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ボロボロになった身体を引きずりながら
ぼくはどの方角へ向かうのだろう
食べられなくて
何も食べられなくて
週末には点滴が待っている
楽しみなのは大相撲中継だけで
週末の入院を待っている ....
次第に近く聞こえてくる潮音が
夏の間近にやって来た
汗ばむうなじをフェイスタオルで拭きながら
海沿いの路をトボトボ歩いて
バス停近くの
紅い暖簾の中華そば屋にたどり着いた
一息吐いて
....
薄い膜に守られ
厚い筋肉に守られた血液が
身体の中心に存在している
肋骨に覆われ
100年の鼓動を約束する存在の原点なのだ
西洋のハートは心臓型をもろに示しているが
この国ではおにぎり ....
岩を砕き
オリファルコンを突き
水を求める
それが俺の仕事ならば
もう何処にも彷徨うことなく
水を探せ
固い地盤を爆発させて
水を得るのだ
透明な
透明な
碧い水を分け与え ....
トマト
セロリ
タマネギ
ニンジン
ジャガイモ
インゲン豆
マッシュルーム
鶏モモ肉
ベーコン
ニンニク
ショウガ
パセリ
ローズマリー
タイム
大地の恵みをシチュウ鍋 ....
潮の満ち引きが鼓動と繋がっていた
あるときは優しく
或る時は激しく
わからないままに彷徨う姿は
赤や青に点滅する
夜中の踏切を渡ろうとしても
遮断機があがることはなかった
待ちくたび ....
何者かはわからない
狐のお面を着けた
誰かが
ぼくをじっとみつめていた
紅い鳥居の陰から
何かを呟いている
よく聞こえないので
誰なの? と
聞いてみると
ぼくだよ
と応える
....
三角が重なりあって
巨大な円になる
深海に夢をみるアンモナイトたちは
そろってそんな夢をみていた
彼らの正体は遠い宇宙からやって来た
謎の生命体だったのだ
その生態は人々の背中に宿り
....
空の色が無くなり
銀盆のような
アルミニウムの月が昇っていた
少し戸惑いながら
東の空を眺めていたら
雲霞のような
鳥の群れが
北の方角を目指している
不思議ではないのだけれど
ぼく ....
バロックの符号は今も新しく
私を魅了する
彼と私には何の関係もないのに
私は彼に魅了され続けている
彼は神という存在を啓示した
私は仏という人間に指をさす
交わることはあるのだ ....
有効径0.1㎜+-3%以内
均等係数1.1以下
正確な砂時計をどうする
滅ぼしてしまいたい欲求不満が
電気のように
身体を貫ている
水道も
下水も
建築基準も
道路も
....
もの言わぬピエタを前に
ぼくはすでに言葉を失っっていた
何を語ることもなく
鼓動だけはゆっくりと打ち続けていた
螺旋の彼方に消えて往ったおかあさん
ぼくは何かを伝えたかった
も ....
空は高く
遠く
ぼくを迎えいれてくれる
少しだけ寂しいけれど
青く染まってしまったぼくは
静かな誘いにコクリと頷く
透明な羽が肩から生まれ
いよいよ旅の刻が来た
自由な大 ....
鳴いた空はとても紅かった
ぼくは入道雲を追いかけて
夕暮れを防ごうとした
追いかけても届かない哀しみは夏の色
ごうごうと空が鳴ったのは幻だったのだろうか
紅色の空はあまりにも鮮烈で
ぼ ....