夜のピアノ
やまうちあつし

夜の真ん中に
グランドピアノを置いて
一人で弾いていたい
誰もいない深夜の空き地で
適当に鍵盤を叩き
一晩中悦に入りたい

そして翌朝には
知らんぷりしていたい
こんなものを
置いていったのは一体だれかと
訝しむ近所の人たちに紛れて
何食わぬ顔で
遠巻きに眺めていたい


自由詩 夜のピアノ Copyright やまうちあつし 2015-11-14 09:34:40
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