夜遅く 
仕事から帰ると 
ぴたりと止まった扇風機が 
床に影を伸ばし 
{ルビ俯=うつむ}いていた 
また会えるからサヨナラと言った
雪の残る街
いつものように見送った僕を
覚えていますか

赤いコートの裾が揺れ
乾いた風に凛と鳴る
あしたもきっと青空だね
ふたり信じていた
 ....
水の鈴が鳴っている
鈴のあとを鈴がゆく
葉の上
土の上をゆく


手と手をつなぎ
生まれる音
伝えたくて
仕方ない笑み


呼吸を疑い
息を受け入れ
あきらめと ....
夢のつづきは いつも
さむいものを 育てていた
ぼくらが たがいの
希望に なるのだと
むつびあった あの場所から
 
小さなバス停を飼った
小さい割にはよく食べた
それでも店員の言ったとおり
あまり大きくはならなかった
一日に数本小さなバスが停まった
行先はどこでもよかった
夜、明かりを消して床に着 ....
そう厚くない 空の層から
シャワーは今日もふる
せせらぐのは 大気の雑踏内を
散歩するようなきもちにして

{引用=がくぶちに青から赤
藍から藤へと染めこんで
雨が恋する}


さ ....
ひとのくちからはきだされる弾丸
ことばに影はなく
銃身はいつまでもまっくろ

演技されつつ
ゆっくりと斃れるラジオフレーム
宙からの侵略

リビングで
百合がひらいて
そんなニ ....
ごめんね
としか言えないよ

おとというさぎ

あたたかい
あなたの腕は
やさしい

私は
幸せなんだと思う
だけど

噛み切るような凶暴さが
この恋にはないことを

 ....
                    07/07/02



で。
パート。
あ。
パート。
アッバウトな挨拶
奪われた空の
コバルト
不足する金属のコインを紙で代用
紙コイ ....
 
デパートに難破船が漂着する
甲板をいじくり
あなたは指の先を切った
立体駐車場から汗など
生活、の匂いがする
立体であることはいつも淋しい
家具売り場でかくれんぼをしている間に
誰 ....
デパートの 
古本市の会場で 
客もまばらな閉店前 

床に落ちたクリップが 
きらりと光り泣いていた 

なぜかわたしは素通りできず 
足を止め 
屈んで拾い、ポケットに入れた 
 ....
雨をふくんだ地面が
静かに沸騰して
おいしいものが
出来上がるそこを
夜明けを待たずに
ぬかるみながら歩く
無意味を信じて
無意味な逃避をして
正しいつもりになって
砦の先はるか遠く ....
The world owes me nothing. I didn't ask for beauty and I wasn't expecting it. But there it .... うずくまる腕に ひざこぞう、ふたつ
私の体に わんぱく坊主が 
ふたり

そっと「膝小僧…」って 呼びかけると
ひとりだけじゃあないことに ふと きずいたよ

どこかになにかを預けて い ....
消えかける
蝋燭の火に
あわてる


誰も来ない日
菓子だけが
華やいでいる


もういいから
そう誰かに告げられたかのように
途切れている


数十年に一度 ....
体に雨があたり続けると
冷えていく寒さに
体内に取り込めば力となる水の
私とは相容れない歩みを知る

宿り木のような両手の指を暖め
握りしめる手の甲を濡らす雨と
向かい合っている体内を巡 ....
流れていくのは
いつも昔のもので
西でギラリと
湾を満たすものは
せめて夕日に
清らかに染まろうとする
 
夜の寒さなど
思うこともなくながめていた
港を出て行く
貨物船の短いマス ....
夢を見ていて悲しいことがあると
純粋に悲しい感情だけが高まって
夢の中で
押しつぶされそうになってしまう
そんなとき
胸の上の猫を払い落とせば
急に楽になれる
目を覚ますと
猫のいない ....
呪文を となえれば
砂の虹が くずれる
言葉の なきがらを
なきながら ふんで
風の道に とどまる
海のない町で
静かに月の海をみあげる
溺れることのないそこは
僕の心を沈めて

耳に木霊するあの声は
よせてはかえし
ゆらゆらと僕の心を

手繰り寄せる
つながる月
つながる夜
 ....
 
ある日ふとあなたは
わたしの優しい母となり
慣れないヒールの高い靴を履いたまま
図書館のカウンターのはるか内側
シチューを煮込んでいる

戸外、三角ポールの静かな
駐車禁止区域に来 ....
入梅に映えるはな

雨の雫を身籠って

まぁるく結実して

空の蒼さをうつす
落とし穴を掘った
たくさん掘った
通り行く人たちが
すこんすこんとはまっていった

はまった人のいる穴に
名札を立てかけて
名前なんて知らないんだけど
名札があった方が便 ....
てっきょうごしに
くもがかけていき

ゆうがたのはずれに
ひとり

ろうばたちが
きしゃをみおくりながら
さいげつのはなしを
している ひとは
いつかしぬ

かみを
ていねい ....
さようなら 

なんて
言わないはずだったのに




さようなら



ふたりで作った
桜のしおりは
あの日以来 挟んだまま
日記には
もう あなたのことを
書 ....
つぶれたステーキハウスの駐車場に
制服を着た男の子と母親らしき人が立っていた
二人でじゃんけん遊びをしていた
昨日も同じところにいるのをバスから見た
違う遊びを楽しそうにしていた
毎日あ ....
ごみ捨て場に
ものさしが捨ててある
とても使いこなされた
古い単位のものさし
やはり捨てないことにしたよ
と父が来て
拾いながら横目で
お前のものさしはいいな
と言った
二人にはまだ ....
 ニフティのF文学(文学フォーラム)には、『いまのは倶楽部』という短歌・俳句の会議室があり、私はそこで読み書きをしていました。
 私が参加しはじめたころは、発言数は一日四つか五つくらいだったでしょう ....
コップに水を満たす


ごくり
夜のなかにひろがる
水域


遠い水を飲みこんでは吐き出す
夢のそとへ
背泳ぎで渡る


水が満ちる
遠くまで水が満ちる
とう ....
遮らない丘
ひとつを声に出してみれば
心音
と、一日の間で生れ落ちていくもののような
確かな揺らぎを伴った答えが
僕らの間には流れ込んでいる
広い、広い丘
両手を広げれば満ち足りていくよ ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
(_無題_)_- 服部 剛自由詩307-7-3
雪の残る街_〜季節とココロの裏側で〜- Rin K自由詩27*07-7-3
ふるえ_あがない- 木立 悟自由詩707-7-3
そろもん(原点の話)_- みつべえ自由詩607-7-3
- たもつ自由詩1307-7-3
つゆむらさき- 唐草フウ自由詩13*07-7-3
イメージ‥‥十二- soft_machine自由詩12*07-7-3
おとというさぎ- umineko自由詩5+*07-7-3
デパート- あおば自由詩10*07-7-2
デパート- たもつ自由詩1007-7-2
涙ノ声_- 服部 剛自由詩207-7-2
キッチン- 小川 葉自由詩407-7-1
愛して- 水在らあ ...自由詩19*07-7-1
膝小僧たちの歌- るるりら自由詩907-7-1
6・17_昼- 木立 悟自由詩1007-7-1
水の唄- 砂木自由詩11*07-7-1
駅・大阪港- たりぽん ...自由詩12*07-6-30
夢の中の悲しみ- チアーヌ自由詩807-6-30
そろもん(幻像の話)- みつべえ自由詩507-6-30
月海- アマル・ ...自由詩1107-6-30
- たもつ自由詩1507-6-30
*紫陽花月のはな日和*- かおる自由詩11*07-6-30
落とし穴通り- なかがわ ...自由詩7*07-6-30
六月のおわり- 及川三貴自由詩807-6-29
約束- 乱太郎自由詩18*07-6-29
じゃんけん- たもつ自由詩707-6-29
ものさし- 小川 葉自由詩1107-6-29
パソコン通信の思い出_3- 渦巻二三 ...散文(批評 ...1207-6-29
水域- yo-yo自由詩9*07-6-29
駆ける丘- 霜天自由詩807-6-29

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