闇がさらけだされる
十三夜
君ものぞき見しているだろうか
息のかかった葉が揺れる
風でよかった
栗のいが 落とした枝先
風でよかった
瞑るから 消える月曇り
風でよかった
どろどろの みずたまり
風でよかった
障子穴には 悟られない
風でよ ....
モダンな詩 Modern
ダ 語 Modern
ン か Modern
な詩集かモダンは死 Modern
ダ 語 Modern
ン ....
ほほえみなさいませ
青ざめた朝日に
うらぶれた夕日に
ほほえみなさいませ
粗暴な隣人に
博識な鼠に
あらゆる予言は成就する
互い違いの順番に
船出前には誤解は解ける
思い思いの格好で ....
アーティストの名前は覚えていない
確かブラジルの現代美術展にて
ささやかで嬉しい発見をした
ささやかな絵画だと
最初は思った
でもインスタレーションとの事
なぜこの絵画がインス ....
覚め切らない皮膚 あまおとの影ふみ
ギターはたどる言葉のない遺言を
心から剥離した音は捨て猫のように理由を探さない
薄物のヒューマニズムを着せてはまた脱がす
週末の脈略は絶たれどこか乾いた ....
わたしにはないもの
持っているあなただから
自然と惹かれていったのかな
あなたにはないもの
持っているわたしだから
自然と惹かれてくれたのかな
補うように惹かれ合って
....
今 冷静に考えればおかしなことは幾つもあった
学生服のボタンが陶器に替わったのは良いとしても
疎開先の山村に棲む父の従兄の大工小屋で
兵隊さんたちが材木を使って
角形の潜望鏡のようなものを ....
不満があるわけじゃないし反抗してるわけでもない
興が覚めたというか気分がのらないんだ
つくり笑顔が本当の笑顔になるのかな
君の笑い声とユニゾンできるかなぁ
365日後の朝にまだ痛 ....
目の前の、岐路は分かれ
右の標識も、左の標識も
〇い空白のまま、立っている。
*
私は想いを巡らせ…夜道を{ルビ漫=そぞ}ろ歩く。
立ち止まり…深夜に囁く星々に、目を凝らす。
....
私は褐色がかった指に
マニキュアを塗る
輝く爪を手に入れるため
これまでは
手をほめてくれる
人達がいた
大切にしていた
私の白い手は
褐色になりつつある
鋭角の風のよう ....
こどものころ 戦争は いつかなくなると 思っていた
実際の話 古代や中世の時代と比べたら
安易な理由では、人は人を殺めたりはしなくなったのだろうか
むかし 中世の時代に 真鍮の牛という処 ....
とつぜん雲が現れる
泣けば楽になると傍らで誰かがいう
雨が降りはじめる
わが子を抱きしめていた腕がするり
ほどけてだらしなく砂を掴んだ
かなしみに浸ることはかんたんで
すべてを捨てる覚 ....
表意文字同士で手を繋ぐ駅裏の小路
休んでいいかいと言った少年の姿はもうない
弦楽器の音合わせに
五本の指は小さな画面の上をひた走る
青年は手を自由にし煙草に火をつける
再び繋ごう ....
乾いている
鼓膜に打ち寄せる波に温度はあるのか
でも 飲み込んだ言葉はひび割れていた
靴音から調律までが一番好きだ
酔っていれば君を見つめていても
秘密のまま 鍵は手の中 ....
どうしてひとは死ぬのか
でも
恐竜やマンモスたちが死んでくれなかったなら
わたしたち、居なかったね
どうして父さんは死んだのか
十余年がんを繰り返して
苦労したから痛かったから我慢はた ....
スズや、スズ、と 呼べば白猫が一匹
呆けてしまった昭和の頭に 鈴の音だけでやってくる
年老いて逝く者の生きがいのために 孤独死を恐れてか
「アパート一室につき猫一匹飼育可能」、の高邁な ....
わたしにふれてと誘う水銀のふれればおかされてゆく毒
水の系譜もとをたどってゆく指先で、彗星ながれる
熱の朝水銀のメモリゆっくりと伸びてゆく儀式、生殖
だれとも手をつながないでどこへゆ ....
夜の粒が
とけだしてゆく
空の底は
うすむらさき色にゆるみ
未来が滴らした
おれんぢが
静かに攪拌されてゆく
ここは
宇宙の果てなのだ
あるいは
巨大なグラスに注がれた
....
あなたはいつも 視線の先に
ねこじゃらしの房が
朝日に照らされ
柔らかな光の珠になった
そのままとんでいって
しまいそうだった
抱き枕じゃ足りなくて
誰かに思い切り甘えた ....
ナイフを手に入れろ
くすんだ景色を切り裂くために
ほら こんなに青く 世界は
青く燃えて たゆたい――
ナイフで胸をえぐれ
にぶい痛みを消し去るために
ほら こんなに紅く おまえは
....
築十八年になる
カステラハウスと呼ばれる
小さな三階建ての家に住んでいる
毎週日曜日になると
潔癖症の夫と二人で掃除をする
掃除機を抱えて 嬉々と
バトルスーツをきた戦士のように
家 ....
下ばかり向いて歩くので
予想外のものを見つけてたじろぐことがある
妙に心に引っかかるもの
その場を立ち去りがたくなるものを見つけた時
ひょいと拾って持って帰ってしまう
そのせいで細々としたが ....
ためいきの数だけ弾けるポップコーン
気持ちがまあるくふくらんでいく
o 。 ゚ o゜ 。 ゜ ゚ 。
母性本能をお湯で割る
汚して 壊して
泣かれたときにだけ抱きしめたくなる
....
私はさかなをかく。
私はさかなはかかない。
さかなのなかを私はかく。
さかなを支える骨の内部を流れる
熱い海の流れを。
*
塩焼きにされた秋刀魚にかぶりつく、
がり ....
他人は全員他人なのに
世界の総人口-1人の他人がいて
それでも僕は自分だった
寂しい
他人になってしまいたい
でもきっと
そう感じるのは僕だけではないはずで
それが少し悲しいけれ ....
環境に適応していきのびることが
生命のことわりならば
それにしたがうのがあたりまえなのだろう
考えることはない生きればよい
小利口にならずきちんといまを選択する
なにが純粋なのかよく ....
心が感動したがっている
かわいてパサパサしているから
ごめんね
そんな言葉ではもう
ふくらまない希望
ゆるやかに降りる坂道は
静かにカラダに苦痛を与える
それでも歩かなければ ....
神さまなんて信じてないわたしだけど
太陽を神とすることにした
わたしは確かに太陽から
うまれたんだとおもうから
困ったときも
うれしいときも
太陽を想う
なんだか顔をあげたく ....
(最後まで、引き渡したくなかった大きな身体。)
「お骨になっちゃったから、仕方が無いね。」と
諦めた様に叔父さんが呟いた。
「お骨になっちゃったから、仕方が無いね。」
マイクロバスに乗 ....
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