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  「風のことば」

西へと
みじかい眠りを繋ぎながら
渦潮の海をわたって
風のくにへ

古い記憶をなぞるように
活火山はゆたかな放物線で
懐かしい風の声を
伝えてくる

空は ....
花だから咲いたらすぐに散ります
誰かが言いました

わたしは薄いうすい一枚の紙です
折り鶴が言いました

わしは古いふるい一本の木だよ
仏像が言いました

ぼくは孤独でまぬけな人 ....
小さな穴を掘って
小さな埋葬をした
小さなかなしみに
小さな花を供えた

小鳥には翼があるから
虫のようには眠れないだろう
空を忘れてしまうまで
地中で長い長い夢をみるだろう

 ....
それは鯨ではない
おたまじゃくしだ
スケッチをするぼくの背後で
だれかの声がした

骨になって眠りつづける
博物館の鯨
宙に繋ぎとめられたまま
白い夢はなかなか
目覚めることができな ....
乳母車を押して
雪道を祖母が
駅まで迎えにきてくれた
ずっと昔
汽車は忘れるほど駅に止まってたもんや
毛糸玉がだんだん大きくなっていく
古い服が生まれかわって
新しい冬を越す
ぼくの記 ....
雨が降っている
雨が降ると私はいそがしい
家の中が子どもでいっぱいになる
まるで空から降ってくるように
子どもがどこからか現れる
つぎからつぎから
家のすきまから入ってくる
窓もドア ....
公園のベンチにすわって深呼吸をする。
遠くに青い山が見える。山はいつも見る風景の中に、変わらずにある。
おじいさんにもらった山である。
というのは真実ではない。
自分の詩の中で、自分勝手に自分 ....
ひとり校庭で
逆立ちの練習をしていた子
あれが、
きみだろうか

5段組みのてっぺんで
バンザイをする子
きみでないことはたしかだ
きみは高所恐怖症で運動オンチ
逆立ちもできないし側 ....
父が商人になったきっかけは
一本のから芋の蔓だったのです
長男だった私は
そんなことを弔辞で述べた
そばで母や妹たちのすすり泣きが聞こえた

その前夜
父はきれいに髭を剃ってねた
どこ ....
Lucyさんのyo-yoさんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
風の国から- yo-yo自由詩3*16-8-20
なんとなく春だから- yo-yo自由詩7*16-4-7
つばさ- yo-yo自由詩9*16-3-27
鯨はみどり色の夢をみていた- yo-yo自由詩6*15-3-4
そのとき光の旅がはじまる- yo-yo自由詩16+*14-12-1
雨の子ども- yo-yo自由詩6+*14-6-23
分け入っても分け入っても青い山- yo-yo自由詩8*14-5-3
きみの空へ- yo-yo自由詩6*13-9-18
弔辞- yo-yo自由詩1513-4-30

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