人であるために必要な何かを落とした
それは必要なくなったので



沈みゆく太陽に
またねと手を振ること
飛び立つ力を失って地面でもがく蛾を
目で追いながら
ひょいとよけて歩くこと
 ....
わたしはいつも欠けている 
あなたもいつも欠けている 
欠けた互いがむきあうと 
こころのさびしいすきまには 
風のふしぎが吹きぬけて 

別々だった 
あなたとわたしは 
ひとつです ....
                071124


ベランダを持たない山猫たちは
風通しの悪い檻の中で
止まり木に登っては降りて
明日の天気を占っている
止まり木の上には空は無く
金網 ....
お気に入りの毛糸のベストが
母が赤いいちごを編み込んだベストが
もう入らなくなってしまったと気付いた十二の春

すこし悲しいと思ったのは
自分が大きくなってしまったからなのか
ベストが小さ ....
昔より少しやわらかい指で 
通勤バスの「降車ボタン」を 
押すようになった 

力むでもなく 
緩むでもなく 
ほどよい緊張で 
ともにすごす
誰かとの間にたゆたう 
絆の糸を結べる ....
東京に行けばゴジラが出るんだと本気で恐れた幼かりし日
『ゴジラ』

いつだって引き出しだけは片付けて青い頭の「誰か」を待って
『ドラえもん』

コロッケをお昼休みに食べながら睡眠不足の瞳 ....
地上に穴は、ありますか
地上に塔は、ありますか






神さまは、昔、保育所の先生に怒られました
粘土遊びをしていた時のこと、
ころころ、ころころ、手のひらの上でまるい球体をつ ....
無人島にひとつだけ持っていくなら あたしのことを嫌いなあなたを





忘れてた振りしてポケットの毛糸でできたそれを純愛と呼ぼう



ドーナツを食べたあとのくちびるに積 ....
好きな子に好きと投げつけ
逃げた



それ以来ずっと
頭の上でボールが投げ交わされているのを見る
ボールに描かれているのは日本語でも英語でもなく
受け取っても読めないので
最中は隠 ....
黄昏は
銀杏をゆらし
金色、降りそそぐ
風の{ルビ音=ね}、葉の{ルビ音=ね}
寄せては返し
伸びた影にも戯れて
落ち葉の色を並べて遊ぶ
孤独を愛しいと思うとき

胸の内を
やさし ....
カラスの舞う空の
誰も見上げないように
私は
なんてひとりぼっちだ

カラスの鳴く声の
誰も追わないように
私の
声は静かに消えて

カラスというだけで
愛されない生き方がある
 ....
きょうというひのできごとの 
いいとわるいを 
きめるのはやめよう 

え? ということも 
あとで よかった になる 
はからいのふしぎをおもいたい 

わたしのひとみに 
うつる ....
   キッチンから窓の外が見える
   小高い山の放牧場には三機の風力発電機があって
   巨大な三つ葉の風車が
   /ゆっくりでもなく、はやくでもなく/回っている

この街に近づく冬はい ....
愛は暮らしをつらぬく鋼鉄のような矛盾だと
珈琲をすすって
天井など
眺めて
いる


暮らしは愛をつらぬく矛盾のような鋼鉄だと
珈琲をすすって
天井など
眺めて
いる
さよならさよなら
聞いて、聞いて
まだ笑ってるね
まだ泣いてはだめ
だめだよ、えがおで

いっしょに おどって
忘れるまでくやしいなら叩け
わたしは大丈夫だから
 腕も足も折っていい ....
日々過ぎて無言の声の荒れ様に{ルビ正常=まとも}なものの異常さを知る



つながりは有るのに無いも同じことそのままでいるひとりしている



咆哮の色もかたちも変 ....
スコープを覗き込み
ライフルの照準を合わせると
かたかたと震える枠
心の動揺が、この絵の中に
弾丸として込められている

誰も居ない砂丘
水色の空と肌色の丘が
現実と幻想を美しいコント ....
雪が降ってきたので
冬の靴や手袋を用意する
マフラーもと思い
若い頃に編んだものをだす
新婚の頃
夫の帰りを待ちつつ
夜に編んでいた古いものだ

クリスマスのプレゼントに
チョコレー ....
貝殻は
貝のがいこつだと
君は どこかに
書いていて

貝殻は
たいてい
なにか
美しいのだけれど

人は 美しい貝殻には
なれなくて

君のがいこつは
貝殻ほどには
 ....
メメントでクワイエットで今行くよ白い鍵盤飛び越えながら



本当のあなたはピンクレモネードに透ける部分のことだと思う



二次元で暮らしたかっただけなのに知らない人の名前が増え ....
            071117




お金の成る木に
水をやり
お金を欲しがる
動物に
濡れた雑巾絞らせる

ずぶ濡れのチャンピオン
4回戦ボーイの志願者に
ボディ ....
肩を叩かれて振り返ると
孤独が立っていました
なにか用かと聞くと
なにも言わずに
後ろを向いて座りました
そこでわたしも孤独の隣に腰をおろしました

しばらくすると
雨音がやってきまし ....
ほろほろと
風もないのに落ちてくる
きいろいなみだの
しずく

たおれた青草には霜
子どもはハアッと息を吐き
(みて、しろいよ)
目を丸くする

掃いても掃いても尽きることはない
 ....
風が鳴る
凍える魂を
ひき連れ去る寒月を
湾曲する星夜の岸を
鋭く細く鳴っている

{ルビ居炉裏端=いろりばた}の数え歌は
今宵も尽きることはなく
月影の枝が
障子に透けて心細くゆれ ....
それでも
優しい歌を
優しく、歌えるようになりたくて
手に取った十年前の手紙を
そっと引き出しに戻した


単純なことを
回りくどくする
それについては、僕らは天才で
ついにここま ....
夕刻
街に初雪が舞いました、そして23時の空には
輝くオリオン
long time no see!

数年前
雪に覆われて色をうしなった冬の真ん中で
バスでのうたた寝が災いし
予 ....
ちいさな雲を
いちまい、いちまい、風が縫って
空に真っ白な衣を着せている

あそこへ往くの?
問いかけても
もう動かない唇は冷たく
ひかれた紅の赤さだけが
今のあなたとわたしの今を
 ....
手すりにつかまる
手すりのある国に生まれて
偶然とか必然とか
都合のよい言葉で
意識が今ここにある
手すりに指紋をつけた日があり
手すりの指紋を消した日がある
好んで手すりの話をしたこと ....
朝まで飲んでた二人は
馬鹿なことをしながら
気持ちを確かめ合った

飲み込んでいたのは気持ちで
過去から今に流れる時間だった
お互い別々の道を歩んでいたから
今すぐに分かり合うことはでき ....
ここに来させていただいて、
1年が過ぎました。

多くの方々の詩を読ませていただけたこと、
そして、多くの方々に私などの詩を読んでいただけたこと、
こころより感謝しています。

 ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
必要- 佐々木妖 ...自由詩11*07-11-25
(_無題_)__- 服部 剛自由詩307-11-24
明るい声/ベランダの部屋- あおば自由詩1*07-11-24
赤いいちごのベスト- 佐々宝砂自由詩1007-11-24
日々の劇場_- 服部 剛自由詩307-11-23
世代を超えろ!〜漫画・アニメ・特撮で五七五- AKINONA短歌707-11-23
還れる場所は、ありますか- ピッピ自由詩407-11-23
在庫品セール(でまさかひと目惚れ)- メメズワ ...短歌507-11-23
星を掴む- 佐々木妖 ...自由詩4*07-11-22
イマージュ- LEO自由詩12*07-11-22
カラスの空- umineko自由詩6*07-11-22
ふしぎな道_- 服部 剛自由詩3*07-11-21
かぜのいれもの、のなかで- たりぽん ...自由詩11*07-11-21
あなたへ_五- A-29自由詩3*07-11-21
ガランス- 唐草フウ未詩・独白11*07-11-20
共振- 木立 悟短歌1007-11-20
誰も居ない砂丘- 狩心自由詩4*07-11-20
マフラーイズム- 砂木自由詩6*07-11-20
かいがら- こむ自由詩3*07-11-19
短歌を書いていたあの時に見ていたものは確かに青い世界だったん ...- ピッピ短歌1207-11-19
「罪びとに捧ぐテーゼ」- あおば自由詩2*07-11-19
孤独とわたし- よしおか ...自由詩11+*07-11-19
創書日和「指」_銀杏- 北野つづ ...自由詩4*07-11-19
いなか- こしごえ自由詩11*07-11-19
影法師- 霜天自由詩507-11-19
オリオン- 石畑由紀 ...自由詩12*07-11-19
百年樹- LEO自由詩25*07-11-18
理由- たもつ自由詩407-11-18
再会- 狩心自由詩2*07-11-18
- わら未詩・独白26+*07-11-18

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