春形見
本木はじめ



花束を車内いっぱい敷き詰めて水没してゆく春の陽とひと



野の花や少年少女の髪揺れる風泥棒が口笛吹けば



集まればいつしかはなれてしまう春むかしどうきゅうせいと来た海



鉛筆を削って芯を折ればいい偶然みたいに装えばいい



ライフイズスゥィート春は桃色の蛇が胸から出ようともがく



足枷を外せば自由に慣れるはづ梅は散ったか桜はまだか



フラワーズ世界が終わる十日後を知らづに空を背景とする



春形見なににしようか迷うほど時間はなくて握る手のひら







短歌 春形見 Copyright 本木はじめ 2007-04-07 21:20:16
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