川沿いに歩いて ようやく
国道まで出た
ぼくたちは、しばしば
夜を迷う
ぼくたちには靴がなかったけれど
それはたいした問題じゃなかった
歩くべき道を
さがすだけの、夜を
迷っていた
 ....
裏庭から
雨音に紛れて
犬が落下していく
音が聞こえる
どこまで落ちていくのか
犬にも僕にもわからないまま
犬は落下し続け
僕は音を聞き続けている
少し傲慢に生きてきて
思い ....
【運転室】

ミステリーツアーの
ほんとうの行先は
汽車の運転手さえ
知らない
 
行先はレール任せなので
運転手は楽譜を前に
指揮を振っている
振りをしているに過 ....
遊覧する飛沫の、そのすべてが着地すると
手のひらには鍵だけが残った
閉めきられた通りに沿って
左から五番目の鍵穴を覗く
その向こうには、空だけがあった

やがて、という
一括りに出来た時 ....
落日
蜃気楼のよう
だけど蜃気楼じゃない

焼かれるのは
空じゃなく
今日という日の末路

果てるような
限界線
焼かれるのは空
じゃなく
水時計は五色、
薄紅、薄青、亜麻色、鈍色、萌黄、
途方もなく贅沢な時計、

薄紅ならば奥方さま、
薄青ならば二の奥さま、
亜麻色ならば三の奥さま、
鈍色ならばあたし、
萌黄ならばあなた ....
あなたは どこへいくの

ペンペン草に 絡めた心
持て余して

工場の 煙に
後ろずさって
怯えてた

風が 未来に往くのか
過去から いつ来たのか

座りこんでた くさっぱら ....
上へ登り
上へ登り
化石を探す

柔らかい
砂で出来た
化石を探す

黄色い砂の
あいだに隠れた
化石を探す

一人で探す

毎日
毎日
探す

化石を探していると ....
こんな寒い日は
どうしてもシチューが食べたくなる
早く帰ろう
家に帰ろう
どうしてこんなところにいるんだろう
まったく馬鹿みたいだ
足を踏まれるために都会へ来ている
糞を踏んだ足が
さ ....
君の残した想い出は
遥か遠く浜茄子咲く北の国で
いつも優しく眩しいほどに輝いて
ここまでおいでと僕の名を呼んでいた


君の残した思い出を
僕は今超えようとしている
越えることなんて考 ....
    私は今まで
    気まぐれな風に吹かれるたびに
    力なく道に倒れていた

    だが、夢を追うということは
    眼前に漂う暗雲を
    光の剣で貫いて ....
ソーダ水の浮上する泡に
空想をのせていける午後
冬と呼べる景色でよかった
北に向いた窓を開けると
区切られた言葉が通り抜けていく


君の途中で
空の色とかたちを書き残す
嫌になるく ....
満月が近づくと空気が変わる
だから空を見なくてもそれがわかる
うつむいて歩くと足音が遠のき
夜はいつのまにか
重くなっている

みやみや
絵葉書の風景のように
闇が美しく固定さ ....
“白い蛾が産まれると困るのでしばらく家を出ます”
“追伸”
“白い蛾を見ても殺してはいけませんよ”
こんな置手紙を残して
死神が家から居なくなりました



いつも一緒にいた名付け ....
ポチャンと天井から

水滴が落ちてきた

湯気が拡がった

お湯の入った水槽の中で

ぼくは体育座りして

悲鳴のようなため息を

一つ吐いた

横に置いていた砂時計がゆっ ....
よく晴れた日の午後
逃げ場の無い闘いに疲れた僕は 
ベッドに寝転がり
重い日常に汚れた翼を休めていた

ラジオのスイッチを入れると
君の{ルビ唄声=うたごえ}が流れていた 

窓の外に ....
あてどない という言葉と
鍵 という言葉
ばかり頭に浮かんで
要するにわけがわかんない

風を名づける人たちに
風の色を訊ねてみた
だあれも知らなかった

なまぬるいきさらぎの曇天
 ....
光は翳りの青に水
隠された刃の嘆息を見る
雨は何も濡らさずに
ほんの{ルビ我頭上=わずか}に平たくとどまる



夜ともなればあたりは静かなうなりを残してしん ....
いつも見ない夕焼けを見た
空が朱色に
本当に久しぶりに染まった日に
昔は明るい笑い皺ばかりのおばあちゃんが住んでいた
もう荒れ果ててしまった家の壁にもたれた紅梅が
ポン
ポン
ププ
と ....
ぴちゃぴちゃと
水の跳ねる音がして
君が
夜に頷いて

時間
我慢した方が
いいけど
月が
助手席で
背中を折って

ぴちゃぴちゃと
水の跳ねる音がして ....
庭の境に置いたサボテンに
猫が吸い寄り
すんすんしてる
ちくちくしても
まだやってる
サボテンが棘を引っ込める
わたしが触ったときには
刺したくせに
恩知らず

呼んでみるけど
 ....
雪の上で 軽い
ステップジャンプ
口元は 
叫んでいる
Jisus!と・・・


誰よりも 誰よりも だれよりもはやく
命を捨てよう 

ひとのからだ

我先に 我先に われさ ....
奪われていくだけで
体の細い先っぽから熱
低い空に流れていく
雲に穿たれた青空

なくなってから知るのだと
ひとは言うけれど
得てすらいないのだ
失う事すらできないのだ

  小舟 ....
街は冬でも清潔で
指はすべすべしている
ウィンドウに息を吹きかけて
さようなら
またあいましょう と描いている
寒さは気分をはきはきさせる
上品で気品高く
洗われたシーツのような冬 ....
鳥のかたちをした穴が
空に無数にあいていて
誰かが底からこちらを見ている
誰かと仲良くなれなくてもいい



猫のかたちに溶け残る雪が
猫のかたちの壁のよごれに
小さく小 ....
太郎君があっと喚いて
花子さんはいっと呻いた
同じ本を読んでいたのにね

次郎さんは右に行きたかった
正子さんは後ろに走りたかった
ただ、エビが高かっただけだった

三郎さ ....
波打つみどり、
敵味方の風、
追われていく

ひとつの鍵盤に向かって
端から指が流れてくる。

とたんに、
空に生まれた
子供にかえる

見つけたカタバミは、
探していたものと ....
これは事故
あれは事故です
あたらしいニュースが
たおした液体みたいに
体をつたって地面へと
たいらにひろがっていく

戦争は反対です
これは平和

いけない事ばかり考える
マク ....
ブランコから見た空は海に似ていた


悲しみに揺れるように
君はぎりぎりの角度で空を見る

浮かべた涙をこぼさぬように
近づく地面を遠ざけて

君はぎりぎりの角度で
懸命にこら ....
真新しく光る記号になりたい、と
ピンクのブーツをぶらぶらさせながら考えた
雨上がりのカップルは
急ぎ足で写し出されているなんて知らない

愛すべき先輩たち、がっかりしてよ
中途半端な振動がぼくを繋いだ ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
朝の方へ走ってください- 望月 ゆ ...自由詩25*06-2-18
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ブランコから見た空は海に似ていた- ベンジャ ...自由詩6*06-2-15
二月- 船田 仰自由詩406-2-15

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