走り去る電車すべての駅を過ぎ風は
本木はじめ



雨の中ドラムを叩く僕がいてピアノ奏でるきみがいる海



風の無い丘でうたた寝 ねぇここは風の駅かと聞いてくるきみ



ねぇ誰か教えておくれどうすれば僕は靴下を食べずにすむか



朝、窓を開ければ一面火の海で燃えているのは心か庭か



迷ってる迷っていない迷わない天気予報はあくまで予報



ありふれたねおんの渦のただなかできらきらびやかな奈落を想う



美しいきみのダミ声もういいよ世界征服宣言薔薇薔薇



水中に沈めたシャツは重いからもう誰ひとり僕を待たない



失えないものがあるのか考える盗んだ魚に問いかけながら



走り去る電車すべての駅を過ぎ風はきみへと帰っていった








短歌 走り去る電車すべての駅を過ぎ風は Copyright 本木はじめ 2008-01-07 05:24:08
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