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川の中に一列に泳ぐ鴨がいた
冷たい風の中平然と
大きいのから順番に
風にむかって泳ぐ
その背中じゃ風よけにはならないだろうに
大きい鴨は
大きいから先頭をゆくのか
親だからな ....
雪を含んだ荒れ狂った風がふくとき
懺悔をすることにしている
だれにも聞こえない声で
してしまった罪を告白する
あしはますます重くなり
背中は痛いほど冷たくなるのに
心だけがぽっかり ....
今日歯医者にいって
長くガリガリ削られていて
それがちょっと痛くて
そういえば祈る神様をもっていないことに気づいた
だって私をつくったのは神様なんかじゃないから
冬らしくない冬の日
....
夜には私少し慎重になります
だれもが薄い肌着になる
そんな感じがするから
荒々しく
とがった言葉をかけたら
破れてしまうでしょう
みんなそんな薄い
肌着でなんかいるから
寒くて ....
おばあちゃんは
クリスマスパーティに呼ばれたからいくといいました
なにを持っていくの?ときいたら
ごぼうを持っていくとこたえた
今朝ほりだしたから
お正月につかえるだろうからと
土 ....
塩パンはあまい
悲しくても腹が減る
不幸は苦いだれのものでも
生まれた場所
生まれたとき
えらべない
塩パンはあまい
腹がたっても腹が減る
幸せだって腹が減る
ひとりのと ....
空があんまり真っ暗だから
目印に月があるの
そこにつめをひっかけて
ペラとめくれば裏側になるの
地球はほんとは丸くなんかなくて
昼間しかない世界がひろがっている
夜と昼はいれか ....
捨てようとおもいました
いろいろなものを
捨てようと
たくさんのものに囲まれて
いては息ができないと
重いとおもったから
でも
どれにもそれにも
わたしがいて
捨てたかっ ....
チョコレートは最強の食べ物におもう
遭難してもチョコのおかげで生き延びられたりするそうだし
おかあさんにしかられてもチョコがあれば
少しだけひとりでいれそうだし
箱にはいった高級なチョコよ ....
あやまったら大抵のことはおk
そんな考えでもいい?
そんな気分の夜
まじめに生きないって本を
読みながら風呂にはいろう
どうせ朝がきたら
起きるんだし仕事にいくんだし
はみだして ....
あなたの影を追うように
あなたがかいた詩をよんでいる
詩は日記ではない
だれかが
だれもが
そう言うけれど
そこには確かにあなたがいる
いとおしく撫でるように
目で追い続ける
....
うつむく癖があるのです
うわめづかいに空を
ちらっとみる癖があるのです
ほんの少し
確認するだけでそれでいい
あるのだから
空はいつもそこに
わたしは
わたしのなかの光を
信 ....
昼間なのに薄暗い
秋なのに寒すぎる
勝手だね
だれに言うでもなくつぶやいた
少し後ろめたいから
そっとふたをする
私の過去に
祖母の言う
ちゃんとすること
は わたしの ちゃんと
と 違うことを感じる朝
すこしさむい
歳月という文字をおもいだす
まったく言葉がでないまま
背中は語るとかね
軽くうなづき ....
朝に騒がしい鳥がいる
ヒステリックになきさけんでいる
なにがそんなに悲しいのだろう
腹立たしいことがあるのだろうか
わたしに置き換えてかんがえる
そんな癖がついてしまった
朝に騒が ....
身に着けていた
葉っぱほとんどなくして
ぶるぶる震えている木々を
笑えない気持ちでみているわたし
がんばっちゃうんだよね
流されちゃうんだよ
どうやったって
風は
すかれたり嫌 ....
すきなことをするつもりで
すきなことらしきことをした
自分の事なんてやっぱりわからない
きらいじゃない
なんて言葉がきらい
なにかと戦っているひとの本を
店員に隠れながら立ち読みを ....
夜になるといつも
自分しかみえない
だからさみしくなるんだ
朝がくれば世界がみえる
だから歩きだすんだ
さみしい夜を
こえるために眠るんだね
なんのためになんて考えない
い ....
川の中に鳥が三羽
岸に一羽
川の中の鳥は
水にもぐったり泳いだり
一生懸命にみえる
三羽は家族にみえる
話しあっているようにみえる
岸の一羽
みなに背をむけている
別の方 ....
すきなひとに気軽に
すきと言えないように
きらいなひとにきらいと
言えるはずもない
一緒の鍋をつついても
心にふれないよう気をくばる
湯気があたりをぼやかして
ほんとのことが ....
おとしよりが
せかせかと歩く少しウエーブした腰は
なにものかを背負っているからなのだろう
からっぽの両手を
少しきちんと膝においた
見透かされそうな私
夕日と一緒にどんどん進む
....
そうだね
って言うのはむずかしい
たったひとことなのに
そうだね
って言えない
認めたくないわけじゃないと
おもったけどやっぱり
認めたくないのかもしれない
わたしは正しい ....
独り言に
返事しあう老夫婦の
ひとつあけて座る
ベンチのわたし
なってもいいかな
こんな未来図を
感じながら
伸びをする午後
心が感動したがっている
かわいてパサパサしているから
ごめんね
そんな言葉ではもう
ふくらまない希望
ゆるやかに降りる坂道は
静かにカラダに苦痛を与える
それでも歩かなければ ....
神さまなんて信じてないわたしだけど
太陽を神とすることにした
わたしは確かに太陽から
うまれたんだとおもうから
困ったときも
うれしいときも
太陽を想う
なんだか顔をあげたく ....
夜のある時間には
落とし穴があるのです
いきなりストン
やれやれです
居心地よかったり
泣きたいのに泣けなかったり
しにたくなったり
落とし穴が
ちゃんとあることにほっとし ....
夕焼けは
顔をあげていないと
みえないよ
すいこまれたいような
あかい方向には
どんな世界があるの
今日の失敗とんでゆけ
じきにくる夜に
おいかけられている私
がんばった今日も
がんばらなかった今日も
わたしの指からきえてゆく
あなたが泣いた時間も
あなたがついたためいきも
あなたの手からきえてゆく
こんな風になにものこらないとおもっても ....
けんかした
言ってはいけない言葉をたくさん言った
殺してやろうとおもった
言葉で
あなたがでていくのを押しとどめて
出られないようにして
ぶつけて
ぶつけて 言葉を
傷つけてや ....
簡単がいい
すぐにわかるもの
すぐにできるもの
すぐに泣けるはなしがいい
あたまも重くなるよるだから
ほろりととける
お酒のようなはなしがいい
詩がいいとおもう
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