無人駅
tonpekep

無人駅に降り立てば
地図の見方にも
ちょっと工夫がいる
缶ビールをぐっと飲む

子供の頃に
抱きしめ方を習ったような
初夏の風にさえ
あいさつを交わしたい

垂直に支えつづける日射しの中に
延びてゆく径
ひらがなのような空の下には
たくさんの花が咲いている

青春のように
線路には石ころが無性にひかっている
やがてゆっくりと羽を広げ
飛び立ってゆくのかもしれない


自由詩 無人駅 Copyright tonpekep 2007-04-20 17:43:42
notebook Home 戻る