ころころと
ころがり逃げることばをおいかけて
さかみちをわたしもころがる
わたしとわたしをかたちどるわたしとの境が
あいまいなゆうがた

おさかなもとりも
ちらばりおちるかきの実も
わ ....
放課後には少しはやい 午後
夏の始まりを
逃がさないように
自転車同士
つないだ手
ふたり 風になって

長い長いお休みは
もうすぐそこ
追いかけるように
でこぼこ道
スピードを ....


昔、三人の男が互いに足の速さを競っていた。最年長の男はやがて体力が落ちてきて競争から脱落した。だが彼は、健康のためにいつも歩き続けることを自分に課した。凡庸な男はやがて自分の才能に見限りをつ ....
弾が来て
落ちると
なかは鳥だった


音だけの羽が
土になびく


三角の影が
道の端に
牙のようにつらなる


空をゆく弾が
曇に消える
遠い光が
聞こえ ....
きみはサンドイッチは一方向から食べるべきだと
散々ぼくを罵倒したあとにもう行かなきゃって朝
細かく眉間に皺を刻んでそれっきりでもうサンド
イッチのことはわすれてしまった。

冷凍庫を開け ....
貧しい村の群衆に紛れ 
無数の足音の下を 
痩せ細った 
病める女が這っていた 

低い目線の前に 
舞う{ルビ砂埃=すなぼこり}の向こうで 
長い間-----  
女が ....
細いだけのものを紡ぎ
不器用に飾られた
花のネックレス
朽ちてしまうことも知らずに
綺麗さだけが
二人を青空にする

失ったものを見上げる
高層の谷間は
つくられた
あの娘の{ルビ ....
雨が長く続けばいいなと
あの方はいう

白くなりそこねたベンチに腰掛けて
誰かに話すふうに優しい目をしている
正面からサヨナラバスがクラクションを鳴らす
「行かなくても大丈夫ですか」と ....
泳ぐこどもの描く絵は
ぎこちなくてのびやかで 見る疲れ心地がよい
けして固まったりはせず
ことば固まってもおらず
夕日のうえを歩くような

ねむってしまっていたら
夏がこえてしまいそ ....
隣の家の畑から
一輪の花が
「おはようございます」
挨拶をした

それは隣の家の
おばあちゃんの声に
そっくりで

腰は少し曲がっている
お辞儀草みたい
ちょん、と触ると
にこ ....
北の方角では
青年が祈っている
切実なその願いは
祈り、というより叫びのように
わたしのたましいに遠くから響いてくる

薄いカーテンの向こうでは
洗濯物が揺れている
梅雨の晴れ間と聞い ....
午前4時
ほの白く ほの青い 四角い窓から
まちの寝息が
明かりの粒子が 舞い込んでくる
街灯は 夏の虫を誘って
ゆれるように強く

黒い瞳に ひとつずつ
真珠を入れて
まばたきもせ ....
こんなことがあってね
あんなことがあってね
生活がどうにもならなくてね
愛した人と別れてね

こんなことができなくてね
あんなことが叶わなくて
考えに来たんだ ....
一輪の花が咲いている。

この子は私、頑張る私。

風に吹かれても人に踏まれても、
それでもめぜずに咲き続けようとする。


この子は私、
頑張っている・・・私。
とむらいの儀式には
いろいろあるらしい

風に流したり
星に浮かべたり

鳥についばまれる
それも自然だ

骨を
石に混ぜて焼く
というのもあるらしい



鈴にして欲し ....
一人で田舎道を歩く
夏の夕暮れ

人がいた
農家のおばあちゃんだった
ぼくを見て
こんにちはと丁寧に挨拶をしてきた

人がいた
畑から帰ってくるおじさんだった
日に焼けた顔が
ど ....
続いた雨の音階は消え
訪れた静かな夜
問うこともせず
答えることもなく
過ぎてゆくだけの影に
狭くなる胸の内

満たしていたもの
耳に慣れた雨音と
肌に馴染んだ湿度と
それらの行方 ....
冷房のつよきビルより出でてきて
鋪道の照りは肌にほどよし

寝袋を肩に出て行く子等のあと
逝く夏の風追いかけてゆく

留守宅の犬に餌やる三日目を
信頼しきる犬の目と合ふ

矢 ....
何を植えるかなんて
考えもなしに
掘りおこした
庭のすみ

やわらかい土の頂きに
雀が降りて
ころころと、まろび遊ぶから
つい、嬉しく振り返って
あの人の面影を探してしまう

幸 ....
あなたが夕刻を告げると
わたしのお遊戯が
奇妙な形で切り落とされて
真っ暗になって
ぽた、ぽた、落下する
わたし
という無数の子供たち
の見上げる、灯り
に群が ....
無数のあなた、むすっとあなた

そこの穴はあなたの穴さ

穴のないあなた、穴ばかりのあなた

あなあなかしこ、あらかしこ

洗ったあなた、ずぶ濡れあなた

愛してあなた、言って ....
無言にて薔薇一枚を差出され
祈りの如きさまに受け取る

抱え持つ洗濯物の子のズボン
ポケットに鳴るは はだか銭らし

かきつばた あやめか しょうぶと論じつつ
床几に寄りて賑はふ ....
なんだかいつも
青い空だったような気がする

手を合わせる人の横で
小さな子が
走りまわっていたような気がする

遠くから
懐かしい歌が聞こえてきて
それはもう当たり前のことのよ ....
一人ぼっちだ
花々の中で

麦畑を風が渡って
そこに点在するポピーは
そのひとつひとつが
恋で

黄色と赤の美しい翼を持った小鳥が
巡礼道の真ん中で風に吹 ....
すやすやと

安らかな寝息を立てる

ちいさなちいさな背中



このちいさな背中に

どれだけの重荷を

背負わせてしまったんだろう



たくさんの痛みに耐えて ....
にちようびが
しゃらしゃらとやってきた

とろとろしてたぼくは
もそもそして
ぽやぽやして
むしゃむしゃして
またとろとろした

それからすこし
かなしいゆめをみたぼくは
めそめ ....
飛び立つ鳥のかたちの木と
降り立つ鳥のかたちの木とが
風のなかでとなりあい
はばたきと狩りを語りあう


常にどこかにいる冬と
めぐりつづけるものらとの
軋轢の色とかけらが ....
小窓が開いてる水面
くい込んでくる ヒールの流し目

セメント楽譜に 回るこぶし
フリーなの?

ロケット台からはずされる素足
雑草の お茶会に泳ぐ 雨雫

雲は いってしまった
 ....
今夜半過ぎ
関東から東海地方にかけて
優しいものが降り積もるでしょう
と、予報士は言った

翌朝
優しいものは降った様子だったけれど
予報どおりに積もってはいなかった

私たちは ....
私たちは
雨の絵を描いたり
バケツに水をくんだり
シャワーから水を出してみたり
思いつく限りのことをしてみたけれど
先生はそうじゃないと言って
青空のはしっこをつかんで
そっとめくってみ ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ころがる- 竹節一二 ...自由詩307-6-29
夢の世界の住人たち- 紫翠自由詩4*07-6-28
神話- 葉leaf自由詩19*07-6-28
ノート(午轟)- 木立 悟自由詩607-6-28
おっぱい- れつら自由詩207-6-28
病める女_- 服部 剛自由詩407-6-28
ジルの野原- たりぽん ...自由詩12*07-6-28
あめ- 仲本いす ...自由詩207-6-27
前夜- 唐草フウ未詩・独白9*07-6-27
畑の花- 小原あき自由詩19*07-6-27
輪唱- 銀猫自由詩15*07-6-27
午前4時・真珠- たちばな ...自由詩19*07-6-27
そんな世界- 水在らあ ...自由詩32*07-6-27
- ユキムラ自由詩407-6-27
鈴_葬- umineko自由詩15*07-6-27
田舎道- ぽえむ君自由詩7*07-6-26
真夜中に沈む月- LEO自由詩33*07-6-26
25P_「短歌2」より- むさこ短歌12*07-6-26
つゆむらさき- 佐野権太自由詩37+*07-6-26
ぽた、ぽた、する- A道化自由詩1407-6-26
*ムスウノアナタ*- かおる自由詩9*07-6-26
24P_「短歌2」より- むさこ短歌7*07-6-25
かりゆしウェア- AB(な ...自由詩5*07-6-25
小さい- 水在らあ ...自由詩37*07-6-25
ちいさな背中_と_無力な両手- 宮本 心自由詩25*07-6-25
しゃらしゃら- 松本 涼自由詩707-6-25
ノート(かたち_さざめき)- 木立 悟自由詩1207-6-24
チョン4_(ミドリ様作_チョン3への返詩)- 砂木自由詩3*07-6-24
坂道- たもつ自由詩1607-6-24
先生- 小川 葉自由詩607-6-24

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