継ぎはぎだらけのタペストリー
隙間から柔らかな風が吹いた気がして
離島が点在する
静かな海をゆく船を夢想する
日常は羅針盤もないスケートボード
リュックひとつでバランスをとって乾いた ....
眠れない夜の羊たち
番号を与えられ順番に沈黙に浚われていく
まるでアウシュビッツの塀の中で
私の孤独は刃の欠けた短刀
羊たちの羊毛を剥ぎ取ることも叶わない
そして絶望も錆びれて
....
風になびく黒髪があなたの横顔を隠す。
あなたは細い指で優しくその髪を撫でる。
そんな仕草が愛おしくて私は泣いた。
愛情があなたの存在そのものになった。
あなたは絵画に描かれた ....
潮の満ち引きが鼓動と繋がっていた
あるときは優しく
或る時は激しく
わからないままに彷徨う姿は
赤や青に点滅する
夜中の踏切を渡ろうとしても
遮断機があがることはなかった
待ちくたび ....
どっかーん…!
太陽の砕けた花火の如く
あの日、きみと出逢った歌舞伎町の夜。
厚化粧のきみは
難聴のハンディをもろともせず
くらしっくをBGMにくるくる
地下の舞台で乱舞しなが ....
太陽が低く輝いている
濡れたアスファルトがそれを照り返し
わたしは目を細めた
光の針がどこまでも伸びて
小さな瞳孔から苦も無く入り
網膜を火の海にした
百メートルほど先を
炭のように黒い ....
π(パイ)
二畳ほどもある焼き釜は
林檎とシナモンの焼ける
例えようのない良い薫りです
どれほどの林檎が燃え盛る炎に
くべられたか その林檎の数には限りがありません
讃えようも ....
野良が挨拶しているよ
疲れた毛を励まして
露出した皮膚を隠し
道の真ん中を
人々の営みの中を
堂々と
野生の威厳を振り撒き
声ひとつたてず
冷たい日差しを歩いているよ
こそこ ....
仙台のお米
漬物
ずんだあん 餅は自分で焼けと
自家製イチジク干し柿
でっかい梅干しと活用法
牛タン
LOOKチョコレートのずんだ味 お!何だこれは!
そして手紙
小学校からの ....
空から落ちた
無数の楽器が
土の上で砕けたまま
鳴らそうとした音を鳴らしつづける
顔を撫でては去ってゆく
浜辺に打ち上げられた
硝子片に満ちた死骸から
熱は羽のように ....
迷う時は王道へ振り抜け
悩むときは異端へ駆け抜け
書かないとしっくりとしない
描かないとくっきりとしない
作らないとすっきりとしない
そうした意味では病的であると自覚済み
....
小さな街を歩く
通勤快速や急行は止まらないような街。
偶然賃貸住宅のサイトで見つけた。
駅前はこの前グーグルアースで見て回ったけれど。
名前すら知らなかったような、
そんなそんな ....
キャベツを刻む 0.5mm できるだけ薄く
手間と時間がかかる 何のために?
きみが喜ぶ顔を見たいだけ ウソつきのあたし
なけなしの時間を使う理由があった
小さく手を振った 改札か ....
捨てようとおもいました
いろいろなものを
捨てようと
たくさんのものに囲まれて
いては息ができないと
重いとおもったから
でも
どれにもそれにも
わたしがいて
捨てたかっ ....
立ち上がれ 立ち上がれ
それぞれが重荷背負ったその肉身
骨格軋ませ筋肉収縮させ
この世で開放されんとする意志なければ
あの世でも人はただ眠り込むのみ
神の与え得る力すら余りに微弱
....
たった今、冷蔵庫のなかのありあわせで作ってみてあまりにも美味しかったので皆さんにも食べてもらおうと思って書いてます。
◆材料:
蕎麦(袋入りのゆで麺) 一袋
油揚げ ....
書きたくないねえ
なんだか 自分の死を待つようで
あんたが死んだ後の片付けだと
どうすりゃいいか分からんってか
死んでから見張っていられるでもなし
とやかく言うたかて
訃報を出すと ....
それは全て愛だった。
それは全て愛だった。
父が少しずつ貯めた積立金。
何かの足しになるようにと内緒にした
大きな空き瓶いっぱいの小銭。
「銀行に持っていったら、8万円になっていた ....
久しく忘れた地上の園を
人々が想い出すように
この世には
時折、虹があらわれる
沸騰する憂鬱を、
跳ね返すことばが、
さかなになって脳裏を横切っていく。
それを掴もうと、
手を握ったり開いたりしてみても、
私は海底に沈む難破船になって
視線を落とす。
*
....
月の昇らぬ砂浜に
唐紅の空眺め
忘れた歌を想い出す
衣を染めた白鳥は
空ろな波に身をまかせ
還る棲家を識らぬよう
解れた髪は風に散り
軋む素足は地に呑まれ
潮にこうべを晒しゆく ....
あなたの瞳は
地球ほど小さい
渦巻く星の雲浮かべ
光に濡れる黒い華
――めぐすり ひとしずく
恩恵とは湧き上る涙
乾いた世界に満ちて溢れるもの
柔らかく羽ばたいた
ひとつ ....
「家に帰りたい。」と譲らなかった時
もうすぐ死ぬ事が解かっていたのでしょうね。
「譲らなかった。」と言うよりも
最後の抵抗にも見えました。
「ここは俺の家だ!!」と
取り上げられるの ....
ざわざわとささくれだった霜は
冷たい空気に張り付いて浮いている
朝の街から聞こえてくるざわめきは
熱を持たずに乾いたまま遠くへ響く
冬の朝は平等に残酷で
どんな生き物にも降り注ぐ
....
この街は寒いのに 雨を雪に変えない
小さい傘を君にさして僕は濡れてしまう
クリスマスツリーの点灯は君との別れの時間
またねと改札を抜けていく 一度も振り返らずに
雲の上には眩しいほどの ....
ゆけなかった
ひび割れた空のかけら
拾い集めて
黒曜をながした月光
あなたのような
静謐
いだかれながら
緩やかに枯れてゆく
水底の
片羽根なくした
蝶を
想っ ....
できの悪い推理小説のプロット
夢の死に絶えたファンタージェン
造物主のいない創世記
すべての夢がわずかな因果の隙間に託されるなら
いつもつまずいている僕はニッチな日雇い漂流生活者
....
ちからなく たちつくす
たちつくすと きになる
きになると えだわかれ
えだには はが のぞむ
はっぱは かぜをうける
いきたいのか ちぎれても
いきたくないのか くちても
ねが ....
いつのまにか森は黄に染まり
陽射しに浸され黄金いろ
黄金に小刻みに揺れ輝く
空気が違う、匂いが違う
落ち葉と迫る冬のコンチェルト
秋と冬が衝突し合い絡み合い
発光しながら溶解する
静 ....
ちいさい秋見つけた
帰り道
ちいさい秋実をつけた
輝いている
ちいさい秋差をつけた
キミとボク
ちいさい秋目をつけた
羨ましい
ちいさい秋火をつけた
悔しさに
....
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