思い出

記憶
の違いを知ってしまってから

僕は
思い出喪失患者
になりました

何が綺麗だったのかも
誰が愛しかったのかも

今の僕には
何の意味も持たないようで

 ....
あの子は逝ってしまったのよ
夏の名残の陽射しが注ぐ朝の庭で

何度か苦しそうに喘いで
だけどそのうち眠るように
少しづつ少しづつ
呼吸が弱くなって

愛するみんなが見守る中で
頑 ....
あれ、おかあさん

この花火どうしたの、もらったの


今日はけんちゃんの命日だからね

買ってきてもらったんだよ


こんな暑い日だったのですか


いや戦死公報に ....
月が 舟を ナクシタ

木陰 に 零れた
ピラミッド の ベール

濃い青 の 淵
触れさせぬ まなざし

ただれた 地殻
うぬぼれた マルイ肩 

キィィィ きぃぃぃぃ ....
戯れに 月夜ならばや 人目盗みて 散り逝くまえの 星煙るころ 逢瀬を重ねん 愛も添へ

{引用=たわむれに つきよならはや ひとめぬすみて ちりゆくまえの ほしけふるころ おうせを ....
誰にだってあること


こんなに淋しい
ひとりきりの昼間は
妙にアイスクリームが欲しい


  ときどき部屋の時計が
  止まってるけど、それは
  数えるのをやめただけで
   ....
蒼空と云う檻に閉じこめられて居る
手に触れるのは薔薇の棘や蔓草の葉
足下の土はひやりと冷たく
……いつから此処にこうして居るのだろう?



一切の物音がしない透明な檻の中で
 ....
「君たち、ここは物騒だから表通りを使った方がいいよ」
「えっ、そうなんですか?」
「ああ、幽霊が出るって噂だよ」
「恐いわ祐介さん、行きましょう」
「そうしよう、どうもありが…」
「あれ、ど ....
目を閉じてひゃく数えるあいだの
静けさがこわかった

(いーち にーい さーん)

ぼくはずるだと言われるのがいやだったから
はんぶん泣きそうになりながらゆっくりと

(しーい ごーお ....
いつもどうりのことが
ふわりとしてるので
ところどころ鋏で切って
整えてみるけれど
散らかるばかりで
ああ もうめんどうだ
自分自身もパシャパシャ切っちゃう
誕生日でも何でもないところで ....
夕立の後にひょっこり現れたお日様が
でこぼこの稜線のきわで立ち去り難く

早くおうちにかえらなくちゃ

暗闇が世界を飲み込む前に

いいえ、大丈夫と

夜の女王がマントを翻す
 ....
わたし、という曲線を
無謀な指が
掌が
少しの優しさも無くなぞる


書院窓の向うでは
秋の長夜の鈴虫が
交尾の羽音で月の影絵を滲ませて


こっちにきて
こっちにきて、と ....
室外機 夏のプロペラ ぶんまわし 飛ぶんだいつか ビルのボルト引き抜いて ぽくぽくと砂埃の道を
踵の低い靴で歩く
道端にときおり現れる
柿の木の下で
風に吹かれて和みながら

寂れた雑貨店は
小さなオアシスのように見えた
冷蔵ケースのコーラの瓶の
くび ....
{引用=
旅は 道草の葉に落ちて 染まる
せせらぎを消して 風は 川面の笹の葉を通りすぎる
空は 抜けるような青を広げて

すと―ん

何かが 落ちた
静けさは それを聞いてい ....
クリープ現象で
夜をすべる
アクセルを踏みそこなった右足で
有明ランプをまたぐと
すこし遅れて
あした が きょう になる


うしろへと流れる景色を手がかりに
恋人だったはずの
 ....
まちぜんたいをみおろせる、

たかいやまにすむ くまは

だれにもばかにされないくらい

おおきなくまになりたくて

やまのものをつぎからつぎへ

たべつづけていきました。

 ....
緑の木々がゆらめいたり
遠くのコオロギが聞こえるということ

低い雲が重々しく北へ向かったり
小窓でレースのカーテンがはためくということ

白い水鳥のひと群れが南へ進路を取り
黄色い砂粒 ....
鳥が飛んでいる/秋の日に
鳥は何故に空を飛ぶのだろう/
わたしは呪縛のように生まれ/
そして大地から/
脱することができない/

飛行するものは全てきっと/
優しい何かで作られているに違 ....
8月32日
ぼくはたしかに
そこにいたんだ
ごらん、


イルカが橋を飛び越えて行くよ。
高校生だった僕は
泣いて
泣いて
チンピラに憧れて
チンピラになりたくて
夜の街を歩いていたのです

高校生だった僕は
お金も無くて
遠くに行けずに
ただ地元の真っ暗な商店街を
 ....
長方形のコンクリート枠を重ねた上から
等間隔に鉄板を差し込んだだけの
チープな巣箱のために
サラリーマンは給料をつぎ込む

妻と目の開かない赤ん坊と
南向き五階のフロアを借りて
楓の巨木 ....
「サンタマリア」

僕は神様の名前を
あなたしか知らないけれど
僕は神様の存在を
信じたことはありませんでした

「サンタマリア」

僕にも名前があるけれど
あなたは知って ....
男がケンタの二人掛けテーブルに座り
何やら絵を書いている
風体には似つかわしくない童話の挿し絵
雰囲気には似つかわしくない
どこまでも明るく優しい印象の絵


そんな男の斜め後ろで
僕 ....
一夜の戯れ 夢や現つや
うす桃色の 紅のゆくへや

君の御手の うなじに触れなば
わびし心に 月の灯らむ
荒れ野の果ての 草木を分けて
あえかなる身に ....
絶望しないための処方箋を
わたしは知っている

だけど
あなたには教えない


愛は
温度の一種で
わたしは少し
やわらかくなる

あるいは
きつく結んだ靴 ....
写真の中には
シマウマがいた

写真をとったら
あの人はシマウマになった

シマウマの飼い方を私は知らない
せめて
ロバとかポニーだったらいいのに
町並みにもなじむかもしれない
 ....
シャボン シャドー シャトー

エプロンで 涙 拭いて
背中を そっと 撫でる

チョコレート アーモンド アイズ

瞳の中に 写る 私の瞳
リボンを 結び 直して

マイ リトル ....
寂しがりやの人格は
寂しさを乗り越えるためのもの
生まれてきた日
愛に溢れていたことを


ただ思い出すだけ


臆病な人格は
おそれに立ち向かうためのもの
小さな手足をして ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
思い出喪失- 士狼(銀)自由詩8*05-9-10
秋桜忌- 落合朱美自由詩16*05-9-10
花火- あおば未詩・独白11*05-9-10
_はみだした_靴の_ために- 砂木自由詩8*05-9-10
浅き夢見し- クリ自由詩3*05-9-10
ぼんやりと上海- たりぽん ...自由詩6*05-9-10
廃園にて。- 有邑空玖自由詩9*05-9-9
寓話_幽霊が出る!- クリ未詩・独白4*05-9-9
ぼくは鬼ごっこの名人だったんだ- ベンジャ ...自由詩13*05-9-9
- tonpekep自由詩9*05-9-9
*一歩_二歩_散歩*- かおる自由詩5*05-9-9
蕾ひらく- 銀猫自由詩17*05-9-9
飛びたい群れ- たりぽん ...携帯写真+ ...11*05-9-9
田舎道- 落合朱美自由詩16*05-9-9
旅愁- ひより未詩・独白2*05-9-9
ディスタンス- 望月 ゆ ...自由詩16*05-9-9
くまのゆめ- ブルース ...自由詩3*05-9-8
__僕に風がふくということ- たりぽん ...自由詩8*05-9-8
引力- tonpekep自由詩7*05-9-8
無題- アメウ自由詩3*05-9-8
台風一過- 携帯写真+ ...2205-9-8
少しだけ詩を書いた夜- 虹村 凌自由詩11+*05-9-8
先住民の心を思い出せ- kw自由詩4*05-9-8
神様の名前- ベンジャ ...自由詩6*05-9-8
椰子の実ひとつ- 恋月 ぴ ...自由詩15*05-9-8
くりごと- 落合朱美自由詩10*05-9-8
絶望しないための処方箋- umineko自由詩3*05-9-7
幸福な妄想- 初代ドリ ...自由詩10*05-9-7
マイ_フレンド_テディ・ベア- 砂木自由詩10*05-9-7
思い出すだけ- 銀猫自由詩11*05-9-7

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