壁に掛かった能面たちは
電灯に照らし出されると
生き返る

幼い子には
能面たちの話す声が聞こえるのか
じっと見つめ後ずさりする

激しい風雨の夜は
般若面が半開きの口の奥で
歯を ....
陽が沈むころ
コウノトリのコウちゃんは鉄塔に帰ってくる

ねぇ、コウちゃんいてないわ……。
洗濯物を抱えて二階から降りてきた妻がいう
鉄塔のてっぺんで夜をすごすコウちゃんは、まだ三才
個体 ....
木苺に僕が夢中になってたら ずるいよ母さん消えちゃうなんて

どんぐりをバケツ一杯食べた日は 僕の内からひしめく芽吹き

こんばんは独りになって見上げれば月も偉大なひとりぼっち

熊の皮か ....
床下の部屋は半地下で
物置代わりに使っているのだ

辺りが畑のせいなのだから
野鼠が床下の部屋に入り込むことは
仕方ないと諦めることこそ
当たり前のことのはずが

夜中にガザゴソと音が ....
激しい飢えがある
研ぎ澄まされた刀に
腹をえぐられるような
鋭い痛みがある
確かに俺は致命傷を受けた
でもこんなんじゃ終わらない
終われないんだ
運命が俺に挑戦するなら
俺が運命に復讐 ....
月を呑み込んだ僕らの影ひとつバターのように溶ける 歯ぎしりしないよりは
するごまめでありたいと思う

井戸の底から出られなくても
空を見上げる蛙がいい

賢い猿になれずとも
見て聞いてものを言い

出ないより
出る杭でありたい
 ....
風景を壊しながら
ゆっくり歩いていたら
感傷が45度に傾いた、

存在が比喩のような君が
新しい名詞を
街にばらまくから
リリカルに死んだ思い出が
一瞬で
胸の中にひろがる、

 ....
今、空の底にいます
屈折した光に包まれて
案外うまく歩けています
地図を読むことは
相変わらず苦手だけれど
磁石を温めて
風を読むことが出来れば
目的地にはいずれ
たどりつくかもしれま ....
 
心が凍えそうな夜

カレーなんだな

みすかしたように、カレーなんだな



 
君のいないリビング

殺風景でアウェイで時間しか癒しきれない悟り

時折涙の理由を問いたいくらいに溢れ出す

寂しいよ とても

君のいないリビング 心にぽっかりとあいた穴

寂し ....
葬式の日まで筋トレするのか スーパーマーケットで、安寧芋という名前の芋を買ってきた。鹿児島の種子島の特産品らしい。
よく出回っている鳴門金時芋より少し高いけれど、トースターで焼くと黄金色の身は柔らかく溶けるようで、それだけでも ....
ごシュウギ目当ての

全国オセロ大会が始まる

以前は俄然合戦

セイトウ的陣取りゲームの囲碁だったが

近頃では多くのイシが

「我らシロにもクロにも決めかねまする」

投じ ....
デジタル信号に変換された
音色の濁流から
そのUTAをすくい上げたのは
ただの気紛れだった

はけ口を求めて迷走する魂を
水先案内するように
君のUTAは胸の裏地に棲みついて
僕の ....
どうして

次の日と
もう一日だけ
ライン
会いたいと

ああそうか
そういうことか
嫌だけれど
気づく

彼の主張
彼のやり方
わかってるよ
でも 暖簾じゃない

 ....
ブラックボディの
ノートパソコンを開け
キーボードに伸ばす手
を追い越し
パネルに伸びた指

夜明け前の画面に触れる指先
から泡立ち溢れる渦 
胸の傷口が割れて
大輪の洋蘭

隠 ....
見合結婚した母に聞いた
結婚した本当の理由なんてない
自分がどうなるか解らないから
冒険気分で結婚したの
解っていたら結婚しなかった

恋愛結婚した妻に聞いた
結婚した本当の理由なんてな ....
人の背中をみる
いろいろききたくてみる

なんにも言えないでみる
ふりむいてくれないからみる

それをみているひとがいる
不思議そうな顔でそれをみる

そんな風にだれもが
だれかの ....
あなたの
努力のおかげで
わたしたちは
あたたかい場所にいられる
つぎに
何を成せばいいのか
頭が痛いけれど

話しかけられたら
うれしい
緊張もするけど
でも
だからといって ....
コンクリートの直方体に
鉄の芯が入り
表面がガラスで覆われた
無機質で重い建造物
その林の中にいると
美しい灰色の空気によって
吐き気がする

夜になると
別の世界が顔を出す ....
メールや電話って便利
どんなに遠くにいても
相手に自分の声や言葉を伝えられる
その時だけ相手の事が誰よりも
近くに感じるから寝る事も忘れて
文字を打ったりたわいのない話をするんだろうか
メ ....
労働を知らない手が赤のリード線を切る 男は詩を書いていた。
たくさんの詩を読み
感動したり影響を受けたり
時には幻滅したりしながらも
毎日のように詩を書いていた。
そして、
男は自分の作品を一冊にまとめ
ついに詩集を出版した ....
名前のないものにかこまれて生きている
見たもの感じたこと
言い表せないもどかしさ

伝えようとするものには
名前がないし
きみの良いところも
うまく表現できない馬鹿者だが

そういっ ....
山を背にした集落の
家家の屋根から突き出た鐘楼ひとつ
奥の旅を終えた芭蕉も伊勢に下る船上で
この鐘の音を聞いただろうか

港のあったこの集落に都会の風が吹き込んで
集落を縫う曲がり ....
垣根越しに
老女の艶やかな手
切ないほど甘い
いびつな頭をもぎとって
埋められた犬のため
息を光に押し出した
枯れた莢を揺らすように


踏むと何処かで誰かが死ぬ
枯葉の音に冷たく ....
吸ってしまったドの音は
かみなり雲の腹下りだったら怖い
今日はどんな音楽聴かせてくれるのか
頭上の空の黒鍵盤と白鍵盤
しかし飴と紙芝居で喜んだ昔と違って
百年先までシミュレーションし ....
いつかの冬に置いてきぼり約束した未来 焦げ付いたワインレッドの残り火が
目に焼き付いた
角を曲がる時ほんの一瞬見上げた空
次の角まで行った時には
もう消えているのだろう

建物の傍に続く歩道を
急ぐともなく歩いた

けれ ....
夏美かをるさんのおすすめリスト(7676)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
能面- イナエ自由詩11+*14-11-19
朝の日記_2014夏- たま自由詩17*14-11-19
月と小熊- そらの珊 ...短歌12*14-11-19
鼠の家その周辺- 板谷みき ...自由詩3*14-11-19
張り倒す- 渡辺亘自由詩614-11-18
月を呑み込んだ僕らの影ひとつバターのように溶ける- 北大路京 ...自由詩614-11-18
ごまめのはぎしり- Lucy自由詩17*14-11-17
破壊の季節- 左屋百色自由詩914-11-17
この手の先にある空の果て- そらの珊 ...自由詩22*14-11-17
カレー- 殿上 童自由詩23*14-11-17
君がすごしたリビング- 朝焼彩茜 ...自由詩14*14-11-16
葬式の日まで筋トレするのか- 北大路京 ...自由詩114-11-15
夜更けの紙相撲_霜月あるいは食物月(おしものづき)- そらの珊 ...散文(批評 ...15*14-11-15
オセロ- ただのみ ...自由詩11*14-11-15
UTA- nonya自由詩17*14-11-15
彼の場合- 中原純乃自由詩2+*14-11-15
水路に盛り上がる鯉を見た翌朝- イナエ自由詩7*14-11-15
理由なきハンコ- イオン自由詩5+*14-11-15
連鎖- 朧月自由詩2+14-11-14
棲み家- はなもと ...自由詩4+14-11-14
都会- 凍月自由詩9*14-11-13
かたち- リィ自由詩7*14-11-13
労働を知らない手が赤のリード線を切る- 北大路京 ...自由詩214-11-13
現代詩カフェ(読み放題)オープン!- 左屋百色自由詩8*14-11-13
詩人- 梅昆布茶自由詩1814-11-13
時の鐘スケッチ- イナエ自由詩14*14-11-13
かりん_Ⅱ- ただのみ ...自由詩13*14-11-12
空のアコーディオン- 乱太郎自由詩17*14-11-12
いつかの冬に置いてきぼり約束した未来- 北大路京 ...自由詩214-11-12
夕焼け- Lucy自由詩17*14-11-12

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