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1時限目の授業では線分だったのに、4時限目が始まる頃には、世界に見えない向きへと広がっていった。
すぐ近くにある日々が、どんな場所より遠くに感じるとき、
とても遠くの景色が、すぐ隣にあるように思う ....
あの場所に この感情がのこっている
この日々に あの傷口がのこっている
静けさのなかで光を浮かべている
風景がぼくの気持ちを描いていた
四拍子なのにワルツのような唄
寝るときは瞼が守ってくれた夢
残酷に思える詩と、優しさを感じる詩が、僕にはあって、
僕は優しい詩が好きだ。
戦闘機より、パンケーキが出てくる詩を読んで、楽しい気持ちになりたい。
怒りや悲しみを、表現しないと駄目なときがあ ....
右腕が休憩させろと訴える
靴底に違和感があり立ち止まる
腰掛ける話の腰を折りながら
水筒の中には水が詰まってる
包丁で切っても豆腐は驚かない
走り出せそして疲れたら寝転が ....
かぜになりたい。
かぜになって、身も心も自由になって、
家で一日中ゲームをしたい。
風邪になりたい。
かつて仲の良かった人たちとは、夜空の星たちのようにちりぢりに離れた場所で暮らしている。
一緒にいた頃のことを懐かしんでいると、寂しくもなるけれど、別にそれでいいのだ。
きっとみんなどこかで光っ ....
僕は、シンプルになりたかった。ひらがなになりたかった。
ひらがなになれたら、悩むことはないだろう。苦しむこともないだろう。
悩みはなやみに、苦しみはくるしみになって、隣の文字たちと混ざり合って ....
残酷な人たちへとアメ玉を配る
セミに雪だるまを見せてあげる
なにかを掴もうとしながら歩いている
最後の夜君は満天の光を放つ
あなたの変てこな笑い方を思い出す
心が軽い ....
春が来たら、十年前の僕らの入学式を見に行こう
鳥の声や風の音が音楽そのものだった、あの場所へ
桜の花が舞うなかで、話をしよう
桜を見ることができなかった春の話を君としよう
なんにも ....
明日晴れたらどこへ行こう
雨が降ったらなにをしよう
暑い日も寒い日も、お腹が痛いときも怒鳴られたときも、なんだかんだ言って僕ら生きてきた
悲しみも怒りもない、罵りあいも八つ当たりもない、そんな未 ....
メモ帳には、
「さっぱりと空っぽになって、空を見ている
たとえ世界にとって新しいものはなくても、僕らは新しいものと出会い、日々を暮らす
別に、今日しか、今しか見れないものではなくても、今の空 ....
夜のいない街にいて、なかなか眠れない。
この街の中心に、夜を壊すわたしがいて、
夜を壊す音が鳴りつづけ、静寂が訪れない。
街は、一日中真っ白で、誰もいないなにもいない部屋だ。
ある日、わた ....
わたしのなかに小さなわたしがいて、週五日小学校に行く。
わたしが何もしてないとき、小さなわたしは学校の休み時間に考えている。
わたしについて、小ささについて、小さなわたしについて。
夜一緒に ....
お風呂のなかで羊を数える
布団のなかで10まで数える
からだのそばで、羊のぬいぐるみが、こころの空を雲みたいに漂う
羊がやわらかい温度を発し、
湯気のなか羊とともに眠った。Z^z^zと音をたて ....
昨日の自分がシャットダウンしないでいてくれたパソコンをシャットダウンした
なにかが壊れてしまったような寒さがながれる あなたはあなたのからだをちゃんと守れていますか?
冬服を着て、瞼を閉じて、 ....
水たまりが一瞬虹色になった。
遠くで電車が鳴いている。
植物が風を浴びてふふふとわらう。
雲がぐわんぐわん動く。
鮮やかな秋だ。
誰の手にもとられずにずっと沈んでいる本がある。
本のなかにのめり込んで沈んでいる人もいる。
人から人へと貸し借りされ、ずっと泳ぎ続けている本もある。
本たちの上を楽しそうに泳いでいる人もいる ....
僕にとってとかわたしにとってとか俺的にはとか、そういうの無しで、ひとと話したい。君でもあなたでもなく、君でもあなたでもある、個人である、ひとと話したい。
誰かの考えが誰かを変える。
誰かが変わることで考える。
君が何かを考えることで何かが変わってほしい。
僕の言葉が変わることで何かが変わればいいな。
言葉について、考えることで変わって、言葉 ....
あなたのそのひかりさえも数にされてしまう
あなたのそのこどくさえも数にされてしまう
あなたのそのえがおさえも数にされてしまう
あなたのそのことばさえも数にされてしまう
あなたのそのこころさえも ....
私たちは
泣くことができないという理由で笑うことができる
図書館の本はすべて貸し出され
司書はひとりで本棚を読んでいる
この悲しみもこの痛みも本物だけど。あの優しい眼差しも温かい手のひらも本物。
だから生きてゆける。
時間が目まぐるしく回転している。空想ではないゆえに理想的な弧を描く。天からこころを探すための装置が覗いている。場所のカケラの発露。手すりに掴まっている子どもが見える。
起立礼着席起立礼着席起立礼着席。眠りが燃える、朽ちない光が永遠と。堤防で打ち上げ、喧噪に染まる眩暈が静謐に嘯く。肉体の水面、泥を着て。何かがすべてになろうとしている。