町外れにある小さな海岸には
波が来るたびに
無数の椅子が打ち上げられる
町に住む子供たちにとって波音とは
木や金属のぶつかったり
こすれたりする音に他ならないので
海遊びをするときは
上 ....
左目の蜂
音を運び
ひとつふたつ
鎖骨に沈み
水音になる
心音になる


傷は多く
果実の匂い
口でふさぐ
はばたきの色
外へ 外へ
去ろうとする色


水 ....
その線の流れは
いくつもの分かれ道があっても
不思議とまっすぐに見える

迷い間違えながら歩いているようでもそれが
過去となれば運命と名づけられるからなのか

生まれながらにして刻ま ....
まんっまるの満月だ


夜でもあったかいもう

はある

あはは

さくら
あっちのお山の
桜は咲いたかな
ちらほら
ぶわあって
ねえ
ねえねえ
さあねえ

海 ....
              2007/03/06


夾竹桃の種を飲む
噛んだら苦くて吐き出した

夾竹桃の花びらが
笑うように霞んでる
花の咲かない室内に
苦くて渋い種を播く

 ....
草花が咲いて
古いバラの木がアーチに寄りかかり
向かい合った椅子には
誰も座っていないのに
まるで
それで満足しているかのように
風に吹かれている
花かんむり
シロツメクサの匂い

透明色
ソーダ水の水面の波紋

むせ返る夏を
不器用に泳いで
よろめいた夕暮れ時に涙

びーだま、の

陽炎のアスファルトで
かなしい音を立 ....
香り立つようなあなたの薄桃色のその頬を
ほろほろと熱い涙がゆく
自身のためでなく誰かのためを思って


ああ
この世にそんな涙があったのですね
春へと続く回廊は
まだ細くて
差し込む光に
白く歪んでいる
三月は
足裏を流れる砂の速さで
大切なものを{ルビ攫=さら}っては
あやふやなものばかりを
残してゆく


  いくつ ....
              2002/02/05
だめだ!だめだ、だめた!
絶対にダメだ!
どんなに懇願しようが許さねえ
たとえ明日地球が無くなるとしても
娘はやれねえ。

だめだ! ....
背にひたい押しあてているどこよりも海から遠い場所のざわめき



「お大事に」はさびしい言葉云いかけてやめた言葉を思う道行き



やや強き風が発ち口噤むとき岬のようだホームの端は
 ....
午後の教室
一番後ろの席で
眠りとの間に揺れていると
ずっと遠くの方に喧騒が消えていく
穏やかに舞う埃が
知らない間に袖に張り付いて
一緒になって光合成していた
金曜の午後

ノート ....
夕陽をあびる 
丹沢の山々に囲まれた 
静かな街の坂道を 
バスは上る 

時々友の家で 
深夜まで語らう
( 詩ノ心 ) 

午前三時 
友の部屋を出て
秒針の音が聞こえる部屋 ....
赤信号の少し高くを
つばめが横切っていった

そんなところまでは取り締まれません
とばかりに
おまわりさんは空を見上げている

季語は春
ゆっくりと
けれど、
止まらない


 ....
燃える草の原のむこうで
夜は息をしつづけていた
生まれる前のものが羽に包まれ
夜とともに揺らいでいた
かがやきのない星が穴のように在り
風と煙と火の柱を
吸い尽くすように吸いつ ....
せとものが 乾いていく
洗った水を流す
手のとどかない
光源からのぬくもり

雇われたわけでもなく
息を 野に延ばす

図の中にいる血脈
末端を一巡り鼓動

いつか影を潰し
完 ....
東京で暮らすために
新宿に降り立った日のことを思い出す
長旅、といってもたった半日だ
タンクトップをねじるくらいで
音楽をつめこんだ鞄を
肩に食い込ませ
その日を酒を探して歩いた

福 ....
バス降りて
坂道越えた病院の
その先にある
夢見た学校

全国から
つどいし仲間は
一人暮らし
少し羨まし
少し尊敬

ビキニ着て
セクハラまがいの
あ ....
やってみたいことはたくさんある けれど、
やっておきたかったことも、たくさんあった

高く、空に流れていった最後の校歌と
旅立ちの、握りしめたら少しだけ痛い
金釦のような歌
それらをいいわ ....
西日の{ルビ紅=くれない}に照らされた
誰もいない部屋の
あの日は永遠に暮れずに
私を傾きつづけて

太陽電池式腕時計の刻みつづける
秒針の先にひっかかっている
スープに影はささないでい ....
大切だから
追いかけない

また
逢えればいいねって
メールした2回とも
返事がなかった
だから

その話はもうしない

どうか
私の存在が
あなたの負担に
なりませんよう ....
            2007/02/28

キャシュメモリの上に
香具師の油をひいて
滑りやすくしたい

こけつまろびつするうちに
下向きの感性が
上昇するかと項垂れて
ご禁 ....
色の名前を忘れていく
最初に忘れたのは
花の色を真昼の
それにする太陽
そして、ものまねの月

雨の色を忘れていく
濡れるものとそうでないもの
雲の内側では透明の
感傷にも似た
匂 ....
透き通った黒に、私は何の用意もしていませんでした
立春の冬はまだ夜にあり、凍えるには充分






それはそれは同じような線を辿り、胸まで達する程の
音は
この夜があまりにも深 ....
あんな色の
月の光に照らされては
わたしたち
色彩を失っていくばかりの
ようですね

あんな色の
夜空に月を浮かべられては
わたしたち
月以外にお友達が
いないみたいですね

 ....
流れてしまつた雲を追いかけて
防波堤を越えた、二人だけの流星を掴み
散りばめたあとの笑顔を見ましたら
それはもう、美しいとしかいい様のないほどに
ふたりの時間は流れていつたのでした。

ぎ ....
ぼくはまた、
何も生せなくて水を求めるばかりか。

 水をください、舟を洗うから ぼくが
 飲むのではありません。ぼくは
 ほとんど飲まない。
 砂漠で生まれたからです。


    ....
ホームで君が歌を口ずさむ
それはとても良い音なので
お墓のようなものと間違えてしまう
床に書かれた落書きが
羽をはやして飛び立とうとする
言葉はそんなことをしてはいけない
小さな子供が言い ....
誰もいなくなった教室に
少年が忘れ物を取りに戻ってきた
いつもの教室は
いつもとは違う匂いがした
別に急いで帰らなくてもいいのだが
教室の中の空気を乱すのを恐れた
駆け足で自分の机に向かい ....
?.

この絵、あんたにそっくりね
そういっておまえが笑った絵は
リオハのお城みたいなワイン美術館にあって
おまえが指差して笑った絵は
赤ん坊のバッカスが
ワインをラッパ ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
海の話- たもつ自由詩16*07-3-6
降り来る言葉_XXVIII- 木立 悟自由詩907-3-6
「手のひらの地図」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩3*07-3-6
兎と桜と満月と- ふるる自由詩15*07-3-6
夾竹桃- あおば自由詩6*07-3-6
Garden- チアーヌ自由詩807-3-5
微炭酸の夢- 夕凪ここ ...自由詩11*07-3-5
純粋- さくらほ自由詩7*07-3-5
桜通信- 佐野権太自由詩18*07-3-5
ワールズエンド・スーパーノヴァ- あおば自由詩15*07-3-5
海から遠い- ソマリ短歌1707-3-5
ピアニッシモ- 夕凪ここ ...自由詩11*07-3-5
「_遺影の顔_」_- 服部 剛自由詩10*07-3-4
信号無視- たもつ自由詩1007-3-4
ノート(原のなかの家)- 木立 悟自由詩707-3-4
化石源- 砂木自由詩12*07-3-4
新宿はさようならと言った- soft_machine自由詩23*07-3-4
グレープフルーツ__無知を知る_〜医療学生の頃〜_- さくらほ自由詩14*07-3-3
第ニボタン- Rin K自由詩31*07-3-3
翳り_(かげり)- こしごえ自由詩21*07-3-3
春の祈り- umineko自由詩20*07-3-3
スフィンクスの密輸入- あおば自由詩9*07-3-3
桜、わすれていく- たりぽん ...自由詩25*07-3-3
ある小夜曲- ふく自由詩407-3-2
海辺の夜- 三条麗菜自由詩12*07-3-2
白昼夢- 仲本いす ...自由詩907-3-2
光と水、林檎- 下門鮎子自由詩7*07-3-2
ホーム- たもつ自由詩907-3-2
夕焼け空の紙飛行機- ぽえむ君自由詩14*07-3-2
夕焼けプリン- 水在らあ ...自由詩30*07-3-2

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258