悲しみを悲しむなよ
  こんなにしずかに



  寂しさを寂しがるなよ
  だれもいないのに



  月があって
  光がある
  たったひとつ
  君がいて ....
抱く、抱けない、花占いの吐瀉物をすくいあげ我の濁流を知る


注がれることは満たされることとは別の話だとわかっていました


不純物が混じっていたのか培養液 自滅という名の細胞分裂

 ....
待ち合わせ場所はどこかの曇り空ばかりが続く駅かバス停



大波が小波を飲み込むように冬 芒ヶ原に消えゆくふたり



砂浜に打ち上げられる夕焼けの淡い波間に拒まれながら
 ....
空つかめ空つかめよと叫ぶ声かたむけるたび赤く咲く声



ふいに鳴る{ルビ雷=いかずち}の背に乗せられて紅もこがねもむらさきをゆく



眼球の影わたり鳥つらなりて夜の城門 ....
呼びさえしなければ
知らずにすんだ苦しみを
あやまることしか思いつかず
ただ 宿っただけの意味を
悲しんでいたのだけれど

あれから十年以上もたち
やっと今 私だけでなく ....
その坂の上は外人墓地になっていて
少しだけ風がそよぐ。
港町を見下ろすその場所で、
土の上に居場所をなくした人々が 眠っている。

その風を、汗に濡れた指先でなでるのが好きだ。

 ....
黒猫が今横切った瞬間を写真に撮った?わからない影



かみさま、と呟く少女少年の描いた絵画に無い色が好き



ヴァイオリン壊したことがあるひとは今すぐ足をあげてください ....
{ルビ箸立=はしたて}に
ひっそりと立っている お箸
いのちの橋渡しを行うもの

せつなさをとおりこして
うれしさがあふれそうな
いのちの輝きの
道のりを
真っすぐに
みおくって ....
薄紅そまる風の道
夕闇せまる草の道

落日の片隅に
佇む人の
瞳に映る翼の模様
羽ばたく視線は
彼方を知らない

澄まして聞こえぬ
その名のみ
凝らして見えぬ
その姿のみ

 ....
たくさんの数式が
空を組み立てている
わたしたちの頭の上は
簡単な算数で成り立っている

履歴を割り算してゆくと
わたしたちは
無数のゼロの繋がりである
割り切れない集積である

 ....
半月がころがった
夜の{ルビ帳=とばり}に
埋れたふたり
冬の星座は
オリオンしか知らない
道すがら探して
明日は晴れるね、
大体毎日言う
大体毎日
同じ相槌を聞く

手袋が欲し ....
雨上がりの
仄白い、広い、ひとつの湿度が
冬の夜の終わりに、ふ、と
灯る


夜明けだ
空はひとつの肺となり
冷たく湿った冬の朝を呼吸する
細やかな鳥の霧を含んで
 ....
肩すくめ震えながら来る君の寝癖の髪に落ちる初雪


珍しく愛を欲しがる駄々っ子に握りつぶされこぼれたい骨

呼吸止め君待つその一瞬 壊れたいより壊したい衝動

なめらかな君の胸に耳寄せる ....
さようなら、の向こうで
夢、夢の花が揺れる
その花びらの裏側で
思い出が溜め息をつく

生きて行くことは
分かれ道の連なり
傍らをゆく風さえ
その地図を知らない

今日にうたえば
 ....
どんなに荒れ狂っても
静けさを壊すことはできない

どんな爆音も
静けさの中にあってこそ鳴り響くもの


指で耳をふさぐと
聴こえてくるものは なに


流れやまない肉体のせせら ....
           080114



90万円のクルマ
ホイホイ
希望を乗せて
山のような荷物を載せて
北から来たのだと
大人のような顔つきの
青年達が
温和しく坐ってい ....
目に見えるものには私が見えている 見えないものに見られていたい



夢の中で君が泣きやまないことを遅刻の言い訳にした月曜日



大吉の籤に埋もれて死んでみる あ なん だやっぱり生 ....
朝のひかりがさし込んで
おいでよ、と
気もちのいい ハンモックが
てを招く

まよっていたさまよっていた

自分のそんとくは
消すことできないよ
空ながれて

ひとりひとりが、 ....
傷ついた黒板にチョークでキキキと悲鳴を書いた聴こえてますか?。


感情が通ります白線の内側までお下がりください「バカ!。」




口数の少ない入り口 ....
羊たちが目覚めて草原をさまよう、朝の陽は山々にさして、青みがかったきみの虹彩に映るのは昨日落としたまま忘れてしまったきみの幼年時代だ、きみは蜂のように騒ぎながら羊たちと踊る、朝の食事の合図が聞こえてく .... ここまでが皮膚ここからは粘膜と褥にて解剖学の夜

ゆらゆらと灯籠廻るわたくしと死者とを分かつべく廻りたり

世界中で僕が一人になるまでは椅子取ゲームの音楽はやまない

眠りたるをんなを残 ....
空の上で
少女たちが
花をちぎっています
あなたが窓辺で
ぼんやりと
見つめている雪が
それです

春になれば
空の上で
花は咲きません

すき、きらい、すき、が、
言えなく ....
一人の犠牲で
百万人が救われて
百万人の犠牲で
一人の天才が生まれた

口だけでは正確に
的を射る事が出来なかったので
足を使って的をずらした
火が水の中に落ちた

目蓋を閉じれば ....
よりどころになる火は
つぐなう先をもす

じくの浅瀬に
なぎ払ったものが倒れ

喉が 海に泣く

制する夜は きたての波
しのぶ朝 しのぐ昼は 隠れ

ついえて春と
声 ひめる
プラットホーム
薄青く透けた空白へ
真っ直ぐに冴え立つ
色の無い脊椎の林の
プラットホーム


始まる
冬の朝の微細な輪郭線は
薄荷のことなど忘れた振りをしよ ....
あなたと二人
倉庫の脇で体を寄せ合って
雪の中
白い息を吐いていた
わたしにもあなたにも
大粒の雪が積もっていた
それでも動けなかった
動きたくなかった

あなたのおかげで
世界に ....
星月を見たいときには

その場所までいける 

そのことの

幸せ

美しく染まる水色の朝に

生まれた紅の光に見惚れることのできる日々の

その

幸せ


しか ....
温泉に行った
ほっかほかにあったまったあとは
冷たい麦茶がいい

自動販売機のまんなかに 麦茶があったっけ

からん

コインを入れた


熱をもった ほっぺたに
瓶をくっつ ....
{引用=





冷たく冴えた月光に
白く抑えつけられて
家並みは動かない




家並みの間を
老いた野良犬が
痩せた影を落とし
トコトコと 走る
  ( この ....
一、たらちね

ふるさとの町は
訪れるたびに輪郭を変えてゆく
けれど
夕暮れどきに帰りつけば
あいも変わらぬ暖かさで
湯気の向うから微笑みをくれる
あの人のおかえり

ただいま、と ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ナイフ- 草野春心自由詩8*08-1-21
『感』だけが- 石畑由紀 ...短歌7*08-1-21
連綿不在- 本木はじ ...短歌7*08-1-20
冬と声- 木立 悟短歌3*08-1-20
祈りと呼ぶ- 砂木自由詩7*08-1-20
ありし天文所の休暇- もも う ...自由詩28*08-1-20
ノンフィクシャン- 本木はじ ...短歌508-1-19
お箸- こしごえ自由詩10*08-1-19
誰そ彼(たそがれ)- LEO自由詩12*08-1-19
割り算- tonpekep自由詩3*08-1-18
半月- かや自由詩7*08-1-18
呼吸器系の季節- A道化自由詩908-1-17
夕焼けエクスプレス- さくらほ短歌7*08-1-16
あした、咲く- 銀猫自由詩15*08-1-16
静けさの中の- 石畑由紀 ...自由詩8*08-1-16
解体- あおば自由詩6*08-1-14
中指を立てて待っているのに- ピッピ短歌808-1-13
エン- 唐草フウ自由詩6*08-1-13
「_キキキ。_」- PULL.短歌5*08-1-13
羊の朝- 佐々宝砂自由詩1808-1-13
なくしたものを雑詠- 山田せば ...短歌308-1-12
かたおもい- 小川 葉自由詩508-1-11
機会者- 狩心自由詩3*08-1-11
ぶりょう- 砂木自由詩6*08-1-10
薄荷時間- A道化自由詩2108-1-10
糸の切れ端- チアーヌ自由詩308-1-9
- 蒼木りん自由詩408-1-9
いちごみるく- 池中茉莉 ...自由詩3*08-1-8
冬の夜のスケッチ- まどろむ ...自由詩8*08-1-7
春へ- 佐野権太自由詩13*08-1-7

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