぼりにされて
これからどこに飛んでゆこうかと考えている

触れて離れて
覚醒の夜風は君を連れ去る


 ....
庭先のチューリップに
午后のお茶を
通り雨が 注いでゆく

わたしは
ふたりで おそろいにしようと 云っていた
チューリップの形の ピンクと水色の マグカップを想い出している
砺波の チ ....
自分の趣味で申し訳ないのだけれど、女性の書く詩が好きだ。
女性詩、あるいは女性性を持った詩、とも呼ばれるそれらは、
目に見えているのに決して触れられないもののような気がする。



贖 ....
わたしはかつて
子供でした

あなたはどうですか


助け合うことが
正しいことだと知っていました

よろこびを
分けあうことができました

愛の意味を
知りませんでした
 ....
腕時計をすると
その下に洞穴ができて
取っ手のないバケツが
ピチョン ときた時のために
埋め込まれている

なげ槍の中に住み込み
解毒剤の研究をしているスルメ
永遠の若さって 日干しね ....
スーパーマーケットの入口で
マンゴウを手にした瞬間、
子宮が微かに痙攣したのを
見逃すことができなかった
雨の、せいかもしれない
外からは背すじを正すような
水しぶきが響いている


 ....
一面に広がる三つ葉のその中に
必ずあるさ君の幸せ


白摘の花編み飾る冠に
想いを隠し頭に載せる


幸せを探したあの日
夕暮れの色に染まらぬ僕らの心


四つの葉見つけた時の ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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