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春兆す空を二つに分けるごと
飛行機雲は青き陽の中

入院の友に送られ外に出る
日照雨の空に冬の虹たつ

京都には冬が似合ふと初雪に
神戸の人は寒さも加ふる

子等達が どんぐり寄せて ....
わけもなく心和める夕暮れや
秋はやさしさ運びくるらし

音たててころがりて行く空き缶に
信号待つ間の視線集むる

夜半覚めて物読みおればしぐる音
しばししてより また止みにけり

木 ....
確かなる音して机上にベコニヤの
花ガラ落つる物読むときに

賀茂川の段差の水も春めきて
吾が影長く 流れに写す

草伸びて 足にまとえる散歩路に
踏み行く処 つつじ咲きつぐ

雨 ....
干し物をたためる時の充足を
胸に満たしめ一日が過ぎぬ

八十路まで あとわづかなり吾が側に
五才の犬が ひるねしている

梅雨空を狭めて広がるバショウの葉
微動だにせず風も無きらし
近くにて花火の爆ぜる音のして
幼等の声 広がりてゆく

指染めて高菜をもめばよみがえる
故里の畠にゆるる菜の花

窓明けて寝ながらに見る夏の夜
高層ビルの窓に動く人影

夕立の前 ....
新雪を犯して歩む足跡が黒く
続きて物語めく

人走る足音ひびく小夜床に
大寒と言う静けさかとも

蓑虫が瓦に下り風花に
吹かるるが見ゆ窓に寄るとき

胸のすく音させて割る うす氷
 ....
それぞれの皿に苺を盛り分けて
嫁ぎし娘の数も入れおり

盛装の娘の席は遠く しばたたく
目にぼやけゆく宴の席に

夕食の時どき夫は嫁きし娘の
空席言いて酒を呑みほす

月を取れ星 ....
川底の小石流れるさま見えて
美しき水に冬陽集まるる

川底はコンクリートになりゆくか
工事済むあとの水は澄めども


園児等が短冊吊す七夕に
幼き頃の吾娘が重なる

七夕に ....
リフトより若狭の海を見渡しつ
子等たち如何にと思い出したり

咲き残るカンナの花をめぐらせて
淡路の一角家の明るみ
(銀婚式の旅紀州へ元日 昭和四十九年一月)

吊革に背伸びして背伸びし ....
夜を覚めて雨音に肌の潤えり
冬の旱に満ちて心良し

霜などは年中知らぬと紀州路は
オランダ豌豆 冬花盛り

サルビヤの花立ち枯れて残る紅
紀州路を行く旅の実感

それぞれに旗を揚 ....
ブルドーザー河川工事に爪上げて
アワダチ草を踏みしだきゆく

谷わたる霧のさざ波見て過ぐる
炎ゆるが程の紅葉なかりし

皮はがれ磨がかれし肌のつややかさ
杉の匂いの立ちこむる里

杉 ....
山の端に今昇りくる太陽に
向いて鳶は羽ばたきにけり
芝草の緑一雨ごとに伸び
犬と行く道 青く広がる

街路樹の高き梢に銀杏の
黄金に熟して風をはらめり

玉葱を吊して土用の暑にこもる
風吹くらしき つるバラゆるる

純白の酔芙蓉咲 ....
洗剤より生れしシャボン玉の遊泳を
掬えば窓に にげる虹色

シャボン玉掬はむ姿勢 すかされて
運動神経 鈍る年かと

俄か雨に荷物ぬらして声もなく
ちり紙交換 信号に止まる

 ....
長雨の晴れておちこち競ふごと干し物
ひらめく冬空の下

おしどりが小さき雨の波紋消し
みどりに染みし池をめぐれる
            (苔寺にて)

花冷えの椿の寺はひっそりと五色の ....
今朝ほどの言ひすぎし事悔い乍ら
帰りくる子のおそしとぞ待つ

帰り来し子の淡淡と語りかく
明るき声に救われしなり

屑かごのプラスチックは音たてて
生きもののさまに動きを見する

も ....
石なげて しばししてより音のする
ダムの高さに心おののく

静かなる師走のダムに労務者の
網引ける声 四方にこだます

つぶらなる茨の赤き実の陰に
するどきトゲが短陽に透く

 ....
井戸掘の職人たちは泥つけし
顔そのままにしばし仮眠す

階下にて九州土産の風鈴が
台風予報の風に音たつ

名月に逢ふひとときを足らひゐて
たゆたいがちに春間近かなり

【昭和四十八年 ....
里芋の葉に露玉を宿らせて
風も光りて土用に入る日

身体ごとゆるるが如き北山の
杉のみどりが視野に広がる

微熱ある夜を目覚むれば
枕辺に誰がつけくれしか蚊取香匂ふ

熱湯の ....
ストーブの上に煮つまる匂いして
今宵は独り本に寄りゐる

支えゐる心重しと思ふ午後
陽ざしがいつか雪となりゐし

いやされし言葉を胸にあたためて
ショールに頬を埋めて帰る

 ....
冷房のつよきビルより出でてきて
鋪道の照りは肌にほどよし

寝袋を肩に出て行く子等のあと
逝く夏の風追いかけてゆく

留守宅の犬に餌やる三日目を
信頼しきる犬の目と合ふ

矢 ....
無言にて薔薇一枚を差出され
祈りの如きさまに受け取る

抱え持つ洗濯物の子のズボン
ポケットに鳴るは はだか銭らし

かきつばた あやめか しょうぶと論じつつ
床几に寄りて賑はふ ....
子等の留守 語る事なく夫と居て
硝子戸たたく雪を見てゐる

入試終え帰りきし子は降る雪の
中にレコード買ふと出で行く

ミニを着て鏡の前に立ちみれば
膝にかくせぬ年と知らさる
 ....
ためらはず さしかけられて傘に入り
片身ぬらせし君が気になる

足悪き子雀来たり 今朝もまた
待つ身となりて エサをまきたり

枯葉踏む犬の{ルビ足音=あおと}はリズミカル
夕づく公園を ....
単純もよきときあると自らと
慰むるとき 時雨の音する


ふれ合いし手の冷たさは言はずして
春雪消ゆる早きを語る

尋ねきし人は留守にて山茶花の
散り敷く庭に一人ごちする

我が裡 ....
なじみ深き土地を去る日の迫りきて
一日短く覚ゆ昨日今日


何事も知らぬ猫といて この土地を
離るる事を息子は言ふており


感傷にひたるひととき青梅が
音たてて落つ庭石の上

 ....
千波 一也さんのむさこさんおすすめリスト(26)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
66P_「短歌2」より- むさこ短歌8*07-10-19
64P_「短歌2」より- むさこ短歌7*07-10-17
61P_「短歌2」より- むさこ短歌5*07-9-23
平成十九年八月六日- むさこ短歌3*07-8-7
52P_「短歌2」より- むさこ短歌8*07-8-3
51P_「短歌2」より〜_昭和五十年- むさこ短歌7*07-8-2
50P_「短歌2」より〜_嫁ぎゆく娘- むさこ短歌9*07-7-31
49P_「短歌2」より〜七夕、梅雨etc- むさこ短歌5*07-7-30
48P_「短歌2」より〜47歳の頃(銀婚式)__etc- むさこ短歌5*07-7-29
46P_「短歌2」より- むさこ短歌7*07-7-27
44P_「短歌2」より_〜北山杉_etc- むさこ短歌6*07-7-26
いま一番好きな自分が作った歌- むさこ短歌10*07-7-25
42P_「短歌2」より- むさこ短歌9*07-7-24
41P_「短歌2」より- むさこ短歌10*07-7-24
39P_「短歌2」より__〜苔寺、椿寺_etc- むさこ短歌9*07-7-22
37P_「短歌2」より- むさこ短歌8*07-7-20
35P_「短歌2」より- むさこ短歌7*07-7-16
34P_「短歌2」より- むさこ短歌5*07-7-15
33P_「短歌2」より- むさこ短歌12*07-7-14
31P_「短歌2」より- むさこ短歌9*07-7-11
25P_「短歌2」より- むさこ短歌12*07-6-26
24P_「短歌2」より- むさこ短歌7*07-6-25
21P_「短歌2」より- むさこ短歌10*07-6-22
15P_「短歌2」より- むさこ短歌5*07-6-11
14P_「短歌2」より- むさこ短歌12*07-6-9
4P_「短歌2」より_〜塩田より京都へうつる時_昭和三十四年 ...- むさこ短歌11*07-3-28

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