刈り取られた
花々は暮れようにも
暮れられず
風が吹くのを待ちながら
やがて、
朝になります


  いつか風、のように
広げた両腕は冷たい、思い出となりますが
 その内、に抱えた ....
友達が象を飼い始めたというので
見に行った

五匹の象がいた
大きいのや小さいの
ひとしきり眺めたり触ったりして
友達の手料理をご馳走になり
楽しく喋ったりもして
遅くなったし、そろそ ....
朝焼けに 彩り添える 歌でさえ 笑顔の先に 思い出せると


翳した手 傷は癒えぬと 繰り返し 欠乏の果て 声は枯れゆく


さざ波の 白々しくも 酸い音を 瀬に背に受けて 空 ....
三十過ぎて 
忙しさを言い訳に 
すっかり運動不足の僕は 
最近腹筋をはじめた 

しばらく鍛えてなかったので 
体を起こすたび 
床から上がってしまう両足を 
しっかりと抑えてくれる ....
鉛筆の一側面の上半分が
白く光を反射している
右目で見たときと左目で見たときでは
白い光の領域が違う
僕は透明な手を鉛筆へと伸ばすが
途中で疲れて手は霧消する
鉛筆が置かれてあることと
 ....
春の海はやわらかい
海と空との
地平線は線ではなく
ぼんやりとしている

春の空はやさしい
山と空との
地平線は線ではなく
崩れた帯のよう

近くで波の音がする
何度も繰り返すも ....
テストでいい点をとったら
「それでこそ俺の娘だ。」と

テストで悪い点をとったら
「俺の娘だからしょうがない。」と

いつも頭をなでてくれる
そんなあなたの娘でよかったよ

なん ....
かっ、
かたん。
がさごそ、
がさごそそぞ。
ご。
ご。
ごっ、

物音がする。
隣人は今夜もお出かけらしい。
今月はこれで二度目だ。
こんな真夜 ....
再生



何もない荒野に
芽が吹き雨が降り

もう一度すべては
はじまってゆく


空は青いよ
海も青だよ

新しいいのちが
生まれる場所


燃え上がる、
緑 ....
とても大きな水たまりを 
陸の存在しない方へ 
夢中になって泳いでいく 
いつしか亀の姿をかりて
雲がほとんど透き通っていて 
青いばかりの視力の中で 
規則正しく諳んじられる 
無限の ....
心配事の多い夜に
あなたがまつげを上に向けて
なにもない灰色を
そっとめくる


そらのうらがわには
てんごく なんてものはなかった
ただ
春めいたゆうやけがとろけていて
おも ....
母が縄跳びをしている
僕はしゃがんで回数を数えている
あんなに腰が痛い
と言っていたのに
背筋をピンと伸ばして
交差跳び、綾跳び、二重跳び
次々ときれいに跳んでみせる
既に数は百回を超え ....
【くの一】と白抜きの文字。
淡い夜に晒された濃藍の暖簾をくぐると、
和服に割烹着の女主(あるじ)――

  「アラ、いらっしゃい。今日はお独り?

 まーね、萬寿。コップでちょうだい
  ....
夜のアゲハ蝶の行き先は、決まって、
忘れられた夢のなかの王国の紫色の書架がもえている、
焼却炉のなかを通る。
くぐりぬけて、
グローバル・スタンダードのみずが曳航する午後、
雨の遊園地で、イ ....
重ねるほどに
見えるものまで見えなくなる

それを情け無用と切り捨てようにも
思うが侭にならぬ身体と
曖昧な優しさで隠す意志の弱さ

諦めることさえ捨て去ってしまい
手の中の小さな夢を ....
駱駝が
ゆっくりと通り過ぎるのを
ふたりは
石の窓からみている


駱駝は寡黙な動物だと
女が言う
男もずっと
駱駝の言葉を探していたのだが


砂嵐の中へ
ときどき駱駝 ....
あんなに降っていた桜は
何処へ流れていったのだろう
夜の手がそっと集めて
すこし北の、
山並みを越えたところへ
風に溶かして運んだのだろうか


翠を湛えた葉桜は
それはもう、
ひ ....
わたしたちはゆるやかに
つながっていくだろう

春をわたる風のように

だいじなことは
たぶんきっとあるだろう
だけど
それがどうだというのだ

わたしたちはとうめいになった

 ....
両手の指のひとつひとつに
小さくやわらかな輪が回り
手を振ると鳴り
息を吹くと鳴る


午後の雲を聴いていると
輪も静かに聴いている
降る言葉に触れ
少し揺れる


握 ....
雨の日に
美術館の裸婦像は
艶やかに
やがて本当の姿を見せるだろう

ぼくも同じだ
ぼくの想いは風に乗り
雲と流れて地球儀の裏側の
ひとつの地平となるだろう
暖められた卵のように
 ....
おちんちんが歩いていた。

ここは、
公衆の面前なので、
さすがにそれはないだろうと、
ひとこと注意すると。
「みんなやってますよぉ。」
と返された。
 ....
少年は手にもっている一つの林檎を空に向かって投げる
するとそれは翼を拡げる鳥になった

少年は青い空が好きだった
空の中は永遠に汚れぬ世界であると信じていた

少年はどこまでも途切れぬ煙突 ....
海岸に太陽が落ちていたので、
拾ってポケットに入れた。
手のひらは、
じゅって、
音を立てて燃えたけど、
そんなの気にならなかった。
どうしてもこれを、
 ....
「気球」




気球に乗って
ぼくは旅に出る
今 ふくらましてるとこ
きみは
地上に立って
それを見てる


ぼくはたぶん
他の人らとそりが合わなくて
もうずいぶんつか ....
家出をしようと思った
理由なんて適当だ
ただやってみたかったんだ

とりあえず思い切り外へ飛び出した
母さんが追いかけてきて
財布だけ取り上げられた

仕方がないからひたすら歩く
と ....
臆病者だけが
乾いている
磁石のにおいの
ひどい穴ぐら
窓の外では
アスファルトが
黒曜石に濡らされている

  仕切の向こうの笑い声が
  うるさくてちょうどいい
  そんな時刻 ....
途切れがちの遠い波音に
あるいは
いつかの風景の肌ざわりに
私は
何を求めていたのか

カンバスは
筆先の触れた瞬間から
額縁にきちきちと収まってしまう
握り込んだ青い爪が
手のひ ....
雨が降り
音は昇り
遠く高く
曇のかたわらで鳴っている


かがやきと時間の洞のなか
青い文字に生まれる子
ゆうるりとひらき
外へ外へ歩み去る


離れた硝子と硝子 ....
  
誰も聞いてなかったけど

私は聞いといて良かったです

退屈な授業の合間にしてくれた

教科書に載ってないお話し

今すごく役に立ってます


「ありがとね せんせ。 ....
 何故だかわからないが、女性詩人の詩を取り上げて論じることに妙な躊躇があった。もちろん女性の書く詩が、男性の詩よりも劣っているなどと思っていたわけではない。優れた女性詩人は多く存在する。一読者として好 ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
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新川和江_——〈永遠〉を志向する大きさ- 岡部淳太 ...散文(批評 ...8*07-4-24

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