夢の世界の住人たち
紫翠

放課後には少しはやい 午後
夏の始まりを
逃がさないように
自転車同士
つないだ手
ふたり 風になって

長い長いお休みは
もうすぐそこ
追いかけるように
でこぼこ道
スピードをあげて ふたりは


きっと そのまま 風になったのだろう


遠い夏の木立
今もさざめく
あの日のわたしと想い人

もう どこにも探せない
夢の世界の住人たち


自由詩 夢の世界の住人たち Copyright 紫翠 2007-06-28 16:00:27
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