{引用=*
ぼくの町ではさあ
エプロンについた醤油のしみまでが神々しく輝くんだ。
- 朝 -
そいつを封筒につめてだな
なんにも書いてない便箋一枚
一緒にいれて。
灰色した丘のうえのポ ....
すべてを失っても俺はピアノなのだ
鉛筆は言い出した
プラスチックの筆箱の中
いくらなだめても聞く耳を持たない
仕方なく握るところを鍵盤に見立てて
弾く真似をしてみた
もちろん音が出るわ ....
春まだ浅い朝に摘んできた
ルビー色の甘酸っぱい宝石
籠をいっぱいにするより先に
ちっちゃな指と口の周りを
真っ赤にしてた
そんな美味しい歓声に
真っ白な砂糖をたっぷりかぶせて
ホウロ ....
きみが涙で、青く弧を描いて
おれがそれより淡い色で、ゆがんだ円を完成させれば

光って

そこは完全におれらの場所だ

意識をそこに飛ばして慎重に体温をあげてゆく


ほら
日溜 ....
私は
花びらが一枚足りないの
みんなは五枚なんだ
でもね


  一 

ずっと前、
私は小さな種でした
ほんとに小さくて、軽くて、やわらかかった
あの土と、この風が私を育て ....
雨上がり
{ルビ水溜=みずたま}りには 
哀しい顔が浮かんでる 

ひょい と飛び越え 
曇り空の一日に向かって彼はゆく 

{ルビ仄=ほの}かな{ルビ灯=あか}りを 人の{ルビ間=あい ....
水輪くるくる廻す
小春のきまぐれ
金粉は乱射を
泳ぎきり
ヒバリの墜落に
透明を繋いだ
柔らかきくちづけも
いつしか

斜光貫かれ
ひたむきと微熱
すぐ
もうそこまで
 ....
薄曇りの空は
上から私を見つめるが何も語らぬ
道端の花は
小さくひそやかに咲いている
緑は影含み揺れゆるやかな坂へ
おいでおいでする
白いガードレールは
くたびれながら道案内をする

 ....
夕暮れの町をポストに向かって歩いてく
人気ない目抜き通りへの道
工場の白い壁も
道路の白線も
うっすらと しぼったオレンジの色

何でもないのに突然
泣きたくなって
駆けだして
海へ ....
真夜中
雨の音で目覚めた
まだ家にはカーテンがないから 
部屋の中は 
街灯のオレンジ色で

隣に寝ているはずのおまえが
窓際に立って
そとを見ている
おまえのい ....
わたしたちの
夜の


「わたしたちは
 夜のアスファルトに
 アルコールの溜息から順に
 音も立てずに
 わたしたちを、落としている」



体中で受け取って故意に ....
きらきらと
最後の光を放ち
優しい太陽が
落ちていく
にこにこ
にこにこ
笑顔の人々を映して
最後の光が
消えていく
だから
きっと
もう
何も見えなくなる
静かな夜のこの場所は
空の深さに包まれて
流れてゆくは秋の星

静かな夜のこの場所は
時の重さに包まれて
流れてゆくは秋の風

微かに響く虫の音が
今いる場所の道標
流れてゆくは秋 ....
流鬼くぐり渡る
舞爪 の 
川底
沈む 匂い袋

藻の痺れ
かきすく 小指

ほどけぬ水の痕
掻き鳴らされた
土の鎧

笹舟が 黙らせた
ひとこう月の 檻

藪に宿る 露 ....
渡し場で舟を待つ。
遠くから響く風に耳を遣ると
今しがた現れた
言葉がみんな消えてしまった。

残念なことだ、
水面の紋でさえ
こんなに早くは消えない。

渡し場に佇む。
風に運ば ....
Thank god tomorrow is sunday.



日曜日でも
朝から起きて 

早く起きて セーヌのほとりを歩くの
朝靄に埋もれた塔が 少しずつ顔をだして
紺色から蒼 ....
なにも知らないふりして
黙って下を向いて
箸を手に取り
黙々と食べていると
見たこともない
アホウドリの影が
急降下して
隣家の大屋根が
まっぷたつに割れる
ガラガラと瓦が落ちる
 ....
もう一度ひとみをひらいた
ぼんやり ひかりの様子など
きにしながら虚空に憩うなら
はくせつの霊峰からりんごをおとした
いつかの風がかえる

美しい絵画のような木洩れ日
花通りで泣 ....
どんなに難しい本を読んでいたとしても
喜怒哀楽
たった4文字に人のこころは捕われて
(それってほんとだよ
いつになったら大人になれるのかな
つまらないことに腹を立て
投げつけたことばの痛み ....
君が糸電話を作っていた
夕暮れまで
まだ時間があるというのに
いったい誰にかけたかったのか
小学校の図工の時間のように
器用な指先で紙コップの底を切り取り
セロハンを貼っている
 ....
雨が来る
雨は去る
屋根は
何も変わらない


陰の色の石があり
誰も通らぬ道があり
雲がひとつもない日にも
常に陰のままでいる


花は風に放られて
雨をつかま ....
こゆく さなぎり
はたて まどのみ

ついた ひごそで
まりせ ふむりん

ささぐ こみちね
わたす はねつち

ほせよ ほうれぬ
かがり くみこい
子供の頃は
船乗りになりたかった
世界中を旅して
冒険して
人食い人種にとらわれて
奇跡の脱出
漂流して
魚食べて生きて
雨を集めて
さめを殺して
奇跡 ....
それはまるで真夜中の虹のようで

***

真夜中に意味も無く外を歩き回って
意味も無く兄弟が増えて行く
煙草は見る間に減って行き
気付けば財布も空になって

真っ暗な部屋の中か ....
服を脱ぎ捨てながら
でもそれはなんだか恥ずかしくて
でも人間だから好きあってるから
服を脱ぎすてながら走る

それはチューリップで
色とりどりのチューリップで
 ....
グーチョキパーの
あめんぼう
虹の彼方に飛んでゆく

とんでったのは
僕の意識と
見た目の悪さ

あめんぼう
あめんぼう
人を見つけに
雨上がり
グーチョキパーと
滑ってる
 ....
虹色をきみにこぼした
そらを云うほどは見上げてなかったから
ことばが透明な箱の中とうとつにうまれた
星色の媒介をみおくる
海をきくほどは閉ざしていなかったから
瓶をゆらした琥珀のひか ....
人は
たつた一つの
幻を見るために
生れてきたやうなものだ


幻はきまつて
この地平とは切り離された
はるかかなたにある


とても手で捉へることなど
できないほど隔てら ....
風が吹いている
この胸をくすぐるように
どこか時の蒼い彼方から
やわらかなレースのカーテンを抜けて
あなたは夜へと駆け出してゆく
裸のつま先で踊るピエレット
夜露に濡れた草を踏みしめて
 ....
水面は、奪われた。
溺れることはない。
浮かび上がる魚の眼が空を泳ぐ。
それは白く、美しい、魚だった。

私の水面は、奪われた。
月はつぎはぎだらけ。
縫いつけられて笑ってる。
眠 ....
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