夜、虫のこえ

秋がそこにいた

でも、まだしまえない名残のTシャツ



 
夜明け前
鶏の鳴く声で目を覚ましたのは
もう遠い昔のことのようだ

今では
ゴミ場を漁る カラスの声で
目が覚める

僕がまだ寝床のなかで
うつらうつらしている時が
カラスの食 ....
恋の果実を
収穫することを待ちながら
暑かった夏空は
熟れた林檎を
真っ赤な彩りに染めている
大切な人へと
恋を想って約束を
するときのように

真夏に夕焼けを
埋め尽くしたばかり ....
服を脱ぎ捨てて、
皮膚を剥いで、
すべて剥ぎとる。

まだだ、
核心に触れるまでは遠すぎる。
いったいどこまで
いったいいつまで
続くのだろうか。

魂は太陽に比例 ....
皮を剥くことばかり求めて、
実の味を忘れた
林檎みたいな私の肌に、
あなたは歯をがりり立てました。
私はその痛みに歓喜し
ちいさな翼を羽ばたかせ
あなたの心のなかの
小さな ....
六月の雨が
育ち盛りのスイカをいたずらに誘う
でも、今年の梅雨は少々しつこくて
早くも冷夏の予感がした
ナスビもトウモロコシも痩せたまま太らない

繁茂するのはスイカのツルと葉っぱばかり
 ....
自然であること自然に衰えてゆくこと

ぶつかりながら消耗しながらもえつきる流星

いつ どこで

誰が 何を 何故?

自分のだけの視野で批評も感想もなくて
生きることも可能だが
 ....
絵のない絵葉書が届く
ことばのない詩が書かれていた
ピアノソナタが雨に溶けて
コスモスはうつむき顔を覆う
山の精気が少しだけ薄められ
ものごとを前にしてふと
過去からの声に手を止めている
 ....
電柱スルスル登って翻る
夜の風は
ううんうんといい匂い
もう秋だね秋だよと
電線をスウイスウイ息を吹きかければ
粒々の秋が沸いてきて
ゆらゆらゆらぐ雲の上
大きな鉄塔にょきっと一番星が飾 ....
     わたしは帰る
     猫の住む我が家へと
     服も靴下も脱ぎ散らかし
     ひんやりとしたベッドへ
     もぐりこむ
     鼻先の生温かなけものの匂い
 ....
老夫婦は 一杯のラーメンを
夫は 妻のために取り分ける
妻が食べ始めたのを見てから
自分も食べ始める フードコートの午後


微笑ましい光景と 思うかもしれない
老人の箸の先は震えて ....
 左手にヘアアイロン、右手にスマホ。高校生の娘は朝の忙しい時にも、そんな習慣を欠かさない。前髪がそんなに重要なのか、ラインでどんな大切なメッセージがあるのか、聞きたいところだが、朝から言い合いたくない .... 戯れが過ぎたのか
名月が遠い 待てない心臓が加速始め

この訪れの麗らかさを

深呼吸トクトク鼓動にはもって上体を反らして

螺旋の儚い軌道を静止飛んでいる

ひたひたの心に ....
眠れない夜だったから
架空の国へ出かけた

王位継承
森の魔物
結界の霧雨

本を閉じると
外も
いつのまにか雨

この雨が結界なら
私も連れ去ってくれ

見わたす現実の
 ....
ぼくはかぼちゃがすきだけど
あのこはそうでもないみたい

きみはやきゅうがすきらしい
ぼくはあんまりすきじゃない

ぼくにはすきなものがある
ぼくにはきらいなものもある

それは ....
あんた証明したい
なんにも 
嬉しいね卵持ってかえりなよ
釘打ってごらん釘
ぎったんばっこん傾いて
地球も発泡してら
ああ君ら目から艶墨ちろちろ流すが
猫がしどろもどろだね
あんた主張 ....
恥ずかしそうにして
横たわる真白い身体の
すぐ近くにある
誰も知らない部屋で
あの扉を開くことができる鍵穴に
ぴったりと
はまり込む
秘密の白い鍵穴に
鍵を当てはめる

Eroti ....
蒼い蒼い秋の空の下
地の涯から
君の名を喚ぶ

蒼い蒼い秋の空の下
地の涯から
君の名を叫ぶ

叫べども
叫べども
声は届かず
蒼い蒼い秋の空に消えていく

空は遠く
蒼く ....
ひかりのあたる角度によって
ものごとは綺麗に反射したりえらくくすんで見えたりもする

シャンデリアのある素敵な応接間
ある生命は空間を得るために代償を払う

それを得られない一部は
高速 ....
箪笥の奥深く秘められていたいくつかの小箱
おそらく母の物であろう歯の欠けた櫛に
出合ってわたしの心が波立つ

そして 夭折した兄たちの名に混じって
ボクの名が乾ききった小箱

それは ....
夏のあいだ僕らは
危うさと確かさの波間で
無数のクリックを繰り返し
細胞分裂にいそしみ
新学期をむかえるころ
あたらしい僕らになった
けれど
ちっぽけなこの教室の
ひなたと本の匂いとザ ....
八月十五日は 終戦記念日ですが、それは あの玉音放送が放送された日だからですが、
本当の意味で 戦争が終結したのは、七十年前の九月二日だということを 私は今年になってはじめて知りました。

 ....
きみの取扱説明書をみつけた
ちょっと古びて
もう保証書もどこかへいってしまった

皮膚を剥いでゆくように
すこしずつものを整理してゆく

基本性能だけでいいのだ
死ぬまでにデフォルトの ....
雨は降り続け雨は降り
雨雨雨雨 降り続ける

雨が降り続き雨が降り
雨降り続けて秋深まる

雨雨雨雨 降り続けて
蝉の死骸は濡れ溶けて

濡れ腐る蝉の死骸は空
雨雨雨 只降り続ける ....
 
喧騒の夜

組み込まれているから、見えない

都会にもいるんだよ、言霊



 
真っ黒に日焼けした たくましい腕
「健診でひっかかって…」 屈託なく話した
野球部の監督をしている 彼の日常は
夏休みを返上で ノックバットを振っていたはずだ


風が澄み始めた 今年 ....
かき氷を
噛み締める音が
透き通る
氷の粒の結晶は
ちょうどひかりが
零れおちるみたいに
花火の黄昏にある音のように
ころんころんと
ふたりの記憶のなかでも
響いている

ずっと ....
ことばを吸い込むと、
身体中の血管が弾けて、
なみだになって流れていく。
そのなみだが、
地に落ちて、
灰色のキャンバスの上に落ちていく。
キャンバスの頬に
薄桃色の赤みが ....
雨が続いて
秋になる

祭りの後のような
一抹の寂しさ

子供の声が聞こえない

でも
静かな静かな
長い夜もまた良い

季節を受け入れる人々の心に

幽玄の
月が近づく
今はもうないくだものを
ないお皿に山盛りに載せ
今はもうないお屋敷の
ないお客様に振る舞うため
両手に捧げ
運んでいく

彼女はもうない白いエプロンを着け
もうない芝生の上に
テーブ ....
夏美かをるさんのおすすめリスト(7676)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
Tシャツ- 殿上 童自由詩16*15-9-7
カラスの声で目覚める朝は- 南無一自由詩115-9-6
林檎- りゅうの ...自由詩7*15-9-6
太陽- あおい満 ...自由詩6*15-9-6
接吻- あおい満 ...自由詩14*15-9-5
朝の日記_2015夏- たま自由詩21*15-9-5
案山子- 梅昆布茶自由詩1215-9-5
秋・逡巡- ただのみ ...自由詩19*15-9-5
粒々の秋- 灰泥軽茶自由詩315-9-4
金の目と金の月- 石田とわ自由詩16*15-9-4
Fantasie_Impromptu- 藤原絵理 ...自由詩4*15-9-4
こらえれば海路の日和あり- そらの珊 ...散文(批評 ...815-9-4
小さな秋の戯れに- 朝焼彩茜 ...自由詩17*15-9-3
冥府の門- ガト自由詩11*15-9-3
すききらい- 青井自由詩315-9-2
萌えて悶えて- ただのみ ...自由詩7*15-9-2
Erotic_Hazard- りゅうの ...自由詩8*15-9-2
蒼い秋の空の下- 渡辺亘自由詩315-9-2
蛍日記- 梅昆布茶自由詩1915-9-2
臍帯- イナエ自由詩22*15-9-2
コピーアンドペーストエンド- そらの珊 ...自由詩23*15-9-2
九月二日- るるりら散文(批評 ...11*15-9-2
空っぽについてのマニュアル- 梅昆布茶自由詩1915-9-1
雨は只- たけし自由詩815-9-1
言霊- 殿上 童自由詩13*15-9-1
野分- 藤原絵理 ...自由詩415-8-31
かき氷の遠い夏の音- りゅうの ...自由詩10*15-8-31
分身- あおい満 ...自由詩10*15-8-31
長雨- ガト自由詩4*15-8-31
山盛りの果物の大皿- Lucy自由詩10*15-8-31

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