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いつか街を出ていく
それはいつかわからない


いつか街を出ていく
この街を出ていく

遠いむかし
産まれ
育った
故郷を離れた日みたいに

いつか部屋を出ていく
この部屋を　.... 背後から呼ばれたような気がした
雑踏に立ち止まり振り返ると
それは自分ではなかった

ぜんぜん知らない誰かが
知ってる人間を偶然見かけたらしい
呼び止めて懐かしげに言葉をかけていた

　.... 生きている道
生きていく道

途中踏み切りにぶつかる事は何度もあった
無情に遮断機がおりているときは
じりじりと待たなければならず
運よく遮断機が上がっていても
慎重に渡る必要があった
　.... 人生の負け犬も
人生の勝ち犬も

最期は一緒だよ
ダスターシュートに落とされて
焼却炉まで運ばれて
燃やされるのさ

果たして俺はどっちだよ
負け犬か
勝ち犬か

人生の負け犬　.... 餓鬼の頃
駄菓子屋で引いた籤は
紐が何本もあって
その内の一本の先に当たりと外れが出た
当たりが何で外れが何だったかは忘れてしまった

俗説なのか何なのか知らないが
男と女は運命の赤い糸　.... 道端に彼岸花が咲いている
家の近くの細い道に

道端に曼珠沙華が花を咲かせている
家の近くの畑と畑に挟まれながら通り抜けてく農道に
車一台やっと通れる道に

工場の屋根の煙突が
白い煙　.... 俺の家から歩ける範囲には
コンビニ　スーパーマーケット
俺の家から歩ける範囲には
学校　郵便局
等がある

なのにどうして
俺の家から歩ける範囲に
天国と地獄がないんだよ

何を寝　.... どぶ川に浮かんで漂う人間のクズ
何処かで殺害されてから深夜に運ばれて川に投げ込まれた
と推察された
男には相応しい死に様だった　誰からも同情されないだろう
寧ろ犯人は称賛されるに違いなかった
　.... 彼の郵便受けに「人間合格」の通知が届いた
差出人の名前はなかった

太宰治の「人間失格」なら知っていたけれど
人間合格っていったい何だ？
その封書を開いてみると
便箋一枚に手書きで書かれて　.... 死ぬ間際の呼吸を想像した
想像がつかない
生きているだけで活きていない自分が
履いているスニーカーの靴底のすり減り
を
脱いで眺めた

鏡を見るような眼で
そこに写る言いようのないさび　....

Lucyさんのこたきひろしさんおすすめリスト（10）
タイトル	投稿者	カテゴリ	Point	日付
いつかこの街を	- こたきひ ...	自由詩	2	20-7-13
傷口が塞がらない	- こたきひ ...	自由詩	7	20-4-19
踏み切りの前で	- こたきひ ...	自由詩	8	20-3-14
ノイズ	- こたきひ ...	自由詩	5	20-3-7
当たりと外れが有るから籤なのさ	- こたきひ ...	自由詩	6	20-1-4
ぜんぜん面白くない	- こたきひ ...	自由詩	10	19-10-3
感情の昂り	- こたきひ ...	自由詩	5	19-9-30
私は私には私とは	- こたきひ ...	自由詩	4	19-9-28
人間合格	- こたきひ ...	自由詩	6	18-9-1
鏡	- こたきひ ...	自由詩	5	18-4-18

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