行程
たもつ

一番線のホームを
羊の群れが通過していく
海の近くに
美味しい牧草地があるのだ
その後を
羊飼いの少年が
列車でゆっくりと追う

夕暮れ近くになると
列車に羊を乗せて
牧舎へと帰る
二番線を通過しながら
少年は一日分
等しく歳をとり
羊は同じ一日で
その何倍かの歳をとる

時々海の珍しいものを
家族に持って帰る
笑うことにも
最近はよく慣れた


自由詩 行程 Copyright たもつ 2007-06-11 23:35:34
notebook Home 戻る