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落とし穴を掘った
たくさん掘った
通り行く人たちが
すこんすこんとはまっていった

はまった人のいる穴に
名札を立てかけて
名前なんて知らないんだけど
名札があった方が便 ....
五月に咲いた花が
未だに枯れずにいます
まるで今朝方咲いたばかりのように
生き生きとしています

あなたは反対に
日に日に腐っていく様で
そんな風に見えてしまう私は
少し ....
空を見上げると
あまりに星がたくさん瞬いていて
まるで降ってきそうだと思っていたら
降ってきた

星はぷよぷよしていて
僕の手の中でもしっかりと輝いていた
もっと大きなものだ ....
何年ぶりかのあなたの電話から
あなたの声が少し枯れているのを聞いて
風邪などひいていなければいいのにと思います

時折繰り返される思い出話に
あなたの笑う声を聞いて
なぜか少し安 ....
あんたが生きたかった毎日を
死にたい死にたい言うて生きてる人もいて
そんな人と命の交換ができたら
どんなにええんやろうと思うよ

うちが生きることしかできひんなったんは
あんたが ....
ママに聞いたら
パパは生まれた頃から
毎日私の体を洗ってくれていたそうです
どんなに忙しくても
パパは毎日体を洗ってくれました

小学生になると
周りの友達は
誰もパパと ....
わたしの影は
わたしの涙で
水色になりました
わたしがそっと足をつけると
ぴちゃっという音をたてます
わたしはくつをぬいで
服をぬいで
影のなかへ
沈んでいきます
 ....
隣に座った旅人に
何処に行くのですかと聞いたらば
にこりと笑みを返された

なんだかそれがとても
尊い物のような気がして
私もご一緒していいですかと
たずねた

旅人は笑って首を振っ ....
妖精の振りまく鱗粉が
鍵盤の上に優しく振り落ちる
それは聞いたこともない和音
はらはらと
ポロン、ポロンと

和音に合わせて妖精は歌う
声は和音をかするすれすれの高さで
 ....
星の洪水で空が溢れそうな夜
私はまだ穢れのない身体と共に
あなたの衣服を織りながら
あなたに添うことを思います

機小屋の周りには村人が火をたいて
私が逃れられぬよう夜通し見張り ....
私とあなたの名前はクローバー
たった一人の願いを叶えるために
生まれてきた

隣同士にいつもいるあなた
泣きたくなるくらいの
優しい気持ちになる

誰かの願いを叶えるために ....
偽りを欲した時、私はまだ幼くて
月夜の美しさも、怖ろしく感じていたのでした

しかし幼いとはとても都合のよいことで
私はそれゆえに今よりも遥かに
残酷でいられたのでした

偽り ....
アダムとイブが
神様の庭を追われた一週間後
アダムにもしものことがあったとき用に造られた
もう一人の落ちこぼれのアダムは
目を覚ました

神様には
目覚めたときに
優秀な方のアダムがい ....
あれから
何度も同じような冬が過ぎ
薄桃色の春も
常緑の夏も
深紅の秋も

あなたはずっと
喪服の着物姿

世界と隔絶されんばかりの
体を一部とした
景色から飛 ....
あの日子宮に辿り着いた時
私は多くの仲間を蹴落として
一人の女を犯した

彼女はとてもきれいな
色をしていたから
私は穢したくて
嫉妬していたのだろう

彼女と一つにな ....
彼は一度もピアノを見たことがない
白いところと黒いところが
どんな風になっているかを
彼は知らない

彼の耳には
白いところと黒いところの
音が聴(み)える

彼の音に ....
月は泣く
また一人だけ
真っ暗闇に照らされて

遠い遠い昼間の
あの太陽へ

手を伸ばせども
届かない
もし辿り着いても
か弱い彼女の体はきっと
丸焼けになってしま ....
君の口から吐かれる息は
さぞ幸せだろう

美しき
粘った
結晶の
綿がしのような
甘い、甘い
白息

僕もあなたの
綿となり
また
食べられたい

 ....
雪が天命を授く様に
空よりの言の葉を乗せ落ちる
拾い集める結晶の断片を
つなぎ合わせて見る伝言

手にした物は自由かい
虚ろに消える毎日かい
解けて消える私の伝言に
答え ....
無口な男がもてる時代は
もうとっくに終わったかい

遠くを見つめて
佇む姿は
もう飽きたかい

一瞥すれば寄ってきた雌たちも
今では面白い奴が
好きなんだとよ

 ....
きれいな物はなんでも好きよ
雪が積もった時の睫毛や
私の口づけを求めるときの
少し荒めの白い吐息は
まるで水蒸気の妖精の舞

歩いた後にほわっと匂う薫りや
私を抉るときの指の ....
千波 一也さんのなかがわひろかさんおすすめリスト(21)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
落とし穴通り- なかがわ ...自由詩7*07-6-30
枯れない花- なかがわ ...自由詩5*07-6-13
星が降る夜に- なかがわ ...自由詩8*07-6-10
声に- なかがわ ...自由詩2*07-6-9
命の交換- なかがわ ...自由詩7*07-5-28
体洗い- なかがわ ...自由詩8*07-5-21
白い影の住人- なかがわ ...自由詩14*07-5-19
隣の旅人- なかがわ ...自由詩8*07-5-8
妖精の声- なかがわ ...自由詩5*07-3-24
棚織津女の一夜- なかがわ ...自由詩9*07-3-8
クローバー- なかがわ ...自由詩6*07-2-10
偽夜- なかがわ ...自由詩5*07-1-12
もう一人のアダム- なかがわ ...自由詩11+*07-1-11
冬の人- なかがわ ...自由詩4*07-1-7
子宮の中で- なかがわ ...自由詩12*07-1-3
彼の音- なかがわ ...自由詩4*06-12-31
月が泣く夜に- なかがわ ...自由詩5*06-12-28
白息- なかがわ ...自由詩4*06-12-16
雪葉- なかがわ ...自由詩3*06-12-1
スヌーピーの多弁- なかがわ ...自由詩8*06-11-29
美しき物- なかがわ ...自由詩8*06-11-17

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