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冷笑されるでしょう が
卒寿となった いま
すがりつくしか ありません
過ぎてしまった
脆い群像の 淡い言動のかげ に
卑下されるでしょ ....
遠くで鴉がうそぶいている
近くでキジバトがうなっている
もういっぽうでは
無聊が楽隠居のかげをひそめて
脱落のひなたぼっこ ....
重みをなくした
他愛もない 愚痴を
オブラートにつつんで
嫁いでいった 一人娘に
しばしばメールしている
卒寿となった おひとりさま
だが 一人娘は 多分・・・
言外 ....
去る日──
虚空は躁病となって
ルビーの文月が真夏日となった
風と光と雨と土は
ぺんぺん草だけを増長させた
趣きの貧相なおらが裏庭一面に
あゝ 網戸をすりぬけて匂ってく ....
入院中の相部屋で
天井の淡い模様をながめながら
暇を持て余していたおいらにとって
それは それは 照れ臭かった
担当の女性看護師から
米寿 おめでとうございます と言われ
....
(今日はこどもの日だ とか)
こどもごころに思ってました
どうして ひいおばあさんは
「ナンマンダ ナンマンダ」と
四六時ちゅう呟いているんだろう と
だが いまや 娑婆のゴールが
....
電柱の先端で
おらを見下ろし
しわがれたドラ声でわめいている
グロテスクな鴉
「半生を懺悔せよ」と言わんばかりだ
....
隕石が墜落したというのだろうか
流動したというのだろうか
そして それに対向して
大気は追跡したというべきだろうか
具現したというべきだろうか
コスモのミステリーを
....
ヨタヨタ ドッコイ フーラフラ
ノタノタ ドッコイ フーラフラ
トボトボ ドッコイ フーラフラ
見慣れて 歩き厭きた プロムナードで
でまかせの呪文を 呟きながら
(えび煎餅が焼かれるよ ....