25P 「短歌2」より
むさこ



冷房のつよきビルより出でてきて
鋪道の照りは肌にほどよし

寝袋を肩に出て行く子等のあと
逝く夏の風追いかけてゆく

留守宅の犬に餌やる三日目を
信頼しきる犬の目と合ふ

矢も楯もたまらぬ如き仕草もて
吾れを待ちゐる犬愛しもよ

蒲公英タンポポの綿毛半円に残りゐて
激しき雨にゆれつつ保つ


短歌 25P 「短歌2」より Copyright むさこ 2007-06-26 20:57:59
notebook Home 戻る