波の声
唐草フウ

波の声
かたりかけてくる
じゃまにならないように
ちかく、ちかく、とおく
足元をぬらさないくらいの
ところにぼくは
すわって

つかれてしまったよ
うずくまったよ
なにか答えてほしいとねがう
答えているんだろう
すこし、わかるんだ


とぉん
あしあとをつけ
ぴん
じゃんぷしてみる
あなたはふしぎそうに見て
穏やかにないている
夕焼けまで
影のびるまで
船がでるまで
魚がねるまで


なぜこんなに、はなれられないの
ぼくは自分に問う
そしてすこし体から取りだして
あなたにかえす
しずかだね
こぼす

しずかだね


つかえていたものはどこへ
流れていく
それはおしえないくらいに
しずかだ

波は
もういいのかい
なんてことは、言わない
ずっと
しっていたんだ
何も言わないで
かたりかけている いつも













自由詩 波の声 Copyright 唐草フウ 2008-01-02 14:21:17
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