(行方不明になる少し前の光景)

そう、いつか南風に
わたしの髪がながされて
地平線の水色に
例えば(紅い花を)
あるいは羊雲の群れに
かすかな共和国のひびきを感じたとき
わたしの名前 ....
わたしは幼女になって
あなたに誘拐されたい
ひらひらと
垢ずんでいく赤いスカート


ひとこともはなさない
あなたは
それに気付くことも
ない


わたしたちは
いつか家 ....
雪が来ないから だろうか
遠い対岸の君を思い出してしまう
風船のひもをつかむ かのように
手を繋ぎあった昼下がりのことも
雪虹を見た冷たい夕暮れも

   私の影は黒いよね
   青い光 ....
月に照らされ 蒼白く光を放つ雪に抱かれ

睫も凍った午前0時

指先はとうに痺れ かじかんだ爪先に雪の音

煙突から登る煙りは上昇を止め

瞬きもせず散りばめられた星明かり ....
あなたがいつまでも
空の切れ端と手を繋いで眠るものだから

私は枕元でやわらかい髪を撫でるしかない
頬を寄せれば懐かしい夏の匂い

あなたの瞳の色と
私の夜の海のような色はよく似ている
 ....
遠い視線につらぬかれた夢のゆらぎに
ことりのさえずるこもれ日がそよぐ

おおきなまなこの
星夜のような瞳が
瞬きはせずに
宙をみつめている
しろい肌には
翼がしずかに舞いおりていた
 ....
倒れたからって
いつか倒れるんだから
なんの問題もない

みえなくなっても
いつかみえなくなるんだから
逆らわない

動かないのか
動けないのか
はっきりしろ

寝たままで
 ....
薄闇に見る、葦の原
風に穂を激しく揺らしては堪えきれず
茎の根ちかく 折れ曲がり、
ついに起きることもない

飛沫の散る 河原の
無常なる日暮れを
化粧の崩れた女と双んで歩く
水辺の冷 ....
流されていく髪が合流する前に、少しづつ風が重みを増していく。街角では、雨になるかもしれない。窓の外を歩いていく綺麗な女が、彼女たちの男に抱かれているときにするキスの仕方に想いを馳せている。もう、何年間 .... いまだ冬の
凍える朝にも
こぼれる陽光の一筋に
穏やかなる日和を思い
目を細める

匂い召しませ
息つく春を
カーテンの裏に潜んだ結露を
指でなぞると
するすると雫は流れ落ちて
行き場のない小さな水溜まりは
冬の外気と人の温みのあいだで戸惑っている

わたしはうっすらと冷えた指先を持て余しながら
 ....
ピンとはりつめた

透明クリアなつめたさが

ほころびはじめると

乳白色の

おぼろなまくがかかる

天たかく、

空のあおさを

つきさしていた

はだかんぼう ....
光をついばむ音のほうへ
川は流れ はばたきを描く
光をそそぎ
光を削る


下へ渦巻く緑があり
土に斜めにつらなっている
硝子の洞へひらく緑
わずかに金の森を映して

 ....
夕焼け空を見て
胸に何かが込み上げる

少年はそれを言葉にできなくて
とりあえず 叫んでみた


ふと我に返り 辺りを見回す
恐らく あの空より赤い顔隠して
家まで走って行った

 ....
君の左胸に棲むような美しい臓器になりたい


カップラーメンに朝日差し込めばきっと天使の死期も近い


冥王星なくなり平穏に過ごす日々


まさか虫歯にチェンバロが効くとは
 ....
急いで下さい
家のとなりが火事ですから
すぐ来て下さい
奥さん、落ち付いて
落ち付いてなんで居られません
早く来て下さい
切れちゃった
こういうの困るんですよね
望楼か ....
{引用=




遠い雲と雫が
まわり舞い

霧の匂いの頁に
痩せた流木が
書き留めた
風の足跡が届く

  さびしさの果てに
  信じるものは何 ?



 歪ん ....
あめのなかに
ゆきのまじる


ぶーげんびりあの
かねのねの
音のあまつぶ
しらゆきまじる


むすめはやらない
むすめはやらない



{引用=三つで病に
五つで迷子 ....
あの日
砂利道で蹴り上げたものは
小石 なんかじゃなくて
はっきりしない哀しさだった

どこかに行けそうな気がするのに
行くべきだと思うのに
どこにも行けない自分だった

何 ....
そのように、生きてみたいと願う
いつまでも二階より上の景色に臨めなくても
遠い車窓に同じ肩幅で揺れているだけだとしても


ノイズ混じりのカーラジオの表面に
透き通らない感情を混ぜている
 ....
夢よりも一歩、現実に近かったから
振り返ることはたやすかったはずなのに

もうお風呂にはいった?
という彼の、決して難しくもない問いに
眠りに引き込まれるにまかせて
わたし、答 ....
硝子と氷を踏みしめて
夜は土に息を吐く
解けては昇る渦の音
交わりをひとつ隠し持つ


なにもない洞
失くした名前
夜明けのままに
ちぎるうたごえ


うるむ目の先 ....
夜、
左の肩甲骨に
小さな傷が生まれた
羽根でも生えてくるのなら
わたしはきっと毟り取ろう

朝、
柔らかい霧雨が降ってきて
わたしは傘を捨てた
強く責めるなら抵抗もしたけれど

 ....
目はこころの窓っていうけど
窓からみる眺めはいつもと一緒
あたしの気分次第で色を変える

太陽が燦々と降り注いでいても
なんか白々しい感じがして
底抜けの青空のせいで
自分までからっぽに ....
今日も
寒いから
炬燵に座り
終日過ごした

春の小鳥が
囀って
出ておいでよと
催促したが
鶯が来ないから
まだだよと返事して
スーパーに昨日の
買い物に行く

仕事が済 ....
あたし きっと
涙腺 とか、粘膜 とかが
とても ゆるいのよ

きんいろの
金色に傷んだ髪がかなしい

涙とか、そういうん じゃない から
気に しないで

きれぎれで、くぐもった ....
夏の僕らに
色をつけるなら、たぶん
それは透けてゆく、ライトブルー

てのひらに載せた水を打ち上げると
はじける あなたの 歓喜、にも似た
飛沫が 止められない光を集めて
虹を降 ....
雪原の風たぐり舞う銀髪にあるはずもない笑みを見ていた




くりかえし光の行方追いつづけ雪の背骨を駆けてゆく子ら




道に棲む{ルビ静寂=しじま}に映る水の笑 ....
明日は少し優しくなりたくて
右手に小さな飴を握り締めた
飴が溶け出して
指と指とをくっつけてしまった

僕は優しくなれるだろうか
空には小さく魚が泳いでいった
あの筋雲は何処に行くのだろ ....
遠くでひらく窓にも
タンポポの慕情があふれている
薄いぼくらのかげなど
よみがえるはずもなく

ない風の群れに、まじわり、
朝のひかりに、濡れ、
ぼくらの、
冷えた熱は、
ぴんと、尖 ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
花梨石の標本箱- 青色銀河 ...未詩・独白907-1-28
春彼岸- フユナ自由詩18*07-1-28
雪虹のワヤン- たりぽん ...自由詩12*07-1-27
星光雪夢- 彌月自由詩2*07-1-27
かいがら、から- 夕凪ここ ...自由詩9*07-1-27
スワローテールの恋- こしごえ自由詩17*07-1-27
日々に- 砂木自由詩13*07-1-27
月は、夜を照らすのも忘れて- atsuchan69自由詩7*07-1-27
Orkan_Warnung- 英水自由詩407-1-26
ブレス- LEO携帯写真+ ...18*07-1-26
ふゆのさかな_・1- 銀猫自由詩40*07-1-26
*つぼみ*- かおる自由詩11*07-1-26
ふたつ_海へ- 木立 悟自由詩607-1-26
夕焼け空に知った言葉- 画竜点睛自由詩3*07-1-26
もにょもにょ- ピッピ川柳1207-1-26
デザイン変更- あおば自由詩8*07-1-26
春の雪- まどろむ ...自由詩5*07-1-25
手折り唄- もも う ...自由詩25*07-1-25
そして、歩いてゆく- さち自由詩20*07-1-25
家族(時速50キロの)- 霜天自由詩807-1-25
しあわせのメロディー- Rin.自由詩17*07-1-25
ノート(外歌)- 木立 悟自由詩407-1-24
傷口から羽根- 士狼(銀)自由詩23*07-1-24
*窓からみる*- かおる自由詩9*07-1-24
小鳥- あおば自由詩5*07-1-24
涙じゃなかったらなんだっていうんだ- たたたろ ...自由詩6+*07-1-24
蒼透色- Rin K自由詩30*07-1-23
冬業- 木立 悟短歌1907-1-23
草は風の道を示す- プル式自由詩6*07-1-23
遠くでひらく窓- 青色銀河 ...未詩・独白207-1-22

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258