遠い風の透けた
銀のしずくが
{ルビ月影=つきかげ}おぼろにひびいて
さびしく薫る
ぬれた黒髪
結いあげる白い手

静かすぎる吐息の重さは
うつろな視線の光
映る予感の静寂が ....
雨の中ドラムを叩く僕がいてピアノ奏でるきみがいる海



風の無い丘でうたた寝 ねぇここは風の駅かと聞いてくるきみ



ねぇ誰か教えておくれどうすれば僕は靴下を食べずにすむか ....
お父さんはね
お母さんを口説いたとき
自分の故郷には
おはなばたけという駅が
あるよと言ったって

夏に嫁いできた母は
駅前に花畑があると
おもってたと
文句を言ったらしい
お父さ ....
 
 
鳥として生まれ
鳥として逝く
その間にいくつかの
鳥ではないものがある

車の通り過ぎていく音を
人の小さな話し声を
洗濯物が風に揺れて触れ合う姿を
幸せと同等のものが包み ....
陽は傾いて
粒の影たち
熱の在り処
闇のなかの
四角をまさぐる


目をさがしていた
水のなかにそれはあった
触れようとしたら
沈んでいった
今もそこにありつづける
 ....
 
 
白紙に滲んだ黒い赤
むくむくと大きくなって
たくさんの物語を生んでくものを
とくり、とくりと創ってく
 
神秘の朝は窓を黄金に染め
鳴いたはずの軋んだ世界を
やさしく やさし ....
 桜

僕たちの最初の声が本当に欲しがったのは何だったのか
{引用=羊水の中で足掻く胎児は
魚類に他ならない
僕たちが生まれたとき
本当に欲しかったものは何だったのでしょう
どうして ....
 
微笑んだ赤い春が
水槽の底から産まれてきた
 
一日の少女達はまるで
全て悟ったふりした子供
 
 
(静かに)
 
透明感を維持するために
慣れない弦を弾いてく
音にのせ ....
  言葉を投げ合うほどに
  違うものだと気がつく
  砂丘の砂、そのひとつひとつが
  自由な砂の本性で
  名前が足りないから
  同じものだと思いこむ
  それはかなしいことだ

 ....
やっとのことでぬくもった指が
水にふれた
気がした


また凍るのか


雪の味をいつまでも
いつまでも憶えていて
そういえばそれはひどく愛しかった

はるか上空から
落ちて ....
 
 
夜になると
鳥は空を飛ぶことを諦め
自らの隙間を飛ぶ

高い建物の立ち並ぶ様子が
都会、と呼ばれるように
鳥は鳥の言葉で
空を埋めていってしまう

知らないことは罪ではな ....
逆立ちで見ている蝶がひらひらと空へと墜落してゆく絵画




音楽はすでに秒読み棺から指揮者は水となってこぼれる




ハイウェイを夜と名付けて人見知りばかりしている ....
さみしさのようにあり続け
やさしさのように消えてしまう
鳥はいつも
そんな隙間に巣をつくる

おだやかな空のもと
揺れる木陰の向こうには
静止したままの朝
さえずりはまだ
誰に気づか ....
無数の昨日を数えながら
この部屋はまた心を殺すのでしょう
抗えないものがあることを知った
見飽きた静寂の彼方に

戸惑いの群集の群れ
その対岸に向けてのクロール
悪魔に尻尾を掴まれたまま ....
波の声
かたりかけてくる
じゃまにならないように
ちかく、ちかく、とおく
足元をぬらさないくらいの
ところにぼくは
すわって

つかれてしまったよ
うずくまったよ
なにか答えてほし ....
光のにおいを
燃やすにおい
雪のにおい
水のにおい


空の青を掻く
音だけの吹雪
足もとにすがる
片羽の群れ


かがやきのない
氷の雲から
落ちてくる虹 ....
しずかな曲線を描いて
落ちていく
最後の一日が
地平線のあたりで

手を握り合う
もう二度と
離れてしまわないように

やがて朝がくる
信じるよりもあきらかに
疑うよりもたやす ....
 
 
海賊が泣いていた
アスファルトの水たまりを見て
海を思い出していたのだろう

海の歌を歌ってほしいと言うので
何曲か歌った
関係ない歌もいくつかあったけれど
気づかれることは ....
            071231


こもりをせなかに従えて
少し大きな赤子がほざく
少し大きな旦那様
生意気盛りの旦那様
黄色い蜜柑を手に持って
緑の枝葉を引きちぎる
つごもり ....
 
十六歳だった
終わったあと
ひとつになったんだね、と囁かれ
雑誌の読みすぎだとおもった
このベッドの下に隠れてるなにかかしら、とか
制服がしわしわになっちゃった、とか
私ははじめてで ....
情緒に問題あり、と
言われた、三者面談で
帰り道、お母さんが
泣いていた、自転車の
荷台で、情緒の意味を
分かりかねていた
テンイヤーズオールド


西日のまぶしさだけ
息が詰まっ ....
美しくなった、本当に
美しくなった
成人を迎えるからだの中から
魂の
幼い部分だけ
すくい集めて
投げる

そこに生まれた空間が
やさしく
かたまったら
ほし
と名づけて
揺 ....
{引用=
灰となって春が舞い
けだるい光が夏を照らし
深いお辞儀のような秋が来て
桜のように冬が去る

あなたはいつも変わらずに
そこにある全てを慈しみ
琴のしらべに手を差し伸べて
 ....
祈りは
誰かにむけるのではなく
私の中に沈んでいくだけだった



地下鉄は
風景なんて
みえないんだ


しらなかったよね
電車に乗って
どこまでも
見渡す限り
風景が ....
すなおな円の中に
さかなや鳥や
そしてほ乳類を集めて
食べる

それぞれの
交差する部分で
わたしらは健康を保つ
それは罪深いことではない

ラベルには
聖書のことばのようなもの ....
{引用=美しい涙に沿って目をさがす

               by oldsoup『内部ナイーブ』}



方舟は沈んだきみのゆびも絵も僕のなみだもノアの見る夢



 ....
路上の水溜まりに
人が落ちていく
見上げると
空を魚が泳いでいる
見えていなかった
世界の本質が
突然そのように
あらわれることもあった
今私は魚の餌になっている
愛する人が何も ....
曇る窓、雪、陰る月、つたう指、キス、キス、何かの足音が恐い

クレヨンの白で塗り絵を塗りつぶしひっくり返してどこにゆけるの

落下する教室で身を寄せあってたった二匹の兎だったね

透明なプ ....
さぁ、主観デラシネにして海の絵にキリンの首をくわえてみせて


花の名をたった無数の花の名を思い出せづに死ぬものがたり


目を閉じて夢のほとりに佇んだきみの両手に紫を置く

 ....
君は

言葉を見たか

路地裏の突き当たりの
饐えた臭いのする真っ暗闇の中から
ゆっくりと立ち上がる言葉を見たか

君は

言葉を見たか

見知らぬ星座の片隅に
燦然と輝く小 ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
うすげしょう- こしごえ自由詩13*08-1-7
走り去る電車すべての駅を過ぎ風は- 本木はじ ...短歌608-1-7
駅・御花畑- たりぽん ...自由詩13*08-1-7
鳥の間に- たもつ自由詩708-1-6
こがね_ゆくえ- 木立 悟自由詩408-1-5
はじめての呼吸で- ゆるこ自由詩12*08-1-5
陽炎- 士狼(銀)短歌4*08-1-5
瞬き- ゆるこ自由詩208-1-5
それぞれの名前で、波にとけても- たりぽん ...自由詩1308-1-4
処女雪- アオゾラ ...自由詩1008-1-3
鳥の隙間- たもつ自由詩24*08-1-3
highgradation- 本木はじ ...短歌1108-1-3
鳥の隙間- 小川 葉自由詩808-1-2
春の病- 快晴自由詩908-1-2
波の声- 唐草フウ自由詩10*08-1-2
ノート(火音)- 木立 悟自由詩608-1-1
大晦日- 小川 葉自由詩607-12-31
大晦日- たもつ自由詩1507-12-31
大晦- あおば自由詩4*07-12-31
ひとつひとり- 石畑由紀 ...自由詩3307-12-30
ペダル- 手乗川文 ...自由詩3807-12-30
白い大人- 石田 圭 ...自由詩2707-12-30
あいだ- エチカ自由詩3*07-12-30
地下鉄- 佐藤伊織自由詩6*07-12-30
食事- tonpekep自由詩13*07-12-29
Short_peace- 本木はじ ...短歌9*07-12-29
水溜まり- 小川 葉自由詩307-12-29
錆びた羽根- しろいろ短歌6*07-12-29
in_bloom- 本木はじ ...短歌607-12-28
言葉を見たか- 大覚アキ ...自由詩1607-12-28

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